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31日目 箱入り
「中学で柔道とか剣道とか必修科目だって?」
「姉ちゃん、最近毎日家にいるね」
「需要と供給のバランスは大事なのよ」
「意味がわからないけど……」
「それはマサヤが子供だからだよ」
そんなことを言いながら、ゲームをしているマサヤにニコニコと笑顔を向けているだけで、ヒカリ自身は特になにもしていない。
「あとダンスも習ってるよ」
「ダンス? Shall We Dance?」
「そっちのダンスじゃなくて、テレビとかに出てる有名なアーティストグループのやつをやってて、発表会みたいのがあるんだ」
「へえ、ブルーレイ買わなくちゃ」
「なんで?」
「そうだよね。ハイスピードカメラだよね。……貯金で買えるかな」
ヒカリが、ぶつぶつとなにかを計算している。
「でも、社交ダンスじゃなくてよかったよ」
「僕もそう思う」
友達いないから、クラスの男子だけでなく女子とも近寄りにくい。
「けど、姉ちゃんはなんでそう思うの?」
「マサヤが他の女の子と手を繋いだり、腰に手を添えたりしたら、私はその子を脅さなきゃいけなくなるからね」
「……お姉ちゃんのそれのせいでお兄ちゃんに……なんでもない」




