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21日目 先に周りが気づく声変わり

「漫画の主人公って例外なくかっこいいよね」

 一冊の少年漫画を読み終わり、満足して閉じる。

「僕もさ、突然目覚めた能力とかが左手に宿って、龍とか炎とか召喚できたらすごくいいよね」

「中二ネタはまだ引っ張るんだ」

「リアル中二だからね」

 包帯とか意味もなく巻いたりしたらかっこいいかもしれない。

「お兄ちゃんさ、そういうのに憧れるのはわからないでもないからいいんだけど、妹とはいえ、人前でやるのはどうかと思うよ?」

「なんの話?」

「右手の親指、人差し指、中指を顔の前で立ててスタイリッシュなポーズを取ったり」

「なぜそれを!」

「あと人目がないからって、かっこよく腕を揮って『血の命脈が』とかいうのも痛々しいし、それに」

「まだあるの!」

「我が名はゲールシュタロームなんちゃらとかって長ったらしい名前」

「ゲールシュタローム・リ・アイゼンリッヒシュバインシュタイガーだね」

 開き直った。

 これが悟りの境地か。

「最近、そういう人多いらしいよ」

 本気で心配の眼を向けられた……。

 馬鹿にされるより辛い。

「お風呂でしかやってないのに……」

「全部外まで聞こえてる」

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