11日目 いつも信じているよ
仲が悪いわけではないが、決して良いわけでもない二人が、珍しく膝を並べて同じテレビに釘付けになっている。
「はあ、今週も面白かった」
「そうだね。もう可愛くてしょうがないね」
「妹ちゃんが」「お兄ちゃんが」
「違う違う、このアニメは主人公の妹が生意気を言いながらも、お兄ちゃんのことを気遣っているところが可愛いのであって!」
「馬鹿なの? 死ぬの? これはいじめられっこのショタっぽいお兄ちゃんが、憧れのお兄さんに追いつくために、がんばって修行するアニメなんだよ」
同じアニメを見ていても、見る視点が違えが、意見が食い違うことは多分にある。
「ちょっと待って、これは妹ちゃんが、お兄ちゃんのことを呼び捨てにしながらも、お兄ちゃんと仲良くしたいから、同じカードゲームのルールを覚えたのが始まりであって」
「なに言ってるの? これはお兄ちゃんががんばって強くなろうとするんだけど、同じチームの年上のお姉さんにも、年下の男の子にも気を使っているのが可愛いんじゃない!」
僕は立ち上がり、部屋に戻ってカードの束を持って戻る。
「意見が食い違った時は、勝負だ!」
「私、カードは持ってないから。アニメと現実を一緒にしないでくれるかな。それに」
アカリがジト目を向ける。
「それってさ、二人で遊ぶゲームだけど、なんでデッキ持ってるの? ついでに言うと、部屋で壁に向かって一人で遊ばないでくれる、きもいから」
「魂の奥から湧き上がるんだよ、イメージが!」




