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不思議な朝

様々な自傷行為に及んだり、死が頭から離れない、大切にされて来なかった人と同じ目線で闘えればと思い、執筆しました

朝のすっきりとした澄んでいる空気。からっと青い空。久々にカーテンを開けた僕はそれを目の当たりにする。まるで昨日までの悩み、苦しみが嘘の様な爽やかさは次第に僕の心を動かした。忘れもしない程確かに、光も空も果てしない為に苦手であったのに、不思議と今日は味方をしてくれる様な。

幾年かぶりにカーテンを開けた事で、幾年かぶりに身支度を整える気になった。苦手な色の関節照明を付け、狭い洗面所で己と対面した。

いつも、毎日、口が聞けない僕は、自己主張をしない僕はそこにいた。自分と書いて「透明人間」と読むと、何度も言って聞かせたのはいつからだろう?

特段元気な訳ではなく、ただあるがままの、無為自然な世界。大層な責任や自己受容など出来ないけれど、確かにここに立ってはいる。

僕には必要がないと迷いながら飲み物を胃に入れると身体の機関が動き始め、外の世界へ1歩を踏み出すきっかけとなる。普段であれば数時間もかかる準備もそこそこに、僕は足早に自宅を出た。

暑すぎて熱を帯びた金属からは嫌に敵意を感じる。もう帰ろうかと尻込みそうになる。数秒間、凹凸の目立つ砂利道と見合う。それはただ、いつもと変わらず、迷いと言う形の「諦め」をする為の準備だった。だがその日だけは、たまたまイヤホンから流れる音がやけに寄り添ってくれた。温かくて、爽やかな音だった。まるで強くなったかの様に錯覚して踏む地面、何故か孤独ではない感覚に包まれる。こんな日も、こんな時間も悪くないなと思う。進める歩は重くないし、進む為の気持ちは負けていない。今日は大丈夫である、と。

「どこにも居たくない」、心臓が苦しい。それらをずっと見ないふりをした事

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