第6話 ボーガンに傷つけた者
ボーガンはコメディ調になりますね出てくると。
割と書いてて楽しいキャラなので
これからもいてほしいもんです。
いるかは不明です。
でもひとのこと指さすのは良くないですよー。
いつもありがとうございます。
よろしくおねがいいたします!
「お、お前……、お前!!」
ボーガンは「お前」しか言っていない。
肩を震わせ、ダニエルを指さしながら、ジャック・ボーガンはやっとのことで言った。
「その今の姿と言い、その技と言い。あの時から何かおかしいと思ってたが……」
ダニエルは剣の形をもとに戻して構えた。
「たが、何です?」
「死神じゃねェな!?」
ダニエルは冷静に答えた。
「何故そう思われるのです? 私はれっきとした、ドリム様の直属の死神、ダニエル・ロイ・モルガンです。そしてボーガン、そなたはそのドリム様を裏切った死神です」
ボーガンは目をそらして、「チッ」と舌打ちをした。
「人聞きが悪いな、寝込んでるところにちょうどいいやって〇スしようとしただけじゃねえか。そこを逆にお前に襲われて、この傷がついたんだよ!!」
ボーガンは、左の腕っぷしをバンバンと叩いて、痛そうな顔をした。
「どっちが、人聞きが悪いんですか?」
「お前だよ」
「そなたでしょう、ボーガン」
「ええい、やっかましい!! どっちにしてもな、俺に傷をつけた者は、この世界には2人しかいねェんだよ!!」
「2人もいるんですね」
「うるせえ!! その一人が、ダニエル、お前だ!!」
ダニエルはうすぼんやりと、ボーガンに傷をつけた瞬間を思い出した。ボーガンの胸に狙いを定めたが、遠目で力を制御できず、左腕へと命中したんでしたっけ……。
「まあ、あれはドリム様の寝室であったので、手加減したのですが、それでも傷がつきましたか。すみませんねえ」
「もう一人はな……」
ダニエルが謝っても、全く無視してボーガンは自分の話を続けている。
「もう一人のことなんて訊いてませんが?」
「聴けよ!!」
「声が大きいですねえ。ドリム様が起きられましたら、裏切った死神はどう処分いたせばよいのかお訊きしますよ?」
「訊くな!! いいから聴け!!」
「『きくな』なのか、『きけ』なのかどっちか分かりませんね……」
右耳に装着してある無線からは、いつの間にかドリムの大きないびきが聞こえていた。おおかた無線を切らず寝てしまったのだろう。いびきがあまりにも大きすぎてうるさいので、ダニエルは無線の装置を耳から外し、首にかけた。ドリムのいびきのせいで、ボーガンの話が途中まで聞こえていなかった。
「……ついに見つけたぜェ、2人とも!! それが今日、両方とも手に入るとはなあ!! ドリム様は俺を、見捨ててなかった!!」
「とっくに見捨てられていますよ、多分。お名前もお顔も忘れていらっしゃるでしょうし」
ボーガンは目を丸くして叫んだ。
「な、何ィ!?」
「それより、この剣、重くて大きいので、ボキボキに折って、捨ててしまってもいいですか?」
「いいわけねェだろう! っていうか、返せ!!」
ボーガンがダニエルに手を伸ばした瞬間。
「……うぐゥ!?」
ダニエルは何もしていないのに、ボーガンがうめき声をあげた。
お読みいただきましてありがとうございました!