第46話 お菓子大作戦
アイスの名を隠していますが皆さんお分かりですよねw
いつもありがとうございます。
よろしくお願いいたします、
テンたちはとりあえず、坂巻青葉が通っていると思われる幼稚園の、半径1ロメートルの範囲内にあるスーパーと駄菓子屋のカップアイス売り場に、それぞれ潜むことにした。
死神界で会議した後、テンとシェリー・ダックという、細い目をした、オレンジ髪のぷっくりした女性の死神がタッグを組むことになった。そして古びた駄菓子屋の担当になった。
もう何分待ったか分からない。だが、一向に、カップアイスを買おうという客が現れないのだ。それもそのはず。ハー〇ン〇ッツとかいうおしゃれな有名アイスが今日は半額で、皆そっちを買っていく。もう少し安くなると、かき氷や〇くまくんを手に取ったり、〇リ〇リ君を手に取ったりする子も多かった。
テンたちはそのたびにがっくりしながら、辛抱強くその時――買ってもらえる時――を待った。しかしそろそろ飽き飽きしてきた。
「なあ、こんなんでうまくいくんすか?」
「いくかもしれないでしょ。でもテン、姿丸見えよ。頭隠して尻隠さず、どころか頭しか見えなくなってないわ」
「こっちは、周りが見えへんのやけど」
テンたちが様子を確認しているのはアイスの冷凍庫の扉が開く音がしたときだけだ。
「じゃあ、頭は出しなさい」
言われて、頭を出すと、カップアイスの箱の上に座っているシェリーが見えた。
「シェリー姐さん、カップアイスの箱の上に座ってるだけやないすか! スカートでカップアイス見えんくなっとるし、それやと売れへんわな」
「違うわよ、テン。人間の目には私たちは見えないのよ。ああ、〇ディー〇-デンのアイスをドカ食いしたいわー。おいしいのよね、アレ」
「死神なのに、食い物うまいって感じるんやね、オレは感じひんけど……」
「違うわよ、人間だった頃の話をしているのよ」
「シェリー姐さんは人間だったころの記憶があるんやね、オレには無いな!」
「あなた、ドリム様に創られた死神だからね。もっとも、今はほとんどがそうだけど。私みたいな古株は珍しくなっちゃったわー」
「え……? オレがドリム様に創られた……?」
テンには初めて聞く話だ。
「そうよ。って誰か来たわー。でも太ったおばあさんね。子供じゃないわ」
「おばあさん? ってホンマや」
太ったおばあさんは、テンたち越しにカップアイスの箱を見ながら言った。
「そうね、これがいいわ。これにしましょ。おばさん、このカップアイスの箱二箱分頂戴」
カップアイスを合計2箱、ふうふう言いながら、おばあさんはテンたちごと冷凍庫の外に出した。
「やっと買ってもらえそうだわ!」
シェリーが歓喜の声を上げた。そしてそのまま、運ばれていく。テンも引っ張られるようにしてついていった。
「まさか……?」
「その、まさかかもしれないわ!」
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