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第45話 酒飲んだら上手い奴

お酒は成人になってから飲みましょうね。


物語は夏ですが、書いてる今は冬で、11月中旬です。


季節感が会わなくて申し訳ないですw


いつもありがとうございます。

よろしくお願いいたします。

「……ハア!?」


 テンの報告を聴くと案の定、ドリムは不機嫌になった。コツコツと左手の爪で王座のひじ掛けを叩いている。

「テン、あんた、あたくしのために何をしに行った!?」


 他の死神たちは、皆、その怒声をビクビクしながら聴いていた。


「そ、それは坂巻青葉の元の家から、死んだかどうかを探るために……」

「そうだ! それを、何だ!? 『お~~か~~し~~♪』とか言う妙な歌は!?」

「オレも、アカンと思いました。でもそれ以外、歌が長すぎて覚えとらんくて……」

「そいつの名は?」

ドリムは背もたれから身を起こすと、そう訊いた。

「ビッシュとかいうてました」

「何ィ!?」


 今度は、右手でドリムが顔を半分覆いながら、テンの方をじろりと睨んだ。テンは死神だが生きた心地がしない。


「ビッシュは死神じゃないか! 髪の青かった、歌う奴だろう!?」

「そうです、そうです、ドリム様。歌は壊滅的に下手でしたけど……」

「あいつまで元死神になったか……! あいつはなあ、酒を飲ますと、すごく歌が上手いんだ。道理で、最近、宴会に現れんと思ったら、天界の奴らに捕らわれてたか……!」


 そうなんや。酒飲ますと歌上手いんか……。と思いながら、テンは次の言葉を放った。

「それで……、どうしたらええですか?」

「だんだん、死神の数が減ってきている。こちらも何か、手を打たねばならん」

「それは、坂巻青葉が生きてるということでは?」

「かも知れん。分からんのだ。こちらからはどうやっても、なぜか坂巻青葉の姿が見えなくなってな。だから、直接探させるしか手立てが……」

そこまで話して、ドリムは一瞬ふらっとしたように見えた。

「大丈夫ですか!? ドリム様?」

テンは慌てた。

「……あ、ああ。最近夜闇(やみ)を飲んでいないせいだろうな、調子が悪いんだよ。今も頭痛がする」

ドリムは左右に頭を振った。少しドリムの目に生気が戻ったように見えて、テンは安心した。


「死神の数が減っているなら、増やせばよいのでは?」

テンは提案した。


 しかし、死神の数が減っているのは、ドリムが死神を創れていないせいだということをテンはこの時知りもしなかった。


 死神を創るには、夜闇(やみ)と死んだ、つまり肉体を離れた魂が必要なのだ。より強い魂が。死んだのが若ければ若いほど、その魂は強い。

 ドリムはそれをテンたちに一通り説明すると、言った。

「……そうだな。では、あんたがまずたくさん殺してこい。肉体を離れた魂がたくさん必要だ。夜闇(やみ)もたくさん必要だ。若くて強い魂を持った肉体を無惨に殺せば殺すほど、夜闇(やみ)はたくさん出来るのだ」

「ええ!?」

テンは、また下界に行くのか。とげんなりした。


「オレはたくさんはいっぺんには殺せへんことは、ドリム様もご存じでしょう?」

「知ってるが……」

それが何だ、という顔だ。

「なら、他の死神たちを連れて行ってもかまいませんやろか?」

「いや、あんた一人で行け」

「へ、へーい……」


 とここで、何かを思いついたようにドリムが王座から立ち上がった。

「いや、待てよ。そうだな、『お菓子大作戦』と行こうか。あんたたち、今、子供たちが一番食べる夏のお菓子と言えば?」


 今は夏で、8月初旬である。


「アイス?」

「いや、カップアイスだ!!」

「一緒やないですか!!」

テンの突っ込みも気にせず、ドリムは続けた。

「あんたたち、坂巻青葉の幼稚園『稲村学園幼稚園』から半径1キロメートルの範囲内の、カップアイスを売っている店と言う店に潜り込め!!」

「いや、冷たいですう」

「それでも死神か!?」

最後までお読みいただきましてありがとうございました!!

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