第43話 じっちゃん
昨日とおとといはワールドシリーズをTV視聴してました。
新キャラ出てきます。
ダニエルとも深くかかわらせる予定ですがまだ書けてません。
次回はパートナーにも大好評だった話を書きます。ぜひお楽しみに!!
いつもありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
6歳の誕生日を迎えた頃の青葉は、幼稚園でも、独りでいることが多くなった。一人で遊びながら、周囲に死神がいないかを常に警戒し続けていた。
青葉の友達だった子も、ピリピリしている青葉の変化を感じて、少しずつ遠ざかっていった。
そんな青葉の、陰ながら見守り、サポートしている存在がいた。リザ・バートだ。
「またお一人で遊ばれているのですね」
「え……?」
聞いたことのない優しい女性の声に、青葉は漕いでいたブランコを止め、周囲を見渡した。
「ここですわ、青葉お嬢」
ザアッと周囲の木々がざわめいて、青葉は強い風に目を細めた。
白いローブを身に纏って、白いおかっぱ頭に赤い縁の眼鏡をかけたリザが、半月を手に取るようにして、青空の椅子に座っていた。夜闇を感じないので、死神ではないと分かった。
「お名前は?」
青葉は訊いた。
「わたくしは、リザ・バートと申します。お嬢を、助けに参りました」
「僕を……?」
「そうです。長らく探したのですけど、見つかってよかったですわ。青葉お嬢は、毎日毎日、死神と戦われて苦しい思いをされているでしょう?」
「う、うん……」
どこで見ていたのだろう。連日の苦しい戦いを思い出して、青葉は思わず泣きそうになった。
「た、助けて、リザさん。……ねえ、お医者さんはどこ?」
「お医者さん?」
リザは眼鏡の中の瞳をくりくりとさせながら、訊き返した。
「銀色の、長い髪した、海の目の色をしたお医者さん。ダニエル、さん…」
「まあ! わたくしの記憶にあるダニエル様は確かに長い髪ですけど、そんなお姿ではありませんわ! とりあえず今、いないか訊いてみますけど……」
そう言いながら、空から降りてきて、腕の端末をいじり始めた。青葉の横に並ぶと、リザは青葉の頭一つ分ぐらい大きいだけだった。
「えー、えー、こちらリザ・バート。救助対象者の青葉お嬢を発見いたしました。えー。つきましては、えー、ご指示をくださいませ。なお、青葉お嬢はダニエル様をお探しの模様。えー、つきましては、えー」
『青葉ちゃん!! 無事か!?』
かぶせるように、ジャック・リーの大声が響いた。青葉はびっくりしてもう一度ブランコに座り、目を丸くしながら、耳のキーンと言う音が治まるのを待った。
「は、はい、誰?」
青葉は声に聞き覚えがなかったので訊いた。
『じっちゃんだよ!! じっちゃんはな。今、ハニエル様のおうちに向かってるんだ! だからちいと声が遠いが、勘弁してくれ』
「はっきり聞こえてますわ、リー様」
「じっちゃん……?」
「おじい様、と言う意味でしょう」
横でリザが言った。
『それとな、ダニエルだがな、今、行方不明だ』
ブツッとここで通信が切れた。
「あら、切れちゃいましたね」
青葉は混乱する頭で考えた。今、向こうにいる人がおじいちゃん? お医者さんは行方不明?
最後までお読みいただきましてありがとうございました!!




