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第41話 眠れない日に

今回は珍しくちょっと長くなりました。


第20話の裏の話が明かされます。


いつもありがとうございます。

よろしくお願いいたします。

 寝ていた青葉は、死神の気配を感じ、突如目を覚ました。


 青葉の右横に桐子が、そのさらに右横に稔が寝ている。その二人を起こさないよう、暗がりで、左腕の包帯を外した。


「アッ、それは……!!」

死神が喋った。


 (いん)の字のあざが少し青白く光っている。その光が一瞬強くなったかと思うと、死神は消えて霧散した。


 今日はママに取りつこうとしてた……。 昨日はパパだったけど。


 そうなのだ。このところ毎日、夜中に起きては、死神を親の知らないところで消し続けていた。たいてい死神は一人なのですぐ終わるが。


 死神に印の字を見せるといなくなるから、ということは青森の福子おばあさんに教わったものだ。


 * * *


 青葉を青森に連れて行った桐子は、『青葉の能力(ちから)を封印してほしい』と言った。それを聞いた福子おばあさんは『分かりました』と言った。


 でも、福子おばあさんと二人きりになった時、言われた。

『能力というものは、その人の人生に必要だから、ついているものなのですよ。私は、あなたの能力を封印したくはないんです』

『でも、僕、今のままだと、パパやママを困らせて泣かせます』

『そうですか。では、こうしたらどうです? 能力が使いこなせるようになるまで、その力の加減を半分にするというのは?』

『半分?』

『そうです。お師匠、つまりあなたの大ばあ様と、おじい様もそれをお望みのはずです。あなたが、その能力(ちから)で、皆を幸せにする役割を果たすことを』

『はい』

青葉は、生まれてこの方会ったことがない『大ばあ様』やこちらも会ったことがない『おじい様』が誰だかは分からないが、とりあえず返事をした。


 その後、3日に分けて、青葉の前で福子おばあさんはずっと何か呪文のようなものを唱えていた。呪文が長くなるにつれ、青葉の左腕の青白い光は薄く小さくなっていくのが分かった。最後に、福子おばあさんが筆を持ち、青葉の左腕の光の上に何か書いた。一瞬、くすぐったかった。書かれた知らない文字のようなものを見て、青葉は訊いた。

『これ、何ですか?』

『能力を半分にした印よ。もし何か黒いお化けーー死神というんですけどねーーが見えたら、その死神にこの印をお見せなさい。死神が消えるから。ただし、特に桐子さん、お母さまと、お父様には隠しなさい』

『しにがみ?』

『人を殺してしまう、死なせてしまう神様です』

『そんな怖い神様……』

『そんな怖い神様がいるんですよ。知られているところには知られていることです。はい、これでよし、と。ちょっとキツイかしら?』


 青葉は、印の上にゴムのような包帯を巻いてもらった。キツくはないので、青葉は首を横に振った。


 * * *


 どうしてこの左腕の印を見せると、死神がいなくなるのかは青葉には分からなかった。説明もなぜかしてもらえなかった。


 一度、桐子にお風呂の中で訊いたことがある。

『僕のおじいちゃんってどういう人?』

『お医者さんよ』

『ううん、もうひとりのおじいちゃん。僕が会ったことのない、早く死んじゃった方の』


 桐子はひどく、ビクッとした顔をした。そしてそれを隠すように、両手を湯船から出し、顔を洗うようにしたあと、言った。

『そのおじいちゃんも、お医者さんよ』


 『お医者さん』。そう聞いて思い浮かんだのは。あの病院で見たダニエルの綺麗な銀髪と瞳だった。あのお医者さんが僕のおじいちゃんなの……?


 だったらどうして僕を助けてくれないの?


 一瞬そう思ったが。来ないものは来ないんだ……。 僕は役割を果たさなきゃいけない。福子おばあさん、僕、頑張るよ。そう思って、青葉はまた眠りにつくことにした。

最後までお読みいただきましてありがとうございました!!

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