第39話 しまい神(がみ)様の叫び声
しまい神様は流れで出てきたんですが、結構気に入ってるキャラクターです。
大阪の面白いおじいさんな感じが。
いつもありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
「おおわーーー!!!」
「ダメじゃ――!!!」
しまい神様だけかと思ったら、頭も光っているが体全体も白く光っている太ったおじいさんがそこに倒れていた。
しまい神様、白い手袋をかぶった大きな右手は、陽が様子を見ていると、むくりと起き上がった。そして叫んだ。
「かー!!! ワイめ、とんでもないものを連れて来よって……ゴホッゴホッ。ワイのせいやで!?」
しまい神様には目がないが、口は大きな手のひらの真ん中にある。そこの歯に銀髪が絡まっていた。
「わしのせいだと言うんかい!! わしは一生懸命止めたわい!!」
光っているおじいさんは、赤くなって怒っていた。
「まあまああなた、どうしたの、大声出して!」
タヌカさんが間に入った。
「あのお……」
一人置いてきぼりだった感のあった陽は、ようやく計画書を飲み込んだ後、声をかけた。
「皆、どうしたんですか?」
「生かし神の仮面をかぶったヒロシとやらが、しまい神の口の中に入ってしもうたんじゃ!!」
光っているおじいさんは陽の2場ぐらいの大きさに大きくなって、大声を出した。陽はびっくりして思わずのけぞった。
「あの、言ってる意味が……」
「あやつは死神を増やそうとしておる!! この下界で!!」
「え……?」
「正確にはあやつのような死神に取り憑かれた呪われし子供たちを増やそうと……!」
呪われし子供たちと聞いて、陽はぞっとした。
「……止めなくちゃ!!」
「せやで。でっかい小僧の思う通りにはさせたないな。おい、タヌカよ、この銀髪取ってくれるか?」
「はい、少々お待ちを。はいあなた、大きく口を開けて」
しまい神様は手のひらいっぱいに口を開けた。タヌカさんはその中を覗き込む。
「しまい神様!!」
陽は叫んだ。
「あが?」
口を大きく開けたまま、しまい神様は返事をする。
「ボクを、青葉お姉ちゃんの所へ連れてって!! 誰かのママのお腹にその、ヒロシって人が行く前に、ボクが止める!!」
「ボクちゃんよ、お前さんにそれが出来るかのう?」
光っているおじいさんは訝しげに暗くなって訊いた。
「ボクにはもう、『坂巻 陽』って名前がある!! だから『陽』って呼んでください!」
「こりゃ失礼じゃった。陽よ、ヒロシとやらを止められるか? 言っとくが、これは一大事なんじゃ! もしやもすると、お前さんの命も……」
「それでも、止めなきゃいけない。止めて見せます!!」
陽は言い切って、しまい神様の口の中へ飛び込んだ。
「おわーーー!! まだ準備できとらんちゅーねーん!!!」
最後までお読みいただきましてありがとうございました!!




