第35話 中途半端な更衣室
今回はサービスシーンなんですけど、冒頭で青葉が視てた姿はこれだったんですねー。
なぜ青葉にその姿が見えてたのかは、今のとことまだ謎です。
いつもありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
人間の命を、これで……? ダニエルがお上に手渡されたものに疑問を持っていると、お上は言った。
「その恰好を変えねばならんの。それではまるで、死神の装束だからの。エレミー、アレをよこしてくれい」
「はっ」
エレミーは鋭く返事をすると、散らかった荷物の中から青い袋を取り出した。
「これですわね?」
「ほうじゃ。中身を出してくれい」
エレミーは言われるまま、中身を広げていく。
青くて長い手術着、金と銀であしらわれたベルト。それに細いポケットのついた白衣。緑の十字の入った腕バンド。それに白い長パンツに、ガードルに靴まで……。
ダニエルはそれらを見て目を丸くした。
「これを、私に、着ろと……?」
「ほうじゃ。生かし神の名に恥じぬものを用意させたつもりじゃ。気に入ったか?」
気に入るも何も、今の服はだいぶボロボロなので新しい服がほしかったところだ。
「はい、ご用意いただきまして、ありがとうございます」
まあ、1つ難点なのは、ダニエルの好きな黒が、今履いている下着にしかない、ということだろうか。ということは口には出さなかったが。
「……でも、どこで着替えを……?」
「わしの中じゃ。ホレ、入りんさい」
と言うと、お上は口を「ガバーッ」と開けた。
ダニエルはひとまず、お上から渡されたビーカーをその場に置くと、
「うーむ」
と唸った。
やがて意を決してそこに飛び込んだ。
中は白く、なぜか広く、明るかった。
「あ! 着替えを忘れてる! ダニエルさん」
天井の方からそう声がして、ポンポンとエレミーによって着替えが投げ込まれた。それを受け取ると、ダニエルはおもむろにマントと黒装束の上着を脱いだ。白い長パンツから履こうと思ったが、長パンツが見当たらない。
「エレミーさん、白い長パンツご存じありません?」
「え、あれ?ちゃんと入れたのに……って、きゃああ!」
「え?」
エレミーは天井の穴の所で顔を真っ赤にしている。
「い、いえ。意外と浅黒い肌の胸板の良さよ……。って何言ってるのかしらあたし!!」
そう言われて、意外と胸板があったんだと気が付くダニエルであった。そしてダニエルもちょっと恥ずかしくなった。
「ほうなのか? どれどれ」
天井の穴下がってきて、やがてダニエルの腰ぐらいになった。もう『天井』とも言えない。
「お上までやめてください!」
口を開けたままのお上と目が合って、ダニエルは赤くなりながら抗議した。
「お上、お上!! それじゃあ、ダニエルさんの上半身が外から丸見えですわ! ってやっぱり良い胸板ー♡」
「いいから、早く着替えさせてください!! お上、中途半端な更衣室では困ります!!」
「ほうじゃった、ほうじゃった。すまなんだ」
……てんやわんやの着替えとなった。
最後までお読みいただきましてありがとうございました!!




