第34話 光の使命
先週はアクシデントで更新できず申し訳なかったです。
名前を出してはいけない人っていうと、ハリー・ポッターシリーズのあの人みたいですね。
いつもありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
ぱちん、と誰かに頬を張られた。
「生かし神、わしじゃ!! しっかりせい!!」
お上の声で、ダニエルの意識が「外」に出た。
あれ、私は何を……?
手には夜闇の入った三角フラスコ。「自分」が何をやろうとしていたのかはわからないが、すぐさま不味い事態になりかけていたことをダニエルは理解した。
へなへなとエレミーが目の前で座り込む。
「ダニエルさん、なのね……?」
「はい、私はダニエルです」
「でもお上!? 大事な仕事があったんじゃ……?」
エレミーはほっとした表情を浮かべたかと思うと、驚いたようにそう言った。
「こっちを止めるのが先じゃ!」
「こっち……?」
ダニエルは問うた。
「ダニエル、お前さんが、またなったら困るからの、名前は伏せるが、ダニエルでない誰かになろうとしておった」
「はあ」
「それにエレミー、お前さん、何を実験したかったか、わしにはお見通しじゃ。また『生かし神』かを試そうとしておったな? わざと、しまい神に夜闇をしまわせて……」
お上の一言を聞いたエレミーは、目を見開いた。
「そう、です……」
「何故じゃ? 何故、そんなことをやろうと思った。お前さんの考えを申してみよ」
「主人は何を考えているのか知らないけど、あたしは、この人のこと、元No.2のダニエルさんなのか、まだ信じきれないからです。今ので、もっと信じられなくなりました。この人の中には、別の人格が、います」
「ほうじゃな。しかし生かし神は、生かし神なのじゃ。もう死神ではない。エレミーよ、死神とはなんじゃ?」
「下界に災いをもたらす者。魂と夜闇が結びついた者です」
「ほうじゃ。しかし、生かし神には、夜闇はないのじゃ。正真正銘、死神ではないのじゃ。ただ……気になることがあっての」
「何でしょうか?」
ダニエルは訊いた。
「生かし神、お前さんの魂の画僧を見せてもらったことがあっての」
「そうなんですね」
「一部、大きく欠けておった」
「……」
ダニエルも、エレミーも絶句した。
「欠けた欠片がどこにあるかまでは見つからんかった。しかし、そのかけらがヒ……いや、名前は出してはいけなかったの、ダニエル以外の者である可能性は否めんのじゃ」
「その欠片が夜闇とくっついていると……?」
エレミーは問うた。
「そうかもしれんが、そこまでは分からん」
「だから、私は夜闇が魂にくっついてないのに人間を殺せた、と? そういうことですか?」
「ほうじゃな。しかし生かし神よ、そなたは生かし神じゃ。だから」
「だから?」
と、ここでお上は頭の中から水色の液体の入ったビーカーを取り出した。
「これを、夜闇のついているあらゆる人間に飲ませて、人間の命を延ばし光の存在に戻すのじゃ。それがそなたの使命じゃ」
最後までお読みいただきましてありがとうございました!!




