第27話 黒いお化けを見つけないように
青葉が言いかけた言葉は、あれです、あれ。
今、「新・侍伝 YAIBA」のアニメにはまっています。
すごく展開が速くて、設定に無駄がなくて、面白いです。
自分ももっと面白く書けるように頑張ります。
いつもありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
火事で家が焼けてから、坂巻一家は医院の近くのマンションを借りて住んでいた。そこから車で20分ほどの所に、大学病院があった。稔が研修医として勤めていた病院だ。
稔は運転しながら、後ろの席を見やった。
青葉はまたもぼーっと窓の外を見ている。
桐子がその様子をミラー越しに見ているのを横目に、稔は運転を続けた。
「ねえ、本当に大丈夫かしら?」
「ああ。信頼のおける先生らしいから、梶原先生は」
「そうじゃなくて、昨日あんなに駄々をこねられたのに、無理やり連れてきちゃったみたいで……」
そうなのだ。昨日の夕方、今日病院に連れていく旨を青葉に伝えると、青葉が久しぶりにしゃべり、珍しく駄々をこねられた。
『病院!? やだ!!』
『何でだ? 怖いか?』
『怖い!!』
『何で怖いの?』
『しに……』
そこで青葉は小さく何かを言いかけてやめた。
『え? なあに?』
稔は青葉を怖がらせないように、優しく問うた。
『黒いお化けがいっぱいいるから怖い!!』
青葉には、「黒いお化け」が見えているらしい。
『それだったら、ますます行かなきゃだめだ、青葉。そのお化けは多分、青葉にしか見えていないものだから』
『何で!? 何で僕にしか見えないの!?』
『青葉、落ち着いて。青葉は多分、病気だ』
『僕、元気だよ!?』
『いいかい、病気っていうのは、心にも、体にも出来るんだ。青葉は心の病気になってしまっているかもしれない、とパパは思った。だから明日、それを病院の先生に確かめに行くんだ。ね? だから言ってくれるよね?』
『うん……』
青葉は、渋々、という感じで返事をした。
そうこうしているうちに、大学病院へ着いた。朝早いということもあって、駐車場を探すのに苦労したが、どうにか停めることができた。
稔は運転席から降りてドアを閉め、後ろの青葉のいる後部座席のドアを開けた。両手を伸ばす。その様子を不思議そうに青葉が眺めていた。
「……パパ?」
「すごーく久しぶりだけど、パパが抱っこしてあげる」
「え?」
「青葉が黒いお化けを見つけないように、パパが抱っこして先生のところまで連れて行ってあげるから、青葉は目を瞑ってて」
「う、うん……」
おずおずと手を伸ばしながら、青葉はゆっくりと稔の方に移動してきた。そのまま体重がかかると、やはり、ちょっと重いな、と感じる。娘のためだ、仕方ない。明日は多分、筋肉痛だな。とそっと稔は思った。
「ちゃんと、『いいよ』って言うまで目を瞑ってるんだよ?」
「はーい」
目を瞑りながらの青葉の返事は、どこか嬉しそうだった。
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