第22話 誰の家来だ!?
気の強いあの人が出てきます。
そしてコメディ調です。(になってるといいな)
今回は888字で短いです。
いつかもうちょっと書き足すかもしれません。
いつもありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
「だから、死んだのか、死んでないのか訊いている! 答えよ!」
「ダニエルが、ですか?」
「違う!!!」
あまりにドリムの声が大きいせいで、その場の死神たち皆が耳を塞いだ。ドリムは忌々しいとばかりに、回転いすから勢いよく立った。カツカツとヒールの音を立てて大きな会議テーブルの周りをまわる。
「坂巻青葉だよ、坂巻青葉!! こいつがいなくならないと、あたくしは……」
そこで、ふとその現実が来る気がして、ドリムは黙った。その考えを取り払うように、ぶんぶんと頭を横に振る。
「ドリム様が?」
家来の若い男性の死神の一人がドリムに問うた。
「余計なことを訊くな!!」
ドリムは怒鳴った。
「ははあ、申し訳ございません!!」
若い男性の家来は、テーブルに「ゴン!」と頭をぶつけて、必死に謝った。もちろん、ドリムはその様子を見ていなかったが。
怒りで上気した頬を抑えて、ドリムは考えた。
能力の気配はなくなった。しかし、こちらからなぜか今は青葉を視ることすらできない。死んでいるかどうか、確かめる術はないものか――。
「誰か、行くか?」
振り返ると家来が皆、首をふるふると横に振っていた。よく見ると、青ざめえ震えている者もいる。
「ダニエルを裏切る訳には……」
「そうだよなあ」
「ダニエルはああ見えて怒らすと怖いし……」
家来はぼそぼそと互いを見ながら言った。
「聞こえておる!! あんたたち、誰の家来だ!?」
「ダッ」
「ドッ、ドリム様です!!!」
家来たちはそう叫ぶと、ビシッと背筋を伸ばした。
「誰だ!? 今「ダニエル」と言いかけたのは!? 皆の者、裏切り者をつまみ出せ!!」
「お前か?」
「いえ、私じゃないわ! あなたでしょ!?」
「いや、俺じゃないって!!」
「あなたか?」
「だから違う!」
「違うって証拠を出せ!!」
「いいだろう、表へ出ろ!!」
家来たちは、互いを見やりながら口々に喧嘩を始めた。もう、てんでバラバラである。
「ガッハッハッハッハッハ!」
ふと。後ろ向きの回転いすから、この場の者ではない高笑いが聞こえた。喧嘩をしていた家来も、皆静かになって、回転いすの方を見た。
回転いすがくるりと回って姿を現した者を見て、ドリムは血の気が引くのを感じた。
最後までお読みいただきましてありがとうございました!!




