第14話 妖艶な神体実験
エレミー大活躍!?
ちょっと妖艶な展開のつもりで書きました。
そう感じていただけたらいいな。
いつもありがとうございます。
よろしくお願いいたします。
メスは一本なのかと思ったら、鎖につながれて何本も出てきた。ダニエルは身の危険を感じ、数歩後ずさった。
「エレミー、頼んだ!」
何かが宙を飛んだ。
「はーい♡」
パシッと音がして、エレミーが受け取った。そしてそれを水槽の前でごそごそやっている。
ダニエルがその様子を見ていたら、エレミーはふと振り返って意味ありげに微笑んだ。そしてくねくねと体を揺らしながらこっちへと向かってきた。ダニエルは、ジャック・リーがこの妻をめとった理由が分かった気がした。
しかし、今はそんなことを考えている場合ではない。エレミーはどんどんダニエルへと近づく。何をする気なのか。
「ご主人が見ている前ですよ」
ダニエルはようやくそう言った。
「構やしないわ。それより任務の方が大事」
本当に構わないようだった。もう数センチのところに顔がある。ジャックはというと、それをほぼ目の前で見ている。
エレミーはとんでもないことを言った。
「あたしとキ〇がしたいでしょ?」
間近で見るエレミーは、肌が透き通っていて、パーマのかかった髪の毛にも艶があって、唇はぷっくりで、妖艶と言えるほどきれいだった。そんな女性とのキ〇は、したいに決まっている。
「そなたとのキ〇と、そなたの任務と、何の関係があるんですか?」
ダニエルは意外と、大人の女性というものに免疫がなかった。ドリム様とは絶対に、キ〇をしたいとは思えなかった。(その意味で、ジャック・ボーガンは信じられない存在だった。)ほかに死神の女性もいるが、彼女たちともキ〇をしようだなんて思えなかった。
それなのに、こんなにドギマギさせられるのは何故でしょうか。と思いながら、ダニエルは意識とは反対に思わず顔を背けた。
エレミーはそれを見て、明らかに不服そうに言った。
「あら、ダニエルさん、あたしの色気に堕ちないなんて、つれない人ねえ」
「はっ。堕ちたら、俺、困るけどな」
ジャックが笑いながら言った。
それはそうだ。夫婦なんだから。
「質問に答えてください。関係、あるんですか?」
なおも顔を背けながらダニエルは問うた。
「あるわよぉ。あなたがコレを飲むか、代わりに口に含んだあたしとキ〇するか」
エレミーはそう言って、ドリム様の瓶を、目の前で振って見せた後、ふたを開けた。瓶はまた、真っ黒になっていた。夜闇が入っているのだ、と分かった。
選択肢は一見二つだが、結果は同じだった。
「夜闇を飲んで、本物の死神になれ、ということですか?」
「よぉく分かったわね、その通りよ♡」
「私を、本物の死神にして、どうしようというのですか? まさか、まさか――」
「いいから、お飲みなさい」
上目遣いでエレミーは言った。不覚にもそれを見てしまい、ダニエルはドキッとした。
ダニエルの口と瓶が触れそうになった時、不意にその瓶がエレミーの手から飛んで行った。
「そこまでじゃ!!」
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