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底辺女の走馬灯  作者: 人生から降りるボタン
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47)部署異動

私は課長からの打診がある数年前にも一度、副統轄から係長にならないかと言われていた。その時はこれ以上責任のある仕事をしたくない、という理由から断っていた。


今回も、一度渋った。しかし課長から「お試しでやってみようよ。無理だと思ったらまた一般に戻れば良いじゃん」と言われ、それを了承した。





だが2021年6月、再び唐突に携帯部門は事業が廃止する事が決まった。


コロナとは関係無く、格安SIMの勢いに押され、インセンティブを出せなくなった、という携帯会社からの通知を受けた事が事業廃止の決定打となった。


こうなる事は営業の責任者陣も予想していなかった。本当に突然の通知であった。





営業の半数は他部署に異動となり、残りは同じ部署で別の事業に携わる事になった。


この頃には事務は課長と私、そしてバイトが2名という小規模の組織になっていた。


課長は営業と事務両方を管理するポジションだったため、「みんなが働く環境を維持出来なかった」という責任を負う形で退職していった。





私は係長に昇格してからたった2か月で他部署に異動する事が決まった。


事業廃止の宣告を受けたのは6/15で、7月までには異動先を決めなければいけなかった。


課長は諸々後処理があるからと、10月まではこれまでの部署に残っていたので、その間に転職活動を行っていた。しかし私にはその猶予さえ与えられなかった。異動する道しか無かった。





私には2つの異動先候補があり、それぞれの責任者と面談を行って選び、私は経理部へと異動した。


簿記の資格は持っていなかった。完全なる未経験だった。そのうえ、下手に「係長」という役職を持った形で異動してきてしまった。





上場企業の経理部の業務量は膨大な量であった。グループ会社は7社あり、それを課長、先輩の係長、入社半年の派遣、そして私の計4人で分担して行う事となった。


私は主に2社を担当する事になった。とにかくひたすらノートを取りまくった。作業さえ覚えれば出来ると思っていた。





だが経理の業務とは、それほど単純なものではなかった。簿記の知識が無いととてもまともに作業出来なかった。


私は勉強も同時進行で行った。しかし、上場企業の経理部というのは、簿記3級レベルでは到底太刀打ちできるものではなかった。





1か月で20個以上の業務を詰め込まされた。1冊のノートはすぐに埋まった。


業務マニュアルというものはほぼ無く、全て口頭での説明だったため、教える側も伝え漏れなどが多々発生し、その都度ノートに補足していっていたので私のノートはグチャグチャで何が書いてあるのかよく分からないものになってしまっていた。


そんなノートを見ながらだと、手順も頭に入りづらかったので、私はノートをエクセルにまとめ直した。

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