36)業務内容と定例会議
事務員の仕事は当然ながら電話対応だけではない。
・外勤担当が客先に持って行く申込用紙一式のセット作り
・申込内容を顧客データに入力
・携帯端末の発注及び在庫管理
・携帯会社専用の顧客情報登録システムへ審査申込
・商品の発送又は手渡しの準備
・携帯会社へ契約登録証書の発送
これらが主な業務内容で、各業務を専属で担当する役割を決めて分担して取り組んでいた。
新人の私は、半年間程は申込用紙のセット作成、顧客データの入力、商品の発送・手渡しを担当し、ひたすらこなした。
因みに同期の棚橋君は、総務として採用されたため、全く別の業務を行っていた。
事務の業務の中で一番重要でメインなのは、「携帯会社専用の顧客情報登録システムへ審査申込」であった。
審査が通る=契約成立とみなされ、ここまできてようやく会社の数字として反映されるからである。
審査登録している間は、基本的に電話対応をしなくても良いというルールだった。登録内容を絶対に間違えてはいけないから、という理由だった。
私は審査登録している先輩方が羨ましくて仕方が無かった。
事務員と社長との定例会議は月一で行われていた。
事務員には、うつ病での休職から復帰したばかりの係長がいた。この会社は平均年齢が若く、当時の社長もまだ30代前半で、その係長もまだ20代だった。
私は初めての定例会議で議事録を任された。ノートPCとボイスレコーダーを持ち込み、
一番後ろの席でひたすら会話の内容を記録した。チャット歴はそれなりだが、まだタイピングが遅かったため、悪戦苦闘していた。議事録とはどのように作成すれば良いのか、要点のまとめ方すら分からなかった。
社長は会議で唐突に、「うつ病は甘えだ!!」と言い放った。耳を疑った。
私の斜め前の席に座っていた係長は、物凄くもの言いたげな様子でそわそわしていたが、結局何も言わずにただじっと話を聞いていた。
会議中の空気は最悪だった。そして私は議事録がなかなか完成せず、なんとノートPCとボイスレコーダーを持ち帰り、家で徹夜で完成させた。私の要領の悪さも最悪だった。




