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底辺女の走馬灯  作者: 人生から降りるボタン
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3)兵十とごんぎつねはズッ友だった小学生時代

保育園を無事卒園し、私は小学生になった。


入学式は薄いピンクのワンピースを着ていく予定だったが、見事に風邪を引き休んだ。勿論ギャン泣きした。ピンピンしてたけど、確かに熱はあったんだと思う。


集合写真では上端に丸く顔写真が載っている筈だ。残念ながらアルバムで確認する術は無いのだが、どうしてかは後々分かると思う。





保育園時代とにかく遊び倒した私は、小学生になっても遊び倒した。毎日放課後誰かと遊んだ。この頃は男女分け隔てなく遊べたので、毎日が楽しかった。


給食の牛乳は瓶だったので、蓋の包装を剥がしてキャップを開け、一気飲みする所までを同じ班の子たちと毎日競っていた。罰ゲームは何だったか忘れたが、牛乳瓶はキンキンに冷えてやがったので、しょっちゅうお腹を壊していた。


徐々に小学生ライフの雲行きが怪しくなってきたのは、もう間もなくの事である。





私は小2辺りから勉強についていけなくなった。まず、掛け算が覚えられなかった。


みんな道徳の時間にざわざわ森のがんこちゃんを観ている中、私と他数名は別室で延々掛け算を暗唱させられた。特に7の段が鬼門だった。7の段を力の限り捻り出し、歓喜していると8の段をド忘れした。間違えるとまた1の段からやり直しだった。苦行だった。





正直、小学校の低学年から中学年の頃の記憶はあまり無い。時が経って忘れたとかではなく、当時から記憶が断片的だったからだ。


それを象徴する出来事として一番印象に残っているのは、小4の頃の出来事。小4と分かったのは、「ごんぎつね」を学ぶのは小4だとググって知ったからだ。


ふと気付いたら、既に国語の授業が始まっていた。自分の机を見ると、一応国語の教科書とノートは出してある。だが、出した記憶が無い。


周りを見ると、みんな教科書を読んでいる。でも何ページか分からない。どうにか隣の男子の教科書のページを盗み見、慌てて教科書を開く。


「ごんぎつね」の終盤に差し掛かっていた。困った、ここまでのストーリーが全く分からない。「ごんぎつね」はおそらく何日かに分けて授業していたと思うのだが、それまでの記憶が一切無い。


ここで、先生が「兵十はごんが倒れた後、どんな気持ちだったと思いますか?」と生徒に投げかけてきた。先生とバチリと目が合う。私が当てられた。


私は小4にして、”ごんは倒れた”という情報だけで、兵十がどんな気持ちかを推測するという、ハイレベルな質問をされていた。


だが、不思議なことにその時の私は正規ルートを辿る自信があった。


自信満々に私は「ごん!安らかに眠ってね!おやすみ!」と答えた。ドヤ顔で。


周りの同級生は少し「え?」って感じでざわざわした。先生も何とも言えないリアクションをしていた。次に他の生徒が当てられた。その子は「ごん!死なないでくれ!」と答えた。どうやらこれが正解だったらしい。


へ~、そんな話なんだこれ、と思うのと同時に、私の回答とんだキチガイじゃん・・・


(当時はキチガイなんて言葉は知らない、というか恐らくまだ無かったと思うので、そんな感じの感情だったという意味)と、恥ずかしい思いをした。





記憶が無い状態が断片的に続くという、私の中だけで起こっている現象は、周囲にも気付かれなかった。自分からも誰かに相談しようとする発想が無かった。とにかく自分が落ちこぼれだと思っていた。


宿題を出された記憶も無いので、しょっちゅう怒られては席の後ろに立たされていた。出された事を覚えていれば私もやりたかったのに、覚えていないから出来ない。サボり魔扱いされるのが悔しくて悲しかった。授業も勿論どんどんついていけなくなった。


父は毎日夜遅くまで働き、私が小学校に上がったタイミングで専業主婦になっていた母は、勉強の事に関しては非常に無関心であった為、家族からのフォローも何も無かった。段々学校に行くのが辛くなってきた。

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