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底辺女の走馬灯  作者: 人生から降りるボタン
17/50

17)小学6年生

引っ越して間もなく、新学期が始まった。私は6年生、兄は中学2年生になった。


初めて通う学校に、母は付き添ってくれた。最初は応接室で担任の先生と挨拶をした。


見た目は少し怖い感じの女性の先生だったけど、普通に近からず遠からずの距離感で接してくれる良い先生だった。





新学期は体育館で全校集会があるので、私も参加した。母も傍らで見守っていた。そこで、新しく転入してきた人を紹介する、というコーナーがあった。普通自分のクラスで黒板の前に立って挨拶するものだと思っていたのだが、まさかの全校生徒の前でマイクを持って最初の挨拶をすることになった。流石にハードル高すぎだろ、と今でも思っている。


他の学年の転入生はハキハキと自己紹介していたのに、最高学年の私は外交的から内向的な性格になってしまったので、マイクを渡されてもまともに喋れなかった。ほぼ聞こえない声で、「○○です・・・」と挨拶した。





最後に自分のクラスが並ぶ輪に入って一緒に教室に戻るというタイミングで、一人の女の子が友達になろうと声を掛けてくれた。優しそうな子で嬉しかったのだが、他の4人組の女の子達が「ちょっと待ったー!!」って感じで私とその子の間に入ってきた。


その子とは仲良くならない方が良い、私たちと一緒にいよう!と言われた。


え、なんでそんな事言うの・・・?と戸惑った。4人VS1人で私の腕をそれぞれ引っ張り、綱引きみたいに私を奪い合う形になった。自分の身に起こっている今の状況が意味分からなかったし、普通に痛かった。「私の為に争わないでー!!」と心の中で叫んでいた。


結局数には勝てないという事で、最初に声を掛けてくれた子は去っていき、私は4人と共に行動する事になった。みんな優しくて良い子だったが、それでもクラスメイトの事を悪く言う理由がその時には分からなかったので、モヤっとしたまま暫く過ごす事になった。


後から分かった事だが、最初に声を掛けてくれた子は、言葉ではうまく表現出来ないのだが、少し”個性的”なタイプの子だった。集団生活に上手く馴染めない性格の子だった。でも、私は別にその子の事を嫌いではなかったし、最後まで変に距離を取ろうとも思わなかった。





休憩時間に自席に座っていると、少し気の強そうな感じの二人の女の子が私に「リレーの選手になった事ってある?」と聞いてきた。


当時私は、東京の頃は肩下まで伸ばしていた髪を施設で過ごしている間にショートカットに切っていたのと、気付けば背が結構伸びていたので、見た目はスポーツ万能少女に見えたようだった。だがしかし、私は天性の運動音痴であった。リレーの選手なんて夢のまた夢だった。


私は無いよ、と首を横に振った。二人は安心した様子で去っていった。私は何も悪くないのだが、無駄に傷付いた。

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