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底辺女の走馬灯  作者: 人生から降りるボタン
15/50

15)もう一つの家族との別れ

春になった。みんなで動物園に行った。


ふれあい広場でモルモットを抱っこした。凄く可愛かった。その時の写真も例のごとく実家のアルバムに保管されている。


お昼はみんなで作ったお弁当を食べた。美味しかったと思う(相変わらず食には無関心だったので記憶があまり無い)。





春休み、みんなでショッピングに出掛け、私は職員が貯めておいてくれたお小遣いで靴を買った。私は実の家族と離れている間も少しずつ成長していて、足のサイズがワンサイズ大きくなった。


みんなとの別れの時がやってきた。





施設にいる間、一度だけ母と伯母が面談に訪れてきた事がある。


母は、とても猫背になっていた。しょぼくれた雰囲気がいたたまれなかった。


伯母は昔から明るくて、元気をもらった。おみやげに手のひらサイズのアクセサリー類が入ったケースを貰った。施設のルールでは親族等から何か貰ったりするのは、他の子達に影響が出るから本来禁止されていたが、私は内緒にするという条件で許された。おつむの弱い私は、秘密事を守るのが非常に苦手だった。速攻バラしてしまった。職員は呆れていた。





桜が咲き始めた頃、母は兄と私を迎えに来た。やっと、今度こそ家族での生活が再スタートすることになった。


施設のみんなとの別れはやっぱり寂しかった。共に生活した数か月は、当時の私にとってとても濃密な時間だった。コミュ障だったけど、喧嘩出来るまでの間柄になれた事が嬉しかった。みんな泣いて別れを惜しんでくれた。私も泣いて、何度も後ろを振り向きながら見えなくなるまで手を振り続けた。


ふと兄を見ると、しれーっとした顔で前を真っすぐ見て歩いていた。兄には感傷に浸る思い出などは特に無かったようだ。

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