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底辺女の走馬灯  作者: 人生から降りるボタン
10/50

10)5年間とのお別れ

ある日、一時保健所に小学校の担任の先生がやってきた。久しぶりの再会だった。


保健所では何故か各自1本ジーパンが支給され、そして何故か私にはオーバーオールタイプが支給されていた。それを着て、これから小学校に向かうとの事だった。


私は学校を転校するらしい。





小5の当時のファッションで、ジーンズ素材のオーバーオールはクソださコーデだったのだが、勿論文句も言えない立場だったので大人しく指示に従った。


先生とは電車で一緒に小学校に向かった。色々話したと思う。


私は小3あたりから好きな男の子が居た。俗に言う、ジャニーズ系のイケメン君だった。学年で1、2を争うモテ男君だった。もう一人のモテ男君は運動神経抜群だった。その子の事もちょっと良いなと思っていた。ミーハー全開だった。


私がジャニーズ君の事が好きだった事は、学校の女子の間では有名だった。5年間ずっと同じクラスだったのはジャニーズ君ただ一人だけだった。


友達と一緒にバレンタインのチョコを作って、ジャニーズ君の自宅まで突撃し、あいにく留守だったので玄関の取っ手にチョコが入った袋を引っかけてみんなでキャーキャー言いながら帰った事があった。


ホワイトデーのお返しでは、よく分からん石の塊(キラキラしてて綺麗だったけどポロポロ粉が落ちて管理するのが大変だった)とお菓子を貰った。石は宝物になった。


林間学校では、夜肝試しが行われたのだが、くじ引きでなんとジャニーズ君とペアになった。ジャニーズ君の事が好きな他の女子から凄く羨ましがられた。私は顔のニヤけが止まらなかった。


肝試しでは手を繋いで歩かないといけないルールで、シャイボーイ☆ジャニー君は手を繋ぎたがらなかったので、私が無理やり彼の服の袖を掴んで引っ張っていった。写真担当のおっちゃんがカメラのフラッシュで脅かすゾーンがあったのだが、見事に驚き顔の私とジャニーズ君が写った写真は、今も実家のアルバムに収納されている。





そんな彼と会うのもこれで最後になった。


学校に着いたら、久しぶりに会うクラスのみんながお別れ会を盛大に開いてくれた。体育館でバスケをやって、私はミニバス所属だった事が嘘のようにうっかりトラベリングしてしまい、ジャニーズ君に「ズルだ!!」と言われて凹んだのだが、その時は1回のトラベリングはセーフというルールだったので私は違反にはならなかった。でもジャニーズ君は最後まで納得いかない感じだった。最後の最後で悪い印象を与えてしまって落ち込んだ。


バスケが終わると、体育館の壇上にみんな上り、私を中心にして集合写真を撮った。寄せ書きを貰い、仲の良かった友達が号泣しているのを見て私も号泣してしまった。寄せ書きには、ジャニーズ君も「唯一ずっと同じクラスだったから少し寂しいです」と書いてくれていた。





帰りはまた先生と一緒に電車に乗って、保健所まで戻った。


帰りの電車で私はずっとジャニーズ君にバスケで違反を指摘されて凹んだ事を話していた。先生は、「あれは今回はセーフってルールだから大丈夫なの!」って励ましてくれた。私は「でも・・・」「だって・・・」って終始ウジウジしていた。もう会えないのに、何をしょーもない事でいつまでも凹んでいるんだ、と今なら冷静に突っ込める。


先生とさよならするのも寂しかった。4・5年生の2年間担任だった間、落ちこぼれの私の事を凄く気にかけてくれたから。先生は自分の住所を書いた紙を私に渡してくれた。


近いうち、先生宛に手紙を書こう、と思った。

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