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そして彼は【悪】になる  作者: 徹夜明け午後3時半の憂鬱
序章 【悪】が生まれた時
7/22

新しい朝が来る

昨日は熱出してて更新できませんでした。

2日にいっぺんは更新したい。

***side___


 深夜、魔王ガイルの伴侶、女神ルミアとリリアは自室にて顔を合わせて居た。


「イツキはガイル様の脅威になりそう?」

「今のところはならないかと存じます」

「その心は?」

「彼の根底にあるのは知識への執着と他者への執着。必要がなければ誰かを害することは求めて居ないようでした。ただし、彼は敵には容赦はしないでしょう」


 先程、リリアが聞き出したイツキの力への理論。彼は良くも悪くもそこに執着している。守るために力を振るう。間違えを正すためにそれを抑える力を持つ。それがイツキの考え方だ。


「そう。貴女がそう言うのなら間違いないのでしょうね。なんてったって夢魔とサトリのハーフなんですから。それで、彼は何を望んでいたの?」

「それは私の全力を持ってもわかりませんでした」


 イツキは褒美を望まなかった。と言うか褒美なんて考えてさえいなかった。彼にとってみればゲーム感覚で戦っていた子供達を追い返しただけで、ソウジ達を敵とすら認識していなかったので当然といえば当然なのだが。


「褒美を望まなかった?それは厄介ね。貴女はこの世で1番可哀想な生物を知って居るかしら?」


 唐突にそう尋ねられて、リリアは答えることができなかった。


「いえ、わかりかねます」

「それはね、自我が欠けている人間よ。かけて居るからなにも望めない。それを他者に依存している。彼はそんなタイプよ。フフッ、彼が願っているものが見つかったわね。では次の話を進めましょうか」


 2人は月が沈むまで話し続けた。


 ***


 早朝目が覚めてから《転移テレポート》の魔術の解析を始めた。

 一度みたら自分の理解できる範囲を理解する。それから少しずつ理解の輪を広める。未知を既知に変える。

 昨日の時点で、あれが位置情報の書き換えであると言うところまではわかった。あとはその方法を考える必要がある。


 ーーコンコン


「おはようございます。イツキ様朝食をお持ちいたしました。それとガイル様がお呼びです。朝食後、王の間にお連れするようにと申しつかっております」


 ガイルからの呼び出し?何だろうか?また勇者が来たのか?だけどソウジ達はしばらく何もしてこない、いや、何もできないはずだ。

 四肢をくっつけるほどの回復は本人の体力を奪わないと使えない。


「昨日の報酬を渡したいそうです」

「ああ、成る程」


 俺が考え込んでるのがわかったのかリリアが教えてくれた。

 それにしても報酬か。何がもらえるんだろうか?出来ればこの世界の魔術なんかを知れたらいいな。


 ***


「霊萊イツキ様をお連れいたしました」


 昨晩と違い、転移魔術は使わずに王の間へと連れてこられた。一応城の案内も兼ねて居たそうだ。


「うむ。イツキ殿、よくぞ参られた。早速だが、昨日の褒美を与える。1つ、霊萊イツキを暗黒魔将に任命する。2つ、知識の神エレボスの書物庫の禁書庫以外へのアクセス権を与える。3つ、神造女神の創造を一度のみ許す。以上3つを今回の報酬とする」


 素晴らしい‼︎なんと素晴らしいことだろうか‼︎

 子供を追い払うだけでこんなにも報酬が貰えるなんて、逆に裏がある事を恐れてしまう。ほどだ。

 暗黒魔将はなんとなくめんどくさそうな役名だ。できればいい感じに断りたい。俺は組織にいることには適さないから。


「お言葉ですがガイル様、新参者の俺にそのような数の恩賞を与えてしまっては他の者の不満が溜まります」

「ハッハッハ、なぁに気にすることはない。暗黒魔将というのは言ってしまえば自由に活動する事を許された部隊のリーダーである。今回イツキ殿のために新設した。そしてエレボスの書物庫も禁書以外は一定の職を持ったものなら誰でも見ることができる。そして、神造女神はイツキ殿を無理矢理こんな所に連れてきてしまったことに対する詫びの様なものだ。神造女神は製作者の求める能力を持ち、製作者の願った魂を持って生まれる。イツキ殿は此処でただ1人の人間だ。我々には言いにくいことなどがあるかも知れん。それを叶えるのが神造女神だ」


 ふむ。書庫に入るには役職が必要。だから暗黒魔将の地位は必要だと。つまりは魔王傘下に入らないと知識の収集は出来ない。

 ならば俺が選ぶのは一択。


「・・・・・・・・・報酬を全て辞退させていただきます」


 未練なんてない。俺はモモハを連れ帰ることが第1目標だ。だから異世界の魔術知識に未練なんて無い。異世界の神を造る技術に興味なんて無いったらないのだ。


「ふむ、しかしなにも与えぬわけには行くまい」

「失礼ながら陛下、この件は一旦保留にしてみてはいかがでしょうか?」


 リリアさんが助け舟を出してくれた。有難いことだ。


「ふむ。イツキ殿、お主はそれで良いか?」

「はい。俺は寝床と食事が出るだけで感謝です」

「わかった。では此度の褒美は保留としよう。後程欲しいものができれば遠慮なく言うといい」


 最高の形で収まった。報酬はいつでも貰える。そしてそれを保留にしている間、俺は自由だ。


「お話中失礼します」


 後方から聞き覚えのある声がした。ルミアだ。ガイル殿の嫁の。


「おお、どうしたんだい?ルミア」


 途端に恐ろしい顔をだらし無く緩ませるガイル。緩んでいてもその顔は恐ろしく、彼と話したことがないものなら思わずその場を離れるほどのものだ。


「では、俺はこれで失礼します」


 ともあれ桃色空間、もとい、2人の夫婦の時間を邪魔したくはなかったのでさっさと部屋を出ようとする。


「天使たちが動き出しました。恐らく近日中に女神ルチアが現界します」


 ピタッと足が止まった。女神ルチア、ソウジ達を召還した女神。全ての問題の根源。


「そして、忍ばせていた密偵全てと連絡がつきません」


 ルミアがこちらを見てニコリと微笑んだ。嫌な予感しかしない。今更逃げ出してもおそいだろうか?


「そこで彼に密偵になってもらえればと思いまして」


 やっぱりこうなったか。寧ろチャンスと見るべきか?そうだ。ポジティブに考えろ。女神ルチアに会って話を聞く。そうすれば足りない情報が補える。それで良いじゃないか。

 というか、ルミアはそれが思いつかないほど馬鹿では無いはずだ。では今回は俺が裏切るかどうかのチェックといったところか。

 なるほど、つまりガイル達は俺を信用していないらしい。

 それもまともな判断だと思う。俺も信用してないし。


「それでどうでしょう?引き受けていただけますか?」

「ご命令とあれば、引き受けましょう。俺は此処で世話になっている身、であれば貴方達の部下となるのは当然のことかと」


 俺を測る気なんだろうが、俺はタダじゃ転ばない。しぶとさとねちっこさには自信があるんだ。


「それでは、イツキ殿、そなたに辞令を交付する。女神ルチアを崇める教会、その総本山エピク山神殿に向かい、女神ルチアと勇者達の様子を監視、場合によっては勇者達を戦闘不能にして来るがよい‼︎報酬は神造女神とする‼︎」


 ガイル、あんた神造女神大好きだな…。なんかガイルがお見合い勧めてくるオバちゃんに見えてきたよ。


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