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そして彼は【悪】になる  作者: 徹夜明け午後3時半の憂鬱
序章 【悪】が生まれた時
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はじめまして異世界 ①

 気がつくと化け物達に取り囲まれていた。触手の化け物豚の頭の化け物、ドロドロとした流動体の化け物、そして俺に期待の視線を向ける巨大な化け物。

 淀んだ空気に、怪しく光る魔法陣。そしてその魔法陣を囲んだ青白い狐火きつねびのような炎。

 どこからどう見ても禁呪の類を使った後としか言いようがない場所に俺は立っていた。


「どうか我々をお助け下さい。異界の御方‼︎‼︎」


 化け物達が一斉に頭を下げて来た。

 なんでこんな馬鹿げた状況になってしまったのだろうか?

 俺はただ喧嘩別れした幼馴染を探していただけだと言うのに。


 ***


 幼馴染の式見百羽シキミ・モモハが行方不明になったと知ったのはモモハが失踪してから3日が過ぎた頃だった。

 最後に姿を見られたのは、同じ学校の生徒会長である宗方総司ムナカタ・ソウジとそのハーレム要員、もといソウジと親しい女子生徒数名と共に海で遊んでいた時らしい。

 最初は人の忠告を無視したモモハが悪いと、我関せずで居たのだが、警察が調べても発見されることがなく1週間が経ったので、ついに自分で調べることにした。

 だが当然俺にできることは限られている。と言うよりも現実的なものでは捜索することが出来なかった。

 だから俺がこの世で最も信頼している、南アメリカの秘境の呪術や西洋占術である星詠み、その他の非現実的なモノ全てを使って占い、探して見たところ、その全てががモモハはこの世界には存在しないという事、より突っ込んだ結果を見れば別の世界にいるという事を物語った。

 ああそうだった。それで異世界に行く方法を探していたら突然光が俺を包み込んだんだ。


 取り敢えず情報の整理が終わった。ついでに現実逃避も、ココはおそらく異世界だろう。ここならモモハが居るかもしれない。異世界があることが証明されたのだ。ならば異世界に行く方法の理論も完成するだろう。

 ならば問題はない。俺が生きていれば必ずモモハを見つけ出せる。

 化け物達には感謝だな。俺の1番欲しい情報を手に入れることができた。

「どうされました?異界の御方?」

 返事がなくてハラハラしてあるのか巨大な化け物が恐る恐る声を掛けてくる。


「いやはや申し訳ない。少し現状を理解するのに手間取りました。俺はイツキです。霊萊樹タマライ・イツキ、ぜひイツキと呼んで下さい」

「おお、イツキ殿と申されるのか。我はガイルだ。一応魔王などと言われております」

「魔王ガイル様。普段の話し方でお願いいたします。あまり下手に出てこられたことがないので混乱してしまいます」

「おおそうであったか。ならばこのように話させてもらおう。イツキ殿も普段通りの言葉遣いで良いぞ。なんて言ったって我々が呼び出してしまったのだから」

「此度は何用あって私を呼び出したのでしょうか?」


 ガイルがなかなか本題に入らないから仕方がなく促す。

 今回は俺に異世界の存在を教えてくれたお礼としてある程度の頼みなら聞くことにしようと思う。


「おおそうであったな。ルミアよ映像結晶を持ってきてくれ」


 すぐに、はい、と声が聞こえ、1人の女性が入ってきた。

 夜のように深みのある黒い髪を持ち、白磁のような白い肌、そして人形のように整った顔立ちに、体はスタイルが抜群。まさに神が作り上げた芸術とでも言うべき姿だ。

 化け物の中に1人だけ美女が混ざっているから場違い感がハンパない。


「紹介いたします。我が輩の伴侶の女神ルミアだ」

「はじめまして、ルミアと申します。何卒夫を宜しくお願い致します」


 マジかよ…。

 どうやらガイルは俺の敵だったのかもしれない。生まれてこのかた恋人の居ない俺の前でイチャつくとはいい度胸だ。

 世界中の魔術、世界中の呪術、その他現存するあらゆる仙術などを持って作られたオレ流外法術を使って応戦してやる。


「ひとまずこれを見てください」


 殺意の世界に入って居た俺の手に何やらものが置かれて居た。

 透き通った、水晶玉のようなものだ。


「これは?」

「それは映像結晶と言って額につけてみるとそれが保存した映像を見ることが可能と言う優れものなのだ」


 セールスの売り込みのような言い方だが、言われた通りに額に水晶玉を押し当てる。

 これはどこかの戦場だろうか?

 俺を取り囲んでいる化け物達と翼を持った、天使のようなもの達、そしてそれを率いるのは数人の少年少女。


「みぃ〜つけた」


 思わず変な声が出る程度には動揺しているらしい。

 しかしそれも仕方がないことだと思う。だってそこの少年少女たちの中に

 ーーモモハがいたのだから。


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