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主人公がチート過ぎてヤバイ件  作者: 冬影 蒼井
64/66

第60話 自慢のしたい歳頃です。

 新年明けましておめでとう御座います

(*・д・ノノ゛☆パチパチ

 前回の投稿から早2ヶ月が経ち、ようやく続話が書けました(ง •̀ω•́)งヨッシャッ

 と言うか、実を言うと執筆自体をサボってまして、実際に執筆したのは、ここ二日程度の事なんですよ(´>ω∂`)てへぺろ☆

 いやぁ、人ってその気になれば出来るもんですね

(((uдu*)ゥンゥン

 それでは本編٩(・ω・)วlet's go!

 まだ陽は昇っておらず、辺りが薄っすらと明るい早朝。既に昨夜、出発の準備は粗方(あらかた)済んでいた為、簡単に荷物を纏める。


「毎度毎度、済まんな村長」

「いえいえ、村の(しゅう)もこの宴を楽しみにしていますから、お互い様ですよ。それはそうと、今度は何時頃の予定ですかな?」

「そうだな……順調に行けば、秋の終わり頃になりそうだな。まぁ、雪が降る前には来れると思うぞ」

「そうですね。雪が降ってしまうと、行商も難しくなりますからね」


 村長と行商人が軽く話をしている中、甲野とタリタス達は村を出て以降の打ち合わせ、と言うよりかは指示をしている。


「これからは、ザガン達の護衛も少し薄くするから、一定以下の魔物や盗賊は馬車に近付くようになるから、自分達で対処してみろよ」

「「「「はい!」」」

「……分かった」

「自分達で対処が出来無いと思ったら、俺が対処するから無理はする必要は無いぞ。それとこれ以上は危険と俺が判断した場合も同じく、俺が対処するからな」

「「「はい!」」」

「……うん」

「取り敢えず、言う事はこんなもんか。何か質問はあるか?」


 すると、パーティのリーダー、タリタスがゆっくりと手を挙げた。


「一定以下の魔物って、具体的にはどれくらいの魔物なんですか……?」

「それは教えれんな。(あらかじ)め、魔物のレベルを知ってたら実践にならんだろ?」

「そ、それもそうですね……」


 甲野の至極当然な説明にタリタスは恥ずかしそうに顔を赤らめ、手を下ろす。


「別に訊く事は恥ずかしい事でも何でもない。訊かずに知ったかをする方がよっぽど恥ずかしい事だからな」

「はい……」」

「他に質問はあるか?」

「ん……」」


 今度は無口少女のロシックである。


「盗賊は……生け捕り?」

「そうだな……その状況にも依るが、基本的には生け捕りにはしなくて良い。盗賊討伐がメインならその方が良いが、今回は行商人の護衛が最重要だ。もし、手負いが逃げて、アジトに報告をされたら不味いが、それを深追いするよりも行商人の身の安全が重要だ」

「ん……分かった」


 ロシックは真剣な面持ちで頷く。昨日とは打って違って、真面目な表情である。


「他には無いか?」


 誰も手を挙げない。どうやらこれ以上の質問は無いようだ。


「まぁ、質問は何時しても良いからな。さて、準備も出来たみたいだし、行くぞ」

「「「はい!」」」

「……うん」


 行商人達と甲野達は村を出発した。陽はまだ出きっては無いが、かなり辺りは明るくなっていた。遠くの方はまだ若干見にくいが、行商人達の荷馬車の速さを考えれば、護衛には然程(さほど)問題の無い程度である。

 タリタス達4人は、昨日とは違い、先頭の荷馬車にタリタスとロシック、最後列の荷馬車にセンボとコリーが別々で乗っている。因みに甲野の幌馬車(ほろばしゃ)は行商人達の荷馬車の間に挟まれる形になっている。そして、中には昨日同様にブエルが一緒に乗っている。


「ほっほっほっ。彼奴(あやつ)らは真面目にやっとるのう」

「あぁ、そうだな。ロシックも昨日はあんなんだったが、やれば出来るんだな」

「にゃ」


 3人はタリタス達とは正反対で、のんびりと茶菓子を摘まみながら話をしている。ただ、甲野も一応《亜空間》で地図を表示し、魔物や盗賊がいないか様子を見ている。


「新人とは言え、冒険者じゃからのう。若いのに立派なもんじゃな」


 ブエルは関心した様子で言う。変装前の素の姿で。


「ブエルが言うと、孫に言ってるみたいになるな」

「にゃ」


 バステトは甲野の言葉に同意するように頷く。


「ほっほっほっ、儂は結婚なぞしとらんがの」

「そう言えば、魔族も結婚ってするのか?」


 甲野はふとした疑問を投げかける。ブエルは一口、緑茶を口に含み、飲んでから答える。


「……そうじゃのう。一応、人族と同じような恋愛的な結婚もあるが、繁殖の為もものの方が多いのう」

「成程なぁ」

「魔族の場合、恋愛より繁殖重視じゃからなぁ。ただ、高位の魔族はどちらかと言えば、恋愛重視な面が多いのう」

「へぇ、そうなのか」

「魔界は基本、弱肉強食じゃが高位の魔族は色々と分を(わき)えとるからのう」

「あぁ、そう言えば前に、挑んでくるのは半端な力しか持ってない奴ばかりって言ってたな」

「そうじゃよ。魔族は他種族に比べて、力を求める欲求は強いが、無謀な事はせんからのう。高位になればそれに見合った知恵もある。逆に低級な魔族は欲望に忠実じゃからのう」

「魔族にも色々とあるんだな」

「色々とあるんじゃよ」

「にゃにゃにゃ、にゃにゃにゃにゃ」


 2人と1匹はそうぼやきながら、茶菓子を摘まぬ。バアルは口に茶菓子を咥えたまま、甲野の胡坐の中

に包まり、一緒に《亜空間》の地図を見ている。ブエルはブエルで、自分で茶を入れている。見た目さえ除けば、完全に行動がただの隠居生活を送るおじいちゃんである。


「お、早速通したか」


 すると、地図を見ていた甲野がボソッと言った。


「そうじゃのう。4体じゃな」

「あぁ、オーガだな。これは……無理か?」



 甲野は《異世界知識》でオーガを検索した。


 項目:魔物


 名称:オーガ


 詳細:体長2m~4m程の人型魔物で二本の角が生えている。大変凶暴で肉食。木々を拳一つで薙ぎ倒す個体もいる。基本的に魔法は使えないが、その代わりに知能はそれなりにある。推奨討伐ランクD3名以上。群れの場合ランクC2名以上。



 お、なんかいつの間にか見易くなってるな。説明も分かり易いし。レベルは変わらなくても、仕様は変わったりするんだな。使い易くなって良いな。

 そんな事より、オーガはどう考えても無理だな。1体ならいけるかとも思ったが、一体でもランクDが3人以上だろ。これは無理だな。まぁ、引き際を考えれるかどうかには使えるな。


「どうするんじゃ?タリタス達には無理じゃろ」


 ブエルは自分で淹れた緑茶を飲みながら訊く。


「ちゃんと相手の戦力の判断が出来るかどうかに使うからな。まぁ、危なくなったらこっちでどうにでもするしな」

「ほっほっほっ、確かにのう。距離的には後、10分かそこらじゃろ」

「あぁ、10分で見つけれたら上等なくらいだな」


 そして、凡そ8分後。先頭の荷馬車に乗っていたロシックが異変に気が付いた。


「ん……何か来る」

「!それは魔物かい?」

「ん。多分、3匹……いや、4匹。結構大きい。西の方から来る。あと5分くらい」

「結構大きい……それなら、オークか……ロシックはこのまま辺りを警戒して!」


 ロシックは無言で頷く。タリタスは荷馬車から身を乗り出し、最後尾のセンボとコリーに魔物の存在をしらせる。


「センボ!コリー!西の森から4体!馬車から降りて辺りを警戒!!」

「分かった!」「分かったわ!」


 タリタスの短く簡潔な指示に2人は素早く荷馬車から降り、周辺の警戒を行う。タリタスも荷馬車から降り同様に周辺の警戒を行う。

 ロシックは荷馬車の中で辺りの警戒に全集中を注いでいる。

 甲野も遠目から4人の戦闘を見ている。


「あんなもんかな?対処としては間違ってないだろうな。まぁ、俺も詳しくは無いんだけどな」

「にゃ~」

「ん?どうした?」


 甲野は足元で鳴いていたバステトを抱き抱える。


「にゃにゃにゃ!」

「ん?バステトが討伐したいのか?」

「にゃ!」


 バステトは、その通り、と頷く。


「別に良いぞ。あ、さては自慢したいんだろ」

「にゃ、にゃ~にゃにゃ~」


 バステトは出来もしない口笛をしながら、甲野と顔を逸らす。甲野はバステトを下ろす。


「ま、別に良いけどな。ほどほどにな」

「にゃ!」


 そう言い残しと、バステトはのんびりトコトコとタリタス達の方へと歩いてゆく。

 甲野が《亜空間》の地図を見ると、後1,2分程度にタリタス達に姿が見える程の距離まで来ていた。タリタス達はまだ相手がオーガだとは知らない。

 しかし、直ぐにロシックが魔物の力量を知る。


「!……無理」

「ロシック!魔物が分かったの!?」

「ん。オーガ」

「「「!?」」」


 へぇ、ロシックって探知系のスキル持ってんだな。まぁ、別に視る必要も無いから視ないけど。


「……それは無理だね。足止めも出来るかどうか……」

「オーガが4体……四人がかりなら、一体の足止めなら出来るな」

「えぇ、そうね。せめてそれくらいはしないと、次から何も出来ないわね」

「……よし。それじゃあ、センボと僕は近接でオーガの攻撃を避けつつ囮になって、その間にコリーが魔法で援護。僕達がオーガの体勢を崩したら、魔法で眼を潰して。ロシックは隙が出来たら、毒ナイフでオーガを攻撃。無理と思ったら直ぐに後退して!」

「おう!」「えぇ!」「ん。わかった」


 3人がタリタスの指示に返事をしていると、森の中から4体のオーガが姿を現した。オーガ達はタリタス達を目視すると、身体の芯に響く程の咆哮を上げる。


「「「「グルァァアアアア!!!」」」」


 オーガの咆哮で辺りの木々はザワザワと揺れる。甲野は魔法で行商人達に咆哮が聞こえないようにする。アムドやウシアス、行商人達は問題無いだろうが、荷馬車の馬達がオーガの咆哮でパニックになってしまう可能性があるのだ。


「大体、3mちょいか。すっげぇ体格良いな。その所為かめっさ大きく見えるな。迫力もあるし」


 甲野の呑気な独り言を他所(よそ)に、タリタス達はオーガの迫力に屈する事無く、行動を始めた。

 タリタスとセンボは先頭のオーガに向かって二手に分かれた。先頭のオーガは勿論、他の3体のオーガも2人目掛けて拳を振り上げる。


「《火球(ファイアーボール)》!」


 その腕目掛けてコリーが《火球(ファイアーボール)》一度に5発放った。先頭のオーガに2発、残りのオーガに1発ずつ見事命中する。命中した《火球(ファイアーボール)》はダメージこそ無かったが、オーガの狙いは狂い、センボには当たらなかった。しかし、オーガの拳が当たった地面は大きく凹む。もし命中していれば、最低でも重症、下手をすれば死んでも可笑しくは無い程の威力である。

 センボは冷や汗をかきながらも、強化魔法を掛け、タリタスと共に左足の腱目掛けて剣を横一線に振り下ろす。しかし、オーガの皮膚に軽く傷を付けただけで、腱を切断する事は出来なった。センボは思わぬオーガの硬さに驚く。


「!」

「後退!コリー目潰し!」


 しかしタリタスは斬った痕を見るや否やセンボに後退を、コリーに魔法での援護を指示した。タリタスとセンボはオーガ達と向き合う形で後退をし、コリーは魔法で強烈な光を生み出し、オーガの眼を眩ます。突如の光にオーガ達は眼を押さえ、兎に角辺りをしっちゃかめっちゃかに攻撃をしているが、既に後退している二人には当たらない。

 へぇ、判断が早いな。確かにあれじゃあ幾らやっても大して変わらんから、良い判断だな。センボも攻撃が効いてないのを驚いてたが、直ぐに頭を切り替えてたな。これって、新人にしちゃあ十二分(じゅうにぶん)じゃねぇか?まぁ、俺は他の冒険者の事、殆ど知らないんだけどな。


「すみませんコーノさん!お願い出来ますか!」


 タリタスはオーガ達の挙動を警戒しながら、遠巻きに見ている甲野に頼む。


「よし。全員荷馬車まで退避!」


 甲野の指示に四人は、オーガから眼を離さず、直ぐに荷馬車まで下がる。それを確認した甲野はバステトに大きな声で言う。


「良いぞー!バステト!」


 すると、何時もの間に居たのか、バステトは4体のオーガの目の前に居た。距離にして僅か10m程である。タリタス達はバステトがオーガの直ぐ眼の前に居る事に驚く。


「ちょ!コーノさん!バステトちゃんが居ますよ!?」

「大丈夫だから、見てろ」


 甲野がそう促すと、オーガの目の前に居るバステトが「にゃあ」と可愛く一鳴きする。すると、4体のオーガを覆う、大きな、高さは目測で5m程だろう四角いの半透明な結界が現れた。突然現れた結界にオーガ達は驚きながらも、どうにか破壊しようと結界を殴っている。地面を陥没させる程の威力のパンチだが、結界はビクともしていない。当たり前である。これは、クルス国で見せた絶対障壁だったのだ。

 当然、そんな事を知らないオーガ達は鬼の形相で障壁を殴っているが、障壁に変化は無く、オーガの拳の皮が剥がれ、血塗れになるだけだった。絶対障壁の特性だろうか、障壁内のオーガの殴る音や咆哮は一切聞こえない。


「す、凄い……!」

「けど、幾ら丈夫な結界だからって、あのままじゃ何も出来な」

「にゃぁ!」


 コリーの言葉を遮るように、もう一鳴きをする。すると、大きな四角の障壁がゆっくりと収縮を始めた。障壁の収縮に気が付いたオーガは、それはもう必死に、なりふり構わず障壁を殴っているが、やはり変化は無い。

 そして徐々に障壁は収縮をする。ついには4体オーガがもう身動きが取れない程に縮んだ障壁。


「にゃ!」


 そして、短く一鳴きすると、一瞬で小さくなる。パンッ、と少し大きな破裂音と共に、凶暴な筈の4体のオーガが神獣バステトの手に依って、50cm四方の肉のブロックへと変貌し絶命した。オーガだった四角い肉塊を魔法でプカプカと浮かせ、バステトはタリタス達の元に近付く。


「にゃ!」


 そして、凄いでしょ!とばかりにドヤ顔をかます。ロシックはそのバステトの大変可愛らしいドヤ顔に、魅了され抱き抱える。流石、バステトに完璧に魅了された者は度胸が違う。ただ単に、ロシックがバステトに対して、盲目(もうもく)的だとも言えるが。

 その証拠に他3名は何も反応出来ずに、ポカーンと口を開けている。因みに、此方(こちら)が正しい反応である。バステトは3人の反応の満足したのか、したり顔をしている。兎に角可愛い。

 結局、3人が反応出来るようになったのは、更に3分後の事であった。

 そう言えば、バステトって神獣でしたね

(´-`).。oO(思い出した)

 そらぁ、オーガなんて余裕でけちょんけちょんに出来ますわな:(´◦ω◦`):ガクブル

 ていうか、聖域に使われてる《絶対障壁》をあんな事に使って良いんでしょうかね(-ω-?)アレ?

 まぁ、そこは本人バステト次第って事にしましょうかc(・ω・`c⌒っヨッコイショ

 それはさておき、2021年も作者こと、冬影蒼井をどうぞ宜しく御願い致します。そして、引き続き『主人公がチート過ぎてヤバイ件』と、もう一つの小説、『老紳士は魔王になっても紳士です』もどうぞ御楽しみ下さい。


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 どうぞ宜しく御願い致します。

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