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主人公がチート過ぎてヤバイ件  作者: 冬影 蒼井
59/66

第55話 ゴリアテは基本、執事 ブエルは基本、おじいちゃん

どうも、チキンクリスプ的な料理を作って食べてたら、右顎が外れかけた作者です

(#)'3`;;)・;'.、グハッ

口を開けた瞬間「ゴキッ!」っていう、鈍い音が聞こえて「やっべ!」ってなりました

(꒪ཫ꒪; )ヤバイ

まぁ、そんな事はさておき、さておき。多分二回目の『長期未更新警告』が出ました(勝手に名付け)

『長期未更新警告』は出ましたが、誤字などの修正をしていましたからね!?本当ですからね!?

\\\└('ω')┘////ホントダヨー

そんじゃらホイホイ。本編、レッツラゴー( ・ㅂ・)و ̑̑


(作者:レッツラゴーって久々に言ったな……)

(読者:こっちも、久々に聞いたわ)

「よーし、今日はここで野営をするぞぉ!!」

 陽が若干落ち始めた、地球で言えば黄昏時の少し前くらいの時刻に、行商人は野営をする場所を決めた。傍には大きな湖畔があり、小魚も泳いでいる。木々はあるが、近くに森は無い。もし魔物が襲撃して来ても、直ぐに目視出来るだろう。

 行商人組はテント等を設営し、甲野を除く冒険者組も自分達のテントの設営を始める。冒険者組は新人という事もあり、設営に手間取っている。

 甲野はタリタス達、冒険者組を余所目にブエルと自分の幌馬車の畳の上で話す。


「コーノ様はどうするんじゃ?テントなぞ持っとらんじゃろ?」

「俺は馬車で寝るから、別にテントは要らん。魔法で適当な家を建てるのも良いしな。」

「確かにのう。まぁ、ゴリアテなら十分で豪邸か城を建てそうなもんじゃしな。」

「……確かに。」


 甲野はブエルの言葉に同意した。


「ところでザガンとキマリスは護衛中か?」

「そうじゃよ。キマリスが暇な使い魔を集めとるから、百人近い人数で辺りを警戒しとるがな。」

「やり過ぎじゃね?」

「儂もそう思うが、キマリスは基本的に真面目じゃからなぁ。」

「ブエルは適当だけどな。」

「儂は堅苦しいのは苦手じゃからのう。」

「俺も同じだけどな……ん?」


 ブエルと話しをしていた甲野の元に、足をダラーンと伸ばしたバステトを抱えたロシックがトコトコと近付いて来た。


「どうした?」

「……返す。」


 ロシックはバステトを返却して来た。返却されたバステトは何時もの特等席(甲野の頭)に乗っかり、小さな身体を丸める。


「もう良いのか?」

「……うん、満足……だけどまた貸して。」

「バステトが良いなら別に良いぞ?」


 甲野がそう言うと、ロシックは中々の眼力でバステトに無言の要求をする。それを感じ取ったバステトは欠伸混じりの一鳴きをする。


「良いってよ。」

「……?」


 バステトの許可を伝えるとロシックは首を傾げた。


「バステトちゃんの言葉、分かるの?」

「あぁ、分かるぞ。それがどうかしたのか?」

「何で分かるの?」


 その言葉でロシックが何故首を傾げたのかが分かった。神獣の言葉は幾らスキルを持っていても、理解は出来ない。神に関する者と会話が出来るのは、高位の聖職者か王族や皇族の一握りの者だけだ。ただの冒険者が理解出来る訳が無い。


「これがあるからな。」


 甲野は左の人差し指に付けている指輪を見せた。


「……なにそれ?」

「契約の指輪だ。知ってるか?」

「…………本物?」


 ロシックはかなり長い()を置き、甲野に訊ねた。その表情


「ん?本物だけどどうしたんだ?」

「……物語だけ話と思ってた。」

「物語?」

「うん。」

「どんな物語なんだ?」

「んとね……」


 ロシックの話す物語をザックリと要約すると、数百年前、とある政治が腐敗していた国の王族がなんやかんやあって、神獣の契約者である少年から契約の指輪を奪おうと彼の住んでいる村を襲撃すると、契約している神獣が襲撃して来た国ごと天罰を下し、国はその天罰で滅んだという話だ。


「へぇ、そんな話があるのか。」

「うん……ほんとの話らしい」

「ちょっとロシックぅ!!こっちの設営、手伝ってよー!」


 現在進行形で設営に苦戦しているコリーからの救援依頼にロシックはトコトコと歩き手伝いに行った。


「……なぁ、バステト。さっきの話って本当の所、どうなんだ?」

「……にゃ。」

「あぁ、一応は本当の話なのか。」

「……にゃにゃ」

「あぁ……成程……」

「……にゃにゃにゃ」

「おい、マジか。」

「……にゃにゃにゃ、にゃにゃー!」

「いや、適当だな。」


 バステトは何かを身振り素振りと言葉で説明するが、それを遠目に見ているロシック以外は何だか必死に何かをアピールしているように見えて、ただただ癒されてゆく。話している内容は中々のものなのだが。

 そんなほのぼのとするバステトを見ながら、各々が設営を終える。冒険者組は手の空いている行商人達に手伝ってもらいながら、ひとまず設営を完了した。


「あの……コーノさんは設営をしなくて良いんですか?」

「俺は馬車で寝るから別に構わん、」

「そうですか。」

「あぁ、そうそう。野営の間はこっちで飯の準備とかするからな。」

「え?」


 タリタスの間が抜けた言葉に行商人が大きな声で云う。


「出発前に言われてな!まぁ、いっぺん食ってみろよ!めっちゃうめぇぞ!」

「は、はぁ……」


 周りの従業員も頷いている。タリタスは行商人の余りにもの大声にそれしか言えなくなってしまった。


「まぁ、俺は作らないけどな。」

「え?じゃあ誰が作るんですか?」

「まさか、あの魔族が作るの?」

「興味はあるが、怖ぇな……」

「……もしかして、バステトちゃん?」


 各々が予想や感想を言う。


「どれも不正解。」

「……正解は?」

「正解は……ゴリアテさーん!」


 その場のノリでさん付けをしてゴリアテを呼んだ。行商人組は何が起こるか面白そうに見ている中、冒険者組は急な甲野の大声に、呼吸も忘れ、ポカーンとしている。


『コーノ様、私などにさん付けをしないでください。』


 すると、甲野が呼んだ方向から十数体の、大変リアルな人型ゴーレムが現れた。ゴリアテの苦言はそのゴーレムの全てから聞こえる。


「「「おぉー!」」」

「……凄い」

「「「……」」」


 行商人組は歓声を上げ、ロシックは驚き、他三名はやはりポカーンとしている。


「いや、もうゴリアテにはさん付けした方が良い気がしてきたので」

「まぁ、気持ちは分からん事は無いがのう……」

「にゃっ!」


 二人の言葉にバステトも頷く。ゴーレムがチート人間と上級魔族と神獣に敬われるとは、驚きである。当のゴリアテは(あるじ)である甲野の言葉を適当に流す。


『際ですか。』


 執事には話を流すという寛容さかどうかは分からないが、そういうのも必要だ。多分。


「それじゃあ夕食、お願いします。」

『畏まりました。』

「あ、机とか椅子とかはこっちで用意しとくわ。」

『あちらに用意しております。』

「……流石執事。」

「……流石じゃのう」

「にゃにゃ〜」

「「「いやいやいや!!」」」

「ん?」

「にゃ?」

「さて、バステトはこっちで待とうかのう」

「にゃ!」


 当然と言うか、ロシックを除く三人は甲野にツッコミを入れる。三人の気持ちが分かるブエルはバステトを抱え、ゴリアテが用意した椅子に座りロシックとバステトを撫でている。


「何ですかアレ!」

「一応、ゴーレムですが?」

「十数体も!?」

「いや、本体は一体(いったい)だけです。」


 ノリの敬語である。


「何でゴーレムが言葉を話せてるんですか!?」

「うちのゴリアテですから。」

「「「際ですか……」」」


 うん。三人は諦めた。甲野に関する色々の事を。なので、ゴリアテが用意した椅子に座り、夕食を待つ事にした。


「さて。ザガン、キマリス。」

「「ハッ!」」


 甲野に呼ばれた辺りを警戒中だったザガンとキマリスは直ぐ様、目の前に姿を現す。


「何か異常は無いか?」

「ございません。馬車を狙っていた魔物を討伐したくらいで、辺りには盗賊の類は存在しません。」


 ザガンが答える。


「それなら良いか。それじゃあ、道中に盗賊か異常があったら知らせてくれ。」

「「ハッ!」」

「後、これは駄賃だ。」


 甲野はその場で高密度の魔力球を二つ、創り出した。高密度の魔力球は二人の体内に入ってゆく。


「これはまた……」

「なんとも……」


 二人は高密度で、高品質の魔力球を取り込む。


「二人共、良くやってくれてるからな。」

「「ハッ、光栄です!それでは!」」


 ザガンとキマリスは、その場から姿を消す。それを確認すると甲野も椅子に座り、のんびりとしている。


「そう言えばバステト。あれって一晩出来るか?」

「にゃ?……にゃにゃにゃ?」

「あぁ、あれだ。」

「にゃにゃにゃにゃ。にゃにゃ?」

「頼みます。バステトさん。」


 神獣と話を出来ているという異常事態にも、色々と諦めた三人は、大して動じない。行商人組に至っては気にもしない。


「にゃ!」


 バステトが一鳴(ひとな)きすると、半球体の絶対障壁が出現した。行商人、冒険者組は、おぉー!という驚きを含ませた歓声を出す。神獣の一発芸を見た様な気分である。

 これは余談だが、クルスでバステトが絶対障壁を使用した際に、遠目からでは見えないように調節していた。なので、甲野達以外はブルさんも含め、絶対障壁の存在を知らない。甲野のペットは気遣いが出来るようだ。

 自分の仕事を終えたバステトは、甲野の膝上で丸くなる。甲野はバステトを撫でる。


「コーノの使い魔は、結界を張れるのか。すげぇな。」

「私もこんな使い魔が欲しいわ。」

「いや、使い魔以前に、バステトは神獣なんだけど……」

「……流石。」

「にゃっ!」


 四人の言葉にバステトは、満足そうに、誇らしげに胸を張る。若干のドヤ顔と共に。しかし、そのドヤ顔は甲野にしか、分からなかった。

 勿論、甲野は、バステトの愛らしいドヤ顔に、撫でた。わちゃわちゃと撫でた。猛烈に撫でた。周りが若干呆れるくらい撫でた。


「……ブエルさん、コーノさんって何時もあんな感じなんですか……?」


 タリタスは、甲野の事前情報の落差に、思わずブエルに訊ねた。ブエルも、無理も無いじゃろうなぁ、と内心思いつつ話す。


「バステトに関しては、色々とのう……。バステト関連なら、国の一つや二つは消し飛ぶじゃろうな。」

「……冗談ですよね?」

「冗談と思うなら、試してみるかい?お主くらいの歳じゃったら、何とか許して貰えるしてもらえるかもしれんぞ?」

「まだ死にたくありません!」

「まぁ、儂の場合、コーノ様とバステトに関する事は、お主くらいに賢い子じゃったら、多少の無礼も眼を瞑るが、他の二人の目の前ではやらん方が良いのう。」

「他の二人って……あのコーノさんの使い魔?ですか?」


 ブエルは頷く。


「そうじゃよ。詳しい事はあれじゃが、あの二人はコーノ様に忠誠を誓っとるからのう。勿論、儂もじゃがな。」

「あの……質問良いですか?」


 突然のタリタスの質問に、ブエルは面白そうに質問を促す。


「儂の答えれる範囲じゃったらの。」

「はい……ブエルさんって……その……どれくらい強いんですか……?」

「そうじゃのう……強さ……そう言われてみれば、考えた事も無いのう……」


 ブエルは唐突に召喚魔法を発動させた。召喚したのは、ブエルの使い魔で随一の知能を持つ、エルダースケルトンのカナルであった。カナルは特に変化させる理由も無いので、骨のままの姿で現れる。

 この頃にはタリタスも、大して驚く様子も無い。


「何か、御用でしょうか?」

「この子が、儂の強さを知りたいそうじゃ。」

「……あぁ、大体分かりました。」


 カナルは凡その状況を察した。そして、タリタスの方を向き、実に分かり易い説明をする。


「人族の王国を片手間で滅ぼせます。」

「か……片手間……?」

「はい。片手間です。」


 タリタスは数秒程固まり、ブエルの方を向いた。


「こ、殺さないでくださいよ……」

「儂は暗殺者かなんかかい?」

「暗殺者で言えば、どっちかと言えば、ゴリアテが似合ってると思うけどな。」


 そこに、聞き耳を立てていた甲野が、椅子に座り、話に参加した。


「確かに、それは言えるのう。」

「まぁ、暗殺者というか、何でも屋みたいな感じだな。」

「何でも屋って、何ですか……?」


 タリタスが甲野に訊いた。甲野は簡単に説明する。


「文字通り、何でもする人の事だ。まぁ、何でもっつても、雑用とかが一般的だけどな。」

「へぇ、そんな人が居るんですか。」

「正確には、そういう仕事の事だ。冒険者みたいなものと思えば良い。」


 そんな他愛もない、のんびりとした話をしていると、ゴリアテから声が掛かる。


『夕食が出来ました。』


 いつの間にか目の前のテーブルには、大変豪華な夕食が並んでいた。肉だけではなく、汁物や野菜もあり、栄養のバランスが取れている。


「それじゃあ食べるか。」


 甲野は小さく、頂きます、と手を合わせてから、目の前の料理を食べ始める。他の面々も各々でよそって、食べ始める。一口食べ、驚き、次には全員が黙って食事をする。味については、ここまで来ると、最早美味い不味いではない。

 人生で一番の、最高の食事だった。野営なのに。

”後書き”で言うのも何ですが、ご報告です。

※そんなに大した報告でもない。

今回は重大そうで、別にそうでも無いお知らせがあります。

この度、作者の名前が『ヒイラギ』から『冬影蒼井』に変わりました。

(∩´∀`)∩ワーイ

変えたのには特に深い訳はありません。ただの気分転換です。

(Twitterの投稿をコピペ)

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