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主人公がチート過ぎてヤバイ件  作者: 冬影 蒼井
58/66

第54話 主人公は化け物ですか?いいえ、馬鹿です。色んな意味で

どうも、一部のバラエティーとニュースしか見ない作者です。アニメはごく稀に見ますが、ドラマは一切見ません('ω'乂)ミナーイ

好きな番組は『世界ふしぎ発見』です。

さて、それはさておき、今回も見事に1ヶ月を超えての投稿になりましたσ)>ω<*)テヘ

老紳士魔王はもう少しで執筆が終わりそうです。

1ヶ月は超えないと思う( *˙ω˙*)و グッ!


それでは本編⊂('ω'⊂ )))Σ≡GO!!

「しかし……」

「ん?どうした?」

「にゃ?」

「?」


 クルスを出国して約四時間。甲野は畳敷きの馬車の中、のんびりとバステトを撫でていた。(ちな)みに無口少女のロシックもバステトを撫でている。他二人はアムドとウシアスの二人と、雑談をしている。話題は勿論、甲野の非常識さだ。


「護衛がこんなのんびりしていて良いんでしょうか?」


 タリアスの意見は(もっと)もだ。本来、護衛をする冒険者は、今回の場合では、護衛対象と一緒の馬車に乗るか、馬車の周りを歩き、周囲を警戒するのが当然の事だ。だが、それは普通の冒険者の場合だ。


「大丈夫大丈夫。ザガンとキマリスが警戒をしてるんだから。」

「ザガン……キマリス……あぁ、あの二人ですか。」

「あぁ、彼奴等一人で、クルスを落とせるからな?」

「「「はぁ!?」」」


 甲野の言葉に、ロシックを除く他三人が驚愕する。


「……バステトちゃん……可愛い。」

「だろ?」

「……欲しい。」

「駄目駄目。ウチの子だ。」

「……ケチ」

「「「いやいやいや!!」」」


 近所のおじさんと小さな子供みたいな会話を、三人は口を挟んだ。二人は「何だ急に」みたいな顔をしながら、三人の方を向いた。


「ど、どんな戦力ですか!?」

「そんな戦力あったら、公爵様に睨まれねぇか!?」

「て言うか、ロシックは何でそんなに冷静なのよ!」

「?猫可愛い……」

「あ、そう……」


 コリーはロシックの事を諦めた。普段、余り感情を見せないロシックが楽しそうに、猫を撫でているので、それでも良いだろうと思ったからだ。


「しかし、センボの言う通り、過剰な戦力を持ってると、貴族に睨まれますよ?」

「大丈夫。(つて)ならそこそこあるから、貴族くらいに睨まれたって」


 確認だが、現在甲野の伝は、エルヴィン辺境伯とその娘、そしてエルヴィン国の兵士全員。

 クルス国ではヴァインガ=ウェン子爵家と冒険者ギルドクルス支部支部長のレフィア、商業ギルドクルス支部支部長のカートル、クロロ子爵。そして貴族の最高階級である公爵の、ブルセクト公爵。

 どう考えても、(いち)冒険者の伝の量と質とは思えないが、甲野の眼前の4人は、甲野の伝のレベルを知らない。

 だが、甲野の「貴族に睨まれても大丈夫なくらいの伝」の発言に、やはりロシックを除く三人は冷や汗をかく。


「貴族相手でも平気な伝って……」

「もしかして、実は貴族だったりして……」

「それなら冒険者なんてしねぇだろ」

「バステトちゃん……可愛い……」

「にゃふぅ……」

「撫で方上手だな。」


 甲野はロシックに撫でられ、腑抜けているバステトを寝転がり、見て言う。ロシックは首を僅かに傾げる。


「そう……?」

「あぁ。猫を飼ってたレフィアより上手いぞ。」

「……ギルド長に勝った。」


 ロシックはレフィア(ギルド長)に勝る物があったと、両腕を上げて「やったー」という風に喜んだ。それに対して、撫でられていたバステトは「良かったね」という風に、前足で爪を立てない様に頭を撫でた。甲野の頭の上に移動して。バステト柔らかい肉球で撫でられたロシックは、僅かにだが口角を上げ、ニヤニヤと笑顔になっている。しかし、甲野とバステト以外の三人には、角度的には見えていない。


「え?コーノさんって、クルス国のギルド長と知り合いなんですか?」

「知り合いっていうか、まぁ成り行きだな。」

「いや、成り行きでも凄いですけど……」

「コーノさんの伝って一体……」


 コリーの疑問に、甲野は悪い顔をし、コリー向く。


「知りたいか?知りたいなら、それ相応の覚悟をしろよ?じゃないと……」

「き、聞きません!聞きませんから!」

「俺も!」

「ぼ、僕もです!」


 三人の余りにもの怯え様に、甲野は若干呆れながら言う。


「いや、冗談なんだが?」

「心臓に悪いです!」

「心臓に悪い!」

「心臓に悪いわ!」

「……聞きたい。」

「「「止めてぇ!!」」」

「まずはな……」

「「「言わなくて良いから!!」」」

「くわぁ〜」


 突然始まった即興お遊び、まぁ、甲野とロシック以外はお遊びと思っていないが、それは直ぐに終了した。バステトは眠たそうに、一つ大きな欠伸をかく中、三人は若干、泣きそうな顔をしている。ロシックは何だか不服そうな顔をしていた。


「……聞きたかったのに」

「殺されたらどうするの!」

「俺、まだ死にたくねぇよ!」

「それは私もよ!」

「……別に何もしないんだけどな」


 この三人の言葉に、悪意があれば甲野も怒るなり何なりするのだが、悪意は全く無い、純粋な気持ちなので甲野は何も言えずに居た。そんな甲野に、バステトは甲野の背中で包まり、自業自得、と独り言の様に呟いた。勿論、猫語で。


「日頃の行いと思うぞ?コーノ様。」

「……(わり)と何も言えんな。」

「あら、珍しい。コーノ様が言い負かさてるわ。」

「そもそも俺、言い争ったりした事無いんだけど?」

「あぁ、そうね。コーノ様は実力行使派ですよね。」

「……前科があるから、そっちも何も言えん。」


 前科とは、ゴルバの部下への金的事件の事だ。とは言っても、この事は誰も知らない。以前に甲野の記憶を読んだゴリアテも、必要以上の記憶を読んだ訳では無いので、ゴリアテも知らない。


「さて、それじゃあのんびりとお茶でもするか。」


 甲野は起き上がり、《無限収納(インベントリ)》からクルスで買った乾燥された茶葉と同じくクルスで買った木の皿に、茶菓子を並べる。茶葉は既にお湯の入った急須に入っているので、甲野は湯呑(ゆのみ)にお茶を入れ、茶菓子を一つ摘まむ。口の中の水分が少し、持っていかれた所に少し熱いお茶を一口啜る。背中から飛び降りたバステトも、茶菓子の中から、一番大きな茶菓子を口で掴み、甲野の膝の上でボリボリと(むさぼ)る。


「はぁ……」


 上手い。やっぱり日本人で良かったなぁ。これがみたらし団子だったら、もう最高なんだけどな。けど、みたらし団子の作り方とか知らんかなら。よし、今度執事(ゴリアテ)に頼むか。彼奴(あいつ)なら絶対作れる。あの数十分でエールを作るゴリアテなら、必ず作れる。俺はそう信じてる。

 甲野は人知れず拳を握る。


「……私も食べて良い?」


 バステトが美味しそうに茶菓子を食べる姿を見て、ロシックが甲野に言う。甲野はお茶を飲みながら、茶菓子をロシックの方へ近付け、お茶の入った湯呑と共に差し出す。ロシックは小さな声で礼を言うと、クッキーの様な菓子を手に取り、少し齧る。何だかハムスターの様だ。

 そして、甲野がお茶を啜ると同時に、ロシックも甲野と同じ様に湯呑を手に取り、器用に音を出しながらお茶を啜る。


「美味しい……」

「苦くないか?」


 ザガンとキマリスは苦いって言ってたからな。まぁ、人に依って違うからな。


「大丈夫。苦くない……」


 ロシックは親指を立て、甲野の方に向ける。そんな兄妹の様な二人を見て、他の三人も躊躇(ためら)いながらも、甲野にお茶と茶菓子を分けて貰えないかと伝える。甲野は、木の皿に多目の茶菓子を入れ、三人分の湯呑にお茶を入れ、手招きをする。三人は当初よりは大分緊張が取れた様だが、まだ身体に緊張が残る。三人は別々に、お茶を飲んだり、茶菓子を食べたりする。先にお茶を飲んだコリーは苦そうな顔をしていたが、甲野に言われ、茶菓子を食べてからお茶を飲むと、驚いた顔を浮かべる。他の二人もお茶が気に入ったのか、美味しそうに茶菓子とお茶を楽しむ。


「……この依頼、受けて正解。」

「そうね……馬車の中でのんびりと……って、これ護衛依頼だった!」

「ハッ!忘れてた!」

「俺も!て言うか、クルス国を出てそこそこ経つけど、魔物が一匹も出ないな。」

「確かに言われてみれば。コーノさんの友達?いや、使い魔かな?が辺りを警戒してるみたいだけど……」

「多分、その人達のお陰じゃない?だって一人でクルスを落とせる実力でしょ?そんな実力あったら、護衛(なん)て、楽勝でしょ?」


 コリーの言葉を、リーダーであるタリタスが注意する。


「コリー。油断は駄目だよ。もしもって言う事もあるかも知れないでしょ?」

「それもそうね。油断し切ってたわ。」


 コリーもタリタスの注意を素直に受け止めた。

 おっ、まだ小さいのにしっかりしてるなぁ。まぁ、一人だけ猫みたいな奴もいるけどな。

 甲野は何となくその無口な猫の頭を撫でる。


「……なに?」

「ん?いや、何となく。」


 ロシックが特に抵抗する事もなくそのまま撫でられていると、バステトも甲野の真似をして、ロシックの頭を前足で撫でる。


「……バステトちゃんの肉球、柔らかくて気持ち良い。」

「そんなにか?後で触ろ。」


 そんな会話から、馬車がさらに二時間が経ち、合計七時間程進むと、馬を休ませる為、休憩となった。甲野の一角獣(ユニコーン)ならばこの程度、疲れてもいないのだが、魔物でもない普通の馬となれば、流石に多少なりとも疲労している。馬車は最低限に舗装された街道(かいどう)から少し離れた、大きな木の木陰(こかげ)に馬車を停めた。馬に装着している、馬車と馬を繋ぐ器具を取り外すと、馬は傍に生い茂る青々とした草を食べ始めた。因みに、アムドとウシアスは人型では無く一角獣(ユニコーン)の姿のままだ。行商人や従業員は、馬車の荷台から水の入った樽を二人(がか)りで取り出し、馬の近くに置くと、喉が乾いていたのか、馬は水を勢い良く飲み始める。


「いやぁ、しかし、魔物が一匹を出て来ねぇな!流石コーノだな!」


 樽を運んだ行商人はコーノに近付き、大きな声で笑う。


「あの二人が警戒してるからな。少なくとも、俺()に害ある奴は近付けないと思うぞ。」

「おぉ、それは凄いな!」

「ところで、どれくらい休憩するんだ?」

「そうだな、昼飯も含めての時間だから、大体一時間ちょっとくらいだな。割と早く出たから、まだ時間も余裕がある。」

「一時間ちょいだな。分かった。今日は野営か?」

「あぁ、そうだ。今日も含めて二日間は野営になるな。まだ天候とかで変わるが、次の村で水の補給や物を売ったりするから、一日は滞在すると思うぞ。」

「成程。」

「親方ぁ。ちょっと来てくださーい!」

「誰が親方だぁ!ちょっとまってろぉ!」


 行商人は甲野に一声掛け、呼ばれた方に行く。

 親方って、久々に聞いたな。まぁ、風体は盗賊の(かしら)か大工の棟梁(とうりょう)みたいだから、しっくりとは来るけどな。

 甲野は近くの少し大きな岩に腰を下ろす。バステトは珍しくロシックの膝の上に居た。

 今日と明日は野営だし、まだ大量にある蛇肉でも焼くか。あ、蛇で思い出したけど、(しばら)く自分のステータス、見てなかったな。久しぶりに見るか。あんなデッカイ蛇倒したんだし、それなりにレベルも上がってるだろ。

 甲野は自分のステータスを表示した。



【名前】甲野 秋吉

【種族】人間


【レベル】139(35↑)


【体力】23600/23600(5600↑)

【魔力】24600/24600(6000↑)

【俊敏】19000(7800↑)

【腕力】21000(4000↑)

【防御力】32000(18000↑)

【運】7600(480↑)



 《スキル》

 魔法創造(マジッククリエイト)Lv∞

 異世界言語Lv10

 異世界知識Lv10

 全属性魔法Lv∞

 鑑定Lv10

 混合魔法Lv∞

 偽装Lv10


 統合スキル:マップ+付与(エンチャント)無限収納(インベントリ)+召喚魔法=亜空間




 《称号》

 ・魔法の創造者

 ・無限の魔法

 ・神の言葉

 ・知識の神

 ・全てを偽りし者

 ・神の眼

 ・召喚の神

 ・混合魔法の祖

 ・オークの天敵

 ・操り師

 ・神の使いの契約者


 new 災厄(さいやく)防護者(ぼうごしゃ)(防御力が倍増)



 異世界っぽいスキル来たなぁ……亜空間って絶対、別の空間を創るスキルだよな?

 甲野は《異世界知識》で新スキル《亜空間》について調べた。



 項目:スキル


 名称:亜空間(あくうかん)


 説明:別次元に術者以外侵入不可の空間を生み出すスキル。その空間の広さは術者の魔力に比例する。亜空間の中は、基本的に何も無い白い空間だが、自分の想像(イメージ)に依って、空間の模様を変える事も可能。しかし、それ相応の集中力と魔力が必要。使用出来る者は甲野秋吉を含め、全種族で僅か13名。その中でも、現在一番広範囲の亜空間は(およ)そ、236m。(なお)、術者が許可した者であれば、亜空間に入る事が出来る。



 まぁ、予想通りと言えば予想通りの説明だな。ん?待てよ。これ、召喚魔法とか、結構必要なスキルが統合してるけど、統合したスキルはもう使えないのか?それも調べるか。

 甲野は再度《異世界知識》で調べた。



 項目:統合後のスキル使用


 説明:統合したスキルは使用可能。消費魔力は統合前と変わらない。



 大丈夫か。消費魔力も変わらないし、特に問題は無いな。後は、ステータスの馬鹿みたいな上がり具合と称号だな。この災厄はクイーンサーペントの事だろうな。まぁ、ステータスの数値は、どういう決まりで上がってんのかは知らんし興味も無いから、別にどうでも良いな。よし、近い内に亜空間を試して見るか。

 甲野は一先ず、ステータスを閉じた。そして、甲野は《無限収納(インベントリ)》から、執事(ゴリアテ)手作り(?)のサンドイッチと麦茶を取り出した。この麦茶はクルスで緑茶に似た茶葉を購入したのと、同じ店で購入した物だ。


「さて、頂きます。」


 甲野は茶菓子を食べたとは言え、腹が空いていたと言う事もあり、サンドイッチを大きく齧る。すると、甲野は突然無言になり、黙々とサンドイッチを食べ進める。そこそこ大きなサンドイッチが四つもあったが、直ぐに食べ終え、麦茶を一気に飲む。落ち着いたのか「ふぅ」と一息吐くと、甲野はこう呟いた。


「ゴリアテ、本気出したな。」


 もうゴリアテは、ゴーレム兼執事兼料理人で良いだろ。

 そう思う程、ゴリアテが作ったサンドイッチは絶品だった。因みにこれは余談だが、ゴリアテはサンドイッチを多目に作っていたので、それを他の面々にも食べて貰うと、全員、絶賛の嵐だった。

うん。今回の久々のステータス確認回で、スキルを《亜空間》か、もっと凄いスキルにしようか迷ったけど、後者にしたら物語が速攻で終わりそうだったから、前者にしましたε-(´∀`*)ホッ

まぁ、暫くと言うか、終わりは今のところは考えていません。終わるのかも分かりません

(*´・д・)*´。_。)ゥミュ

んでもって、次回の投稿も何時になるか分かりません(*´・д・)*´。_。)ゥミュ

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