表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
主人公がチート過ぎてヤバイ件  作者: 冬影 蒼井
55/66

第51話 ブエルの部下は優秀

どうも、書く時は一気に書くので、現在めっさ眼が痛い作者ですイタイ…(´•̥ω•̥`)

長時間、椅子に座ってると、阿呆みたいに腰がボキボキ鳴るから、時々「あっヤベッ!」って時がある( ´ཫ` )グハァ

読者の皆さんは、あまり腰や首を鳴らさないよう注意してください。あと、腰は関係ないけど、熱中症にも御注意を。

さて、それじゃあ本編(。・ω・)ノ゛ イッテラ

「それは良かった!」


 小屋で暫くのんびりとした甲野一行はブルさんにクイーンサーペント討伐の報告をした。ブルさんはそれを聞き、大いに喜んだ。国が滅ぶと覚悟した脅威が去ったのだ。喜んで当たり前だろう。


「だから言っただろアデル。彼なら大丈夫だって。」

「えぇ、確かに。」


 アデルは完全に執事(仕事)モードだ。先程までの残念っぷりはどこへやら……。


「ところで、俺がここ(執務室)に入った時に何息切れしてたんだ?」

「少し誤解を解きにちょっとね……」

「?」


 甲野は何の事か分からなかったが、それ以上は追及しなかった。


「そう言えばエンペラースネークの支払方法、考えたか?」

「あっ!」

「……公爵様……しっかりしてくださいよ……」

「……むぅ、アデルにそう言われると、何か傷付くな。」

「へぇ、鬼教官様に言われるとは光栄ですねぇ?」


 公爵が己の執事に苦言を呈す。

 へぇ、あの執事、アデルって名前なのか。ていうか、なんか(えら)く親しそうだな。実は幼馴染っていうオチか?

 意外とカンの良い甲野は、目の前で繰り広げられている痴話喧嘩(?)をのんびーりと観戦している。甲野の隣にはゴリアテを除いた、使い魔一行がいるのだが、使い魔一行は興味無しといった顔で、各々が他愛もない会話をしている。

 ただ、その中で一人、蚊帳の外のクロロは、甲野の使い魔一行を()()戦慄していた。

 あのコーノの使い魔だから、並の使い魔では無いとは思っていたが、まさか魔族とは……。しかも、上級魔族なんて伝説の類ではないか!?あの使い魔一体で王都を破壊する事も可能……!しないよな?しないよな?コーノは王都破壊などしないよなぁ!?

 誰に問う訳でも無い、密かな疑問に応えたのは、使い魔衆の一人、ブエルだった。


「せんよ。そんな面倒な事は。」

「!?」


 ブエルはいつの間にかクロロの眼中から消え、クロロの背後に立っていた。そして、小さな声で、クロロに聞こえる様に呟いた。


「……心を読んだんですか?」

「ほっほっほっ、お主も儂()の事を()()んじゃろ?それで御相子(おあいこ)じゃよ。」

「すいません。」

「構わん構わん。お主はコーノ様が信用してる人物じゃしな。」

「それは有難いですね。正直なところ、コーノレベルの冒険者との繋がりがあれば、色々と便利ですから。」

「ほっほっほっ、正直じゃな。」


 ブエルはクロロに感心した様子だ。


「その正直さに免じて、少し仕事を手伝ってやるわい。」

「?」


 首を傾げるクロロを他所に、ブエルは己の使い魔である、エルダースケルトンのカナルを召喚した。通常、公爵の執務室に、無断で使い魔を召喚するのは、色々と不味い事なのだが、公爵と執事は痴話喧嘩で気付いていないし、クロロは気にもしていないので、まぁ大丈夫だろう。

 そして、ブエルはカナルに何かを呟き、カナルはその場から姿を消した。


「何を命じたんですか?」

「ほっほっほっ、それはお楽しみじゃよ。ところで、儂にそんな言葉遣いは不要じゃよ。」

「……分かった。私もあまり、気を使い過ぎて、疲れていた所だったので助かる。」

「働き過ぎは身体に毒じゃよ。ほれ、お茶じゃ。」

「どうも……美味いな。」

「コーノ様と儂のお気に入りじゃ。」


 かつてこんな光景があっただろうか。公爵とその執事が執務室で痴話喧嘩。冒険者と神獣がのんびり。上級魔族二人が雑談をし、もう一人の上級魔族が貴族とお茶タイム。混沌(カオス)と言っても過言では無い。

 傍から見れば、ある意味危機的状況なのだが、残念ながら、それを教えてくれる者は、この部屋には居ない。


 ◇   ◇   ◇


「ところで、エンペラースネークの対価は決まったのか?」

「あっ!」

「忘れてたな?」

「うぅ……ごめーん。」


 ブルさんは両手を合わせ、謝罪した。


「もう、ブルさん。もう歳?そろそろ領主引退でもする?」

「そんな深刻じゃないよ!」


 ブルさんはアデルの言葉に反論するが、甲野はある事が気になった。


「なんだその、ブルさんって?」

「このおじいちゃんの昔のあだ名。」

「良いなそれ。俺もブルさんって呼ぼ。」

「止めてー!公爵の威厳が無くなるぅ!!」

「でも、ブルさんは知らないけど、兵士の間で『鬼教官』とか『鬼畜領主』とかあだ名付けられてるよ?」

「え゛!」

「クロロも知ってるよね?」

「え!?」


 二人の痴話喧嘩を他人事の様に、観戦していたクロロに飛び火した。クロロは答える事を戸惑っていたが、己の師匠の無言の威圧に敵う訳も無く、あっさり自供した。


「……はい。私の部下の間でもその様な()()()が広がっています。」


 せめて、あだ名ではなく、二つ名と答えたクロロだったが、ブルさんへのダメージは、そんな事では抑える事は出来なかった。

 クロロはそっとブルさんの方を見ると、事務机に突っ伏し、ダンダンと叩く。アデルはそんなブルさんを喜々として眺める。


「ブルさんも苦労しとるのじゃな。」

「そうだな。人間は苦労が多い種族と聞く。ブルさんもその類だろう。」

「まぁ、ブルさんの場合は特殊だと、私は思いますが。」


 使い魔三人衆も、一応は同情しているものの、面白がって公爵の事をブルさん呼ばわりしている。やっぱり魔族なのだな、と実感(?)させられる光景だった。

 そして使い魔三人衆はチラッとブルさんを見る。結果が効果抜群だ。


「わぁぁ!魔族にも舐められたぁ!!」

「いや、舐めとらんよ?」


 ブエルの言葉に他の二人も同意する。ブルさんはバッと顔を上げる。


「ほんとに?」

「うん。遊んでるだけ。」

「余計酷いぃ!!」


 上げて落とすタイミングが絶妙だ。これは、ザガン達が魔族だというだけではないだろう。唯単にブルさんに弄り甲斐があるからだ。その証拠に、先程までブルさんを弄っていたアデルとキマリスが仲良く話をしている。ただ、話の内容は主に、ブルさんの弄りだが。


「コーノー!どうやったら、弄られない様になる?」


 ブルさんの唐突な相談に、流石に少々同情した甲野は、少し悩んだ挙句、こう云った。


「諦めろ。」

「あぁ!味方が居ないぃ!!」


 天性の弄られ役は転生しても、治らないだろう。


 ◇   ◇   ◇


 ゴリアテを除いた使い魔集と残念女執事アデル、同じく残念公爵ブルセクト=クルセ、一番まともな子爵クロロ=ユサナリ。そして一応神獣のバステトと甲野秋吉の面々は各々がそれぞれの事をしていた。まず、ブエルがクロロと雑談をし、キマリスとアデルはブルさんの話題で雑談。ザガンはバステトと珍しくのんびり。甲野はブルさんの愚痴を聞いている。何とも奇妙な光景だ。

 そんな奇妙な光景が続いていると、突如、ブエルの使い魔のカナルが現れた。そのカナルの周りには、十人余りの豪勢な服装の貴族が居る。全員、例も無く醜い魔獣の様に酷く肥えている。


「ブエル様。御命令通り、国外逃亡を試みた貴族全員を捕らえて参りました。」

「ほっほっほ、御苦労じゃったな。」

「いえ。それでは私はこれで。」


 カナルはそう云うと、その場から姿を消した。ブルさんとクロロは慌てて、ブエルに説明を求めた。アデルも一瞬遅れて、ブエルに問うた。


「これは一体、どういう事?」

「私も公爵様と同意見だ。ブエル、説明してくれ。」

「私にも説明をお願い。」


 三人の言葉に、ブエルは何か喚いている貴族に魔法を掛け、静かにしてから答えた。


「さっき、クロロに仕事を手伝ってやると言ったじゃろ?」

「クロロ、本当かい?」


 アデルはクロロの方を向いて問う。ブルさんもクロロの方を向く。クロロは二人の視線を感じながら、頷き、答える。


「えぇ、確かに言われました。しかし、何の事かは分かりませんでした。」

「その仕事がこれじゃよ。」


 ブエルは魔法で喚き声が聞こえない貴族達の方に指を向け、言った。三人以外は大体何の事かは、検討が付いていたので、一切興味無しという感じだった。実際、この国の人間では無い甲野達には(甲野以外、人間でもないのだが)関係無いので、当たり前と言えば当たり前だが。


「この者達は、あの蛇がやって来たのを知って、一目散に国を捨て、財産だけを持って逃げだした奴らじゃよ。」

「……それは本当?」


 ()()()()()は先程までとは打って変わり、鋭い眼光で縛られた貴族達を見た。ブエルに本当かどうか訊いてはいるが、殆ど確信している様で、眼光は貴族達に向いたままだ。


「儂が嘘を付く理由なんぞ無いじゃろ?」

「……それもそうだね。アデル!クロロ!この自分の保身しか考えてない愚か者を地下牢獄に入れろ!」

「「ハッ!」」


 公爵の威厳たっぷりの命令にアデルとクロロは速やかに貴族達を魔法で地下牢獄まで連れ去った。その際、ブエルが魔法を解き、貴族達が必死の弁明をするが、ブルセクトは一切聞く耳を持たなかった。

 そして、静かになった執務室には、ブルセクトの大きな溜め息が響く。


「はぁ。まさか、こんなに貴族が没落してるなんて……」


 自分の想像以上に酷い現状の貴族に、()()()()は頭を抱えた。クイーンサーペントの問題が解決したと思ったら、今度は緊急時の貴族の国外逃亡。先程までの、のんびりしていた時間を返せと言いたい。しかし、貴族問題はそう簡単には解決しない。それが分かっているからこそ、ブルさんは頭を抱えた。


「……もう一本、飲むか?」

「……貰うよ。」


 ブルさんは甲野が差し出した《霊薬(エリクサー)果実水割り》を受け取り、一気に飲み干した。後で、100本くらい差し入れておこうと思う甲野だった。甲野自身、地球に居たサラリーマン時代に色々と苦労したので、ブルさんの苦労がよく分かった。バステトも、よくは分かっていないが、何だか悲しくなり、ブルさんに近付き、肩を前足で数回叩いた。すると、一瞬だがブルさんの身体が薄っすらと発光した。


「バステト、何したんだ?」

「にゃにゃ。」

「ん?」


 甲野はバステトに促されるままに、ブルさんのステータスを視ると、称号の欄に《バステトの加護》という称号が追加されていた。称号の説明を視ると色々書いてはいるが、要約すると《疲労の回復が早くなり、精神力が強化される》という説明があった。冒険者からすれば、唾液ものの称号だ。しかし、上級貴族の公爵ともなれば、日々の激務はある意味、冒険者以上と言っても過言では無い。

 だが、この称号の所為で、ブルさんがさらに苦労するのはまた別のお話……。

よく、学校とかで「水はガブ飲みしない方が良い」って言われた事があるかもしれないけど、アレって本当です( ˙꒳˙ )ウン!!¨̮⑅*

汗を大量にかいた時に、水を大量に飲むと、身体の塩分濃度が薄まって余計に危険です。

なので、塩が入ったスポーツドリンク等を飲むようにしましょう。

どうも、作者の豆知識の御時間でした。


あ、続話の投稿はまた遅くなるかもしれません

(読者:そっちをはよ言えよ!!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ