第43話 バステトとの〜んびりマッタリ 前編
作者です・・・
個人経営している店で昼飯を買っていると、そこのおばちゃんから「今から出勤?」と言われました。
俺はまだ中学二年生とです!
まだ外は日も登りきっていない早朝。
そんな時間に甲野は起きた。
「……あぁ〜身体がダルい〜」
あぁ、昨日、酒飲み過ぎた……
レベルが高いおかげか、頭痛なんかはしないけど、身体はとてつもなくダルい……
レベルが高くても、こう云うのはあるんだな……
あ〜今日は1日、宿でのんびり過ごすか。
「よっこいしょ。」
甲野は仰向けの状態からうつ伏せになった。
「やっぱ、バステトは可愛いなぁ〜」
甲野はの~んびりと、バステトを撫でていた。
偶にはこうやってのんびりする日があっても良いな。どうせ、明日には面倒臭いのが待ってるんだ。その為にも、今日の内にストレス発散でもしとこ。
そんな事を思いながら、甲野はバステトをわちゃわちゃと触っている。
地味にモコモコするな。あぁ〜この感触が眠気に誘われる〜。
けど、この眠いなぁ〜って感じが、なんか心地良い。
甲野がそんな事を思っていると、わちゃわちゃと撫でているバステトが薄ら目を開け始めた。
「あ、バステト、起こしたか?」
「……」
甲野はそう問うが、バステトは無言で甲野のベッドに乗り込み、布団の中へと潜り込んだ。
「かぁ〜〜」
そして、バステトは大きな欠伸を一つつくと、甲野の布団の中で丸まり、また寝始めた。
……これは俺に抱き枕にされたいって事かな?
甲野は無言でバステトをギュッと抱きしめた。
おぉ〜、モコモコ度合いが増したな〜あぁヤバイ、眠気が一気に来た……
甲野はそのまま眠気に身を委ね、小さな寝息を立て、バステトを抱きしめながら本日に二回目の睡眠を楽しんだ。
そして、約2時間後。
甲野に抱きしめられているバステトが目を覚ました。
「……くわぁ~~」
バステトは大きく口を開け、欠伸をした。
そして、起き上がろうと、身体を動かすが、何かに抑えられていることに気づいた。
「……?」
バステトは自分の身体を抱きしめている手を目で辿った。
すると、自分のすぐ後ろに甲野の顔があった。
「にゃぁ!」
バステトは甲野が自分を抱きしめている事に驚きながらも、習慣となっている、自分の頭を甲野に擦りつけ、匂いをクンカクンカと嗅いだ。それも猛烈に。
「にゃ~~♪」
そして、バステトは超御機嫌に。
バステトは、甲野に抱きしめられた状態で、身体を左右に捩りながら、自分を触っている甲野の手の感触を愉しんでいた。
しばらくはそれで、遊んでいたが、そこは流石、気紛れで有名な猫様。
数分をすれば、若干の飽きも来だし、次は甲野で遊び始めた。
己の肉球で、甲野の頬を突き始めた。
すると、甲野の頬が思いのほか軟らかく、気持ちよかった為、バステトは喉を鳴らしながら、甲野の頬の感触を愉しんだ。
「にゃ♪にゃ♪にゃ♪」
バステトは甲野の頬を太鼓の様に叩きながら、愉しんで……否。めっちゃ愉しんでいた。
この世界で、甲野の頬を、あの様に遊ぶ事が出来るのはバステトだけだろう。
もし、バステトと同様の事をすれば……今回はほのぼの回にすると決めているので、血生臭い話は抜きにしよう。
甲野の頬で遊んでいたバステトだが、ふと昨晩の事を思い出した。
あの、いつもとは明らかに様子の違った甲野の表情が浮かんだ。
「……にゃあ……」
そんな甲野の雰囲気を思い出し、バステトは甲野の頬を先程とは違い、優しく叩いた。
「なんじゃバステトよ。甲野様の事を心配しておるのか?」
そんな様子を影(正真正銘の影)から見ていたブエルは、突如、バステトの後ろから姿を現した。
ちなみに姿はいつもの骸骨姿では無く、変装の時に使用する際の姿だ。
よく見るとブエルの右手には少し大き目の箱を持っていた。
「にゃ!?」
そんな突如現れたブエルにバステトは、凄まじい跳躍で飛び跳ね、尻尾は天井を向いていた。
「ほっほっほっ、すまんすまん。」
ブエルは骸骨の顔を器用にカラカラと笑わせた。骸骨なので表情は分からない筈だが、若干の笑みも窺える。
「にゃ!!」
だがバステトはそんなブエルの謝罪を一切受け入れず、そっぽを向いてしまった。
「ほれほれ、この菓子でも食べて機嫌を直してくれ。」
ブエルは持っていた箱を開けた。
「にゃ?」
バステトはブエルに近づき、手に持っている小箱の中を覗いた。
すると、その小箱の中には、多種多様な焼き菓子が入っていた。
煎餅だったり、クッキーだったり、中にはパイの様な物もある。
まぁ、要するにお茶請けだ。
「……にゃ、にゃー!」
バステトは少し悩んだ末に、これ食べる!と、パイを足で示した。
「これかの?」
ブエルはバステトが足で示した、パイを取り上げ、バステトの目の前で、左右にゆっくりと揺らした。
すると、バステトの目線が、パイと同じ様に、ゆっくり左右に揺れた。今度は円を描くように回すと、バステトの首も同様に円を描くように回った。
「……にゃ!」
バステトは、動くパイが一瞬止まるのを見逃さず、ブエルの手ごとパイに噛み付いた。
「ほっほっほっ、これこれ。」
ブエルはパイを魔法で浮かし、手を退けた。
「にゃ〜♪」
バステトは浮かんだパイを口一杯に頬張りながら、自分の前足を頬に当て、身体を左右によじった。
「可愛らしいのう。」
甲野様が可愛がる理由も分かるのう。
「にゅ〜♪」
「……ん。」
バステトが、身悶えしていると、その声で甲野が目を覚まし始めた。
「…ふぁ~」
起きた甲野はゴソゴソとベットから出始めた。
バステトはそんな甲野の腹に、物凄い跳躍で思いっきりダイブした。
甲野はダイブして来たバステトを、寝起きと云う事もあり、受け止められずに、バステトに押し倒される形で、ベットに倒れこんだ。
「にゃ~」
「あぁ、おはよ。」
甲野はバステトに返事をすると、こちらも習慣となっている、バステトの顎を掻き始めた。
「にゅ~♪」
顎を掻かれたバステトは、目を細め、ゴロゴロと咽喉を鳴らし、とても御機嫌だ。
「ん?バステト、なんか付いてるぞ。」
甲野はこちらに来た時に所持していたハンカチでバステトの口周りを拭いた。
「それは、儂が買ってきたお茶請けの菓子じゃよ。」
ブエルは小箱から煎餅を一枚取り出し、甲野へと渡した。
「なんだ、ブエル居たのか。て言うか、金なんて持ってたのか。」
甲野はブエルから煎餅を受け取った。
「金なんぞ魔界のゴミでも売ればどうとでもなるわい。」
「まぁ、魔界じゃあゴミでも、こっちじゃあ結構、貴重な物だったりするしな。」
甲野はそう言うと、煎餅を食べるとパリッと云う心地よい音を部屋の中に響かせた。
「美味いな。」
「にゃ〜ん♪♪」
甲野は煎餅を、バステトはパイを食べている。
「しかし、この国をあんま見てないから言えないが、煎餅を売ってる店なんて見た事無かったけどな。」
そんな事を言いながら、甲野は器用に魔法でお湯を作り、無限収納から出した、お茶っ葉が入った急須にゆっくりと入れた。
「裏の路地にあったからの。店も小さく、細々とやっておるみたいじゃ。」
ブエルもそう言うと、煎餅を一枚食べた。
そして、甲野同様にパリッと心地よい音を響かせた。
「明日、面倒事が終わったら買いに行くか。」
甲野は急須を軽く振り、湯呑みに注いだ。
「ほい。」
「頂くわい。」
甲野とブエルは口の中に、残った煎餅の味を流すかのように、緑茶(仮)をズズズッと音を響かせ呑んだ。
そして、2人とも、フゥ、と息を一つついた。
「そう言えば、あの2人はまた鍛錬か?」
パリッ
「そうじゃよ。甲野様が就寝してから、ずっとやっとるよ。」
パリッ ズズズッ
「全く、良くやるな。」
ズズズッ
「にゃ?」
ムシャムシャ
「いや、俺はやらんぞ。んな面倒な事は。ブエルだろ?」
パリッ ズズズッ
「そうじゃな。魔族には血の気の多い者が、多いが、儂の知り合いはそうでも無いの。」
ズズズッ パリッ パリッ
「魔族にも色々いるんだな。」
ズズズッ
甲野とブエルが世間話をしていると、バステトは2人が飲んでいる緑茶(仮)に興味を示した。
「にゃ?」
「ん?飲みたいのか?」
「にゃ!」
バステトは大きく首を縦に振った。
甲野はその場で、猫の水を入れる様な器を錬成し、そこに緑茶(仮)を注いだ。
「ほい。」
甲野は緑茶(仮)を入れた器をバステトの目の前に置いた。
「……にゃ。」
バステトは前回の件もあり、若干、警戒しながら緑茶(仮)を舐めた。
そう言えば、猫って熱い飲み物苦手じゃなかったっけ?猫舌とか言うし。
「……ふにゃあ!」
甲野の予想通りで、バステトの警戒虚しく、熱い緑茶(仮)で舌を火傷し、部屋を駆けずり回った。
「あぁ、なると思った。」
甲野は苦笑しているが、バステトはそれ所ではない。
「シャアァ!」
バステトは少し涙目だ。
はい。分かってるかと思いますが、前書きはお笑い芸人のヒロシさん風にしてみました!
前書きは勿論実話です。
これから、前書きは、しばらくヒロシさん風にします!当然実話を!(゜∀゜ )ヒヒヒ ネタハホウフ




