第41話 飛竜と火竜でBBQ 調理&実食編
シリアスは読むのも書くのも苦手なので極力書かないようにしている作者です。
さぁ、ちょっと前に週一で投稿したいと言っておいて早、1ヶ月近くの更新になりました。
そんな事はさておき、さっそく本編(σ・∀・)σアッチ 行け
さて、まずは内臓を取るか。
甲野はミスリルナイフを無限収納から取り出し、内臓を傷付けない様に浅く切った。
だが、切り込みが甘かったのか、腹は切れたが、まだ開けていない。
「切り込みが甘かったか。」
向こうじゃあ、何度か爺ちゃんの猪の解体に付き合わされたけど、ドラゴンの解体なんぞ始めてだぞ。
甲野はもう一度、次は先程より少し深めに切り込んだ。
よし。今度はちゃんと開けたな。
さてさて、体内ご開帳〜。
飛竜の体内は特に他の動物とさほど変わった点は無い。あるとすれば内臓の一つ一つが異様に大きい、と言う事だけだが、身体が大きいので当然の事だ。
「狩って大して時間も経って無いから腐臭もしないな。」
これをジビエに分類していいかは分からんが出血や内出血が無くて血が回ってないからジビエ特有の臭さは無いな。
どうせなら、この内臓を使って色々と作りたいな。
甲野はそんな事を思いながらトレンチコートの袖を捲り、飛竜の体内に腕を入れ、ミスリルナイフで内臓を慎重に切り取っていく。
これ、意外と肩こるな。そう言えば中学生くらいから肩凝りが凄かったな(作者の実話)
それが再来したな。
そんな事を思いながら甲野は順調に内臓を取り除いていく。
「よし、内臓摘出完了。」
気分は医者だ。
早速、調理に取り掛かりたいが、調味料が無いな。
……持ってきてもらうか。
甲野は念話でゴリアテを呼んだ。
《ゴリアテ。》
《分かっております。直ちに調味料をそちらに転送します。》
ゴリアテがそう言った次にはもう甲野の目の前には馬車の中に積んであった塩と胡椒が積んであった。
流石、秘書(仮)。いや、もう秘書で良いや。
《ところで甲野様。1つご報告が。》
《ん?なんだ?》
《甲野様が不在中に第1拠点、教会跡地に盗賊くずれと思わしき不埒者が侵入。キマリス様の使い魔と甲野様の無限迷宮の罠に掛かり現在、人間の痛覚や刺激などの様々なデータを取っています。》
《早速、罠に掛かったか。ところで、何処からあそこの情報が漏れた?》
《それはすでに調査してあります。調査の結果、以前、甲野様に絡み、ブエル様の手で痛い目を見たコルクでした。どうします?御命令さえ頂ければ始末いたしますが?》
《放っておけ。仮にコルクがあそこの場所をバラそうとも、兵士が来ようとも、問題は無いだろう?》
まぁ、あそこの国には貸しがあるから俺に関わる事で兵士なんぞ、少なくとも俺に不利益になる方向では兵士は動かないだろうけどな。
《はい。勿論です。》
《それに、来るなら来るで拠点の防衛に必要な検体が手に入る。その際に生き残った奴は好きにして構わんぞ。今データを取ってる奴も別に殺しても構わん。取れるデータも取って要らなくなったら、捨てるなり、土の養分にしとくなり好きな様にしとけば良い。》
《はい。了解しました。》
この言葉を最後に念話は終了した。
さて、会話の間に飛竜と火竜は解体し終えて、調味料も届いたしちゃっちゃと作るか。
◇ ◆ ◇
辺り一面はお祭り騒ぎだ。
甲野が調理を始めると甲野を中心に周辺に肉を焼くいい匂いが漂い始めた。
解体人達は最初こそ、特に気にもしていなかったが、調理に竜牙兵が加わり匂いはさらに充満し、甲野の方を見て解体人は口の中に溜まった唾を呑んだ。
そこで甲野が誘いを掛けたが、流石に依頼された解体を放っておく訳にも行かず、ギルド長の方を向くと、「コーノが解体人も食べれば良いと言っている。」と言い、これに甲野が同意をしたものだから解体人は感謝感激雨嵐だ。
流石に、酒は振る舞われなかったが、解体人達は満面の笑みで 飛竜や火竜の肉を頬張っている。
「うめぇな!」
「飛竜の肉なんて初めて食ってぞ。」
「そもそも、飛竜や火竜なんてこの辺じゃあ滅多にお眼にかかれないからな。」
「とにかく、今はこれを楽しむぞ!」
そこへ、甲野が作った飛竜と火竜の臓物煮が竜牙兵によって配られた。
解体人達は初めて見る臓物を使った料理に少しばかりの警戒心を抱いていたが、それを優に上回る食欲を唆る匂いに耐え切れる訳もなく、恐る恐る口にしてみると、これが思いのほかいけ、少し多めに入れた塩が多量に汗をかいた解体人達には五臓六腑に染み渡る美味さだった。
俺も食べてみるか。
……お、結構いけるな。塩と胡椒しか入れてないに、肉汁が口に溢れて美味い。
しかも、肉汁が甘くて、むつこくならない。
火は魔法でコントロールしたから、肉自体がかなりでかいのに、ちゃんと中まで火が通ってる。
次は見様見真似で作った臓物煮だ。
……う〜ん。美味いは美味いけど、もう一つだな。材料がなかったのもそうだが、調味料が足りないな。味噌とかあればまだ違うだろうけど、現状じゃあ、これが精一杯か。
まぁ、臓物の出汁が出てこれはこれで美味いけどな。
骨付き肉の以外に使った肉の骨は、また別の機会に使お。ラーメンの出汁とかも良いけど、麺の作り方知らないから、無理だな。野菜スープとかで良いか。骨の周りに付いてる肉の出汁が出て良いだろし。
しかし、飛竜と火竜の魔石何に使おうか。ゴーレムはゴリアテや竜牙兵が居るから別に要らんし、ゴーレム創造は召喚スキルと結合されて何時でも召喚できる様になったからな。
そうだな〜。畑の肥料にでもするか。バステトのおやつにでもしようかと考えたが、あんなのをバステトにやるのは駄目だな。
「…………ふにゃ〜」
甲野が魔石の使い道を考えていると、先程まで寝ていたバステトが欠伸をしながら起きた。
「おっと。」
起きたバステトは真っ先に甲野を見つけ、甲野の胸へ跳び込んだした。
そして、毎度恒例の頭スリスリが始まった。
「ふにゃにゃにゃにゃ〜」
うん。可愛い。
甲野は無言で撫でている。
「飛竜と火竜の肉があるけど、食うか?」
「にゃ!」
バステトは目をキラキラさせながら、もちろん!、と言った。
「どっちを食べる?」
「にゃ〜」
「どっちもか。よっと。」
甲野は竜牙兵に持ってこさせた飛竜と火竜の肉片を持っていたミスリルナイフで目にも止まらない早さで粗挽きにした。
「ほれ。」
それを小さな平皿に盛って地面に置いた。
「にゃ〜♪」
バステトはそれを無我夢中で食べている。
「ガッハッハッ、良いご主人様だな!」
レフィアはガルラと言っていた解体人がバステトを見て豪快に笑いながら言った。
「バステトに不味いもんなんぞ食わすか。」
甲野は下処理をした飛竜の口から体内へ火魔法で内部調理をしながら応えた。
「バステトって言うのか、その猫。尻尾が3本とは珍しいな。」
「神獣だからな。」
「へぇー、神獣か。初めて見たな。」
ガルラは意外にも珍しく思っただけで大して驚かない。
「なんだ、驚かないんだな。」
「神獣なんて御伽噺の中過ぎて凄さも、よう分からん。そんな俺らからしたら神獣なんて珍しい猫程度だな。」
ガルラは臓物煮を堪能しながら言った。
「レフィアなんて気絶したぞ。」
「それを言うなさ!」
「契約の指輪はしてるわ、その契約相手が神獣だわ、なんて立場上気絶もするさ!」
「気にし過ぎだろ?」
「あ、バステト、お代わりするか?」
「にゃにゃ!」
バステトは甲野の言葉に、解体人が食べている臓物煮を足で差しながら要求した。
「臓物煮か。ちょっと待ってろよ。」
甲野は錬金術で即席のバステト用の小さい茶碗を作り、そこに大鍋に入った臓物煮を少量盛った。
「ほれ。」
「にゃ〜♪」
バステトはこれも美味しそうに食べ始めた。
やっぱ、猫は良いな。うん、可愛い。
「そうだな。俺ら解体人からしたら神獣なんて珍しい猫程度だ。ただ、俺たちの中には居ないが宗教関係の奴等は五月蠅そうだな。」
「それを言うなら宗教国家が危ないさな。」
「宗教国家?何だそれ、何処にあるんだ?」
「王都を西に半月程、クルス国からだと1か月以上掛かる所にある巨大国家さ。住民は平民、貴族を含め9割”ミナエール神”を信仰している。それだけなら、別に良いんだが……」
ここで話はガルラが引き継いだ。
「国がミナエール神信仰を強制している可能性がある。宗教自体はクルス国にもあるが、当然信仰有無は自由だ。だが、宗教国家は魔法や魔導具まで使ってまで信仰させてんだ。ふざけた話だ。」
そこまで行ったら、もう信仰も何も無いんじゃないか?て云うかそもそも、そのミナエールとか言う神様は居るのか?
項目:神族
名前:ミナエール
詳細:宗教国家、正式国名レリギオンの信仰している神。豊穣や恋愛、闘い、酒などの生活や政治、戦争など全ての神、所謂、全能神とされているが、そんな神はおろか、神族や天使にも存在しない。
やっぱりな。実際に存在して純粋に国の9割が信仰しているなら兎も角、存在しないんなら魔法や魔導具でも使わないと信仰なんぞさせれないもんな。
この世界は神と云う存在が身近なだけに、自分に何も与えてくれない神なんて腹の足しのもならんし、一々信仰している暇も無いからな。
まぁ、その前に存在してないんだから、与えてくれるも糞無いけどな。
甲野達はその後、雑談をしながら豪華な昼食を摂った。
現実にドラゴンの肉があったらマジで食べてみたい。
それはさておき、友人に「その、〇〇な件、系のタイトルって最近増え過ぎて新鮮味が無い。」と言われて、「あぁ、確かに」と思いました。ので、もしかすると、タイトルの変更をするかもしれません。その時は皆様の方にも応募をするかもしれませんので御協力お願いします。




