第39話 ザガン&ブエル&キマリスvs飛竜と火竜
久しぶりに1週間くらいで投稿出来たヤタ━━(゜∀゜)━━!!
なるべく、これを続けたいね〜。
飛竜
別名、亜竜。正確には竜族とは分類されてはいないが、その力は人族には、とても脅威だ。
全長 約15m
高さ 5m
体重は個体差にも寄るが、凡そ900㎏前後。
尻尾の一振で家屋は薙ぎ倒される。
さらに、嗅覚も鋭く、獣人族の倍はある
その飛竜が現在進行形で50匹を超える群れで押し寄せているのだから、下手をすれば小国が滅ぶ程の数だ。
まぁ、長ったらしい文で説明して来たが、大体皆様の予想通りになるのは必至だろう。
なにせ、飛竜の群れが向かっているのは、魔王が10人居ても歯が立たない程の力を持つ者達の場所なのだから……
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「なに?」
「飛竜か。何匹だ?」
甲野は特に気にする事も無く、緑茶(仮)を飲みながらブエルに飛竜の数を訊いた。
「そうじゃのう。大体、50匹くらいかのう。」
ブエルも甲野同様、緑茶(仮)を飲む手を動かした。
「しかし、儂の《索敵》に引っ掛からんぞ。」
レフィアはブエルの飛竜出現発言をしたすぐにスキル《索敵》で飛竜を確認しようとしていたが、反応は無かった。
「飛竜は今どこだ?」
「ここから、東へ50km先じゃよ。」
「5分くらいでここに到着じゃな。」
「……それは分からんさな。」
レフィアはもう、甲野達へのツッコミを止めて思考を放棄した。
そして、冷静に緑茶(仮)を1口飲んだ。
「解体人を避難させなくて良いのか?」
「別にいいさ。倒してくれるんだろ?」
「それより、このクッキー、もうちょっと出して欲しいさな。」
「あぁ良いぞ。」
甲野はそう言うと、無限収納からお茶請けのクッキーを10枚程皿に出した。
「さて、儂は遊んで来るかのう。」
ブエルはそう言い、空になった湯呑みを置き、その場から立ち上がった。
「死骸は欲しいから持って帰って来てくれ。」
「ほっほっほ、分かったわい。」
ブエルはその言葉と同時に、その場から姿を消した。
「さて、そうなると暇だな……」
「解体でも見るか。」
「そう言えば甲野よ。エンペラースネークの件で領主がお主に話があるらしいさな。」
「何だそれ。」
「これだけ大きい魔物だと魔石も相当な大きさになるからねぇ。大方、その件だろうさ。」
「面倒臭いな。バックレようかな。」
「バック…………?まぁ、無視すれば余計に面倒くさくなるよ。」
まぁ、それもそうか。
「領主は問題無いけど、一部の貴族が少々問題があってねぇ。」
「あぁ、大体、問題については予想が出来た。」
どうせ、そう云うのは、賄賂だったり、権力を振りまくる野郎だったりとか、そんな感じだろ。
「まぁ、大体、その予想で合ってるさ。領主も貴族の問題には頭を抱えててねぇ。」
「こちらとしては、ギルドに被害が及ばない限り手出しは出来なくてねぇ。歯痒い事、この上ないさな。」
甲野とレフィアがそんな話をしている中、ザガン達はと云うと…………
「あれか。」
ザガンの目線の先には、黒ごまの様な点々があった。
飛竜だ。
「しかし、何か様子がおかしいですね。」
キマリスは飛竜を見ながら言った。
「確かにのう。」
キマリスの言葉に突如現れたブエルが反応した。
「それより、甲野様が素材は欲しいから持ってきてくれ、じゃとよ。」
「なら、なるべく綺麗に殺らないとだな。」
「そうですね。」
「ほっほっほ、気合いが入っとるのう。」
「それじゃあ、儂は遊んで来るかのう。」
ブエルはそう言うと、目にも止まらない速さで木々の間を走り去って行った。
「私も行くか。」
ザガンは言いながら背中から黒い大きな翼を出し飛んで行った。
「さて、私が最後か。ぼちぼち行くとするか。」
キマリスはそう言うと、転移魔法で目標の元へと転移した。
◇ ◆ ◇
一番先には着いたのは転移魔法を使ったキマリスだった。
キマリスは飛竜の目の前に転移し魔法で浮遊していた。
「まずは私から。」
「召喚火蜥蜴」
キマリスは召喚魔法で全長5mはある炎を纏った蜥蜴、火蜥蜴を召喚した。
「奴らの体内へ攻撃しろ。」
キマリスがそう火蜥蜴に命令すると、火蜥蜴の身体が分解し、10体の約50cm程の火蜥蜴が現れた。
その火蜥蜴は1体ずつ飛竜の口から体内へ入った。
すると、体内に入られた飛竜は暴れ出し、次の瞬間には声を出す暇もなく、その身体は地面へと墜落し始めた。
「ザガン様やブエルに残して置かないと、後で色々と言われては嫌だからな。」
キマリスはそう言いながら無限収納に自分が倒した飛竜を収納した。
△ ▼ △
次に飛竜の群れに到着したのは、翼で飛んで行ったザガンが僅差で到着した。
「キマリスに先を越されたか。」
ザガンは、倒した飛竜を無限収納に収納するキマリスを見ながら言った。
「翼より転移の方が早いですからね。」
「それより、飛竜の向こう側から面白そうなのが来てますよ。」
キマリスがそう言う、飛竜の群れの奥を見ると僅かに、赤い、飛竜より大きい竜が居た。
「火竜か。そうだな、あれをブエルに残しておくか。」
ザガンはそう言いながら大剣を抜き魔法を唱えた。
「《汝よ、その生命、我が糧となれ》」
ザガンがそう唱えると、大剣からどす黒い霧が発生し、飛竜の群れ全体を覆った。
暫くすると、飛竜の群れを覆っていた霧が大剣に戻った。
そして、絶命した飛竜の群れはそのまま地上に墜落し始めた。
ザガンは墜落している飛竜を無限収納に収納した。
ザガンが唱えた魔法は大剣から発生する霧に触れると魔力と体力を文字通り、死ぬまで霧、仮に《死霧》と言おう、その《死霧》に吸収される。
《死霧》は吸収した、魔力と体力が大剣へと吸収されるのだ。
「さて、私達の出番は終わったな。」
ザガンはそう言うと、翼を仕舞い、キマリスの居る所へと降り立った。
「そうですね。後はブエルに任せますか。」
「あぁ。火竜程度だからな。ブエルは遊ぶつもりだろうから、少し時間は掛かるだろう。」
「それでは、私達は護衛に戻りますか。」
「そうするか。では、キマリスよ。頼む。」
「はい。分かりました。」
キマリスはそう言い、ザガンと転移で護衛に戻った。
△ ▼ △
「ほっほっほ、火竜か。飛竜よりかは多少遊べそうじゃな。」
ブエルは木の上で頭上を飛んでいる火竜を眺めながら呑気に言った。
一応言っておくが、飛竜と火竜では強さのレベルが全く違う。
力、魔力などを総合すると、その差は5倍以上ある。
最初にも言ったが飛竜50体で小国が滅ぶかもしれないと覚悟するレベルだが、火竜は僅か4、5体で国が滅ぶ、と断言出来るレベルだ。
「そうじゃのう。久しぶりにあれをやるかのう。」
そうブエルが言うと、両掌から薄い赤色の様な桃色の様な煙が発生した。
「ほっほっほ、どうなるかのう。《幻覚煙》」
火竜をブエルの幻覚煙が包んだ。
「ガァ!?」
火竜は突如、自分を包んだ幻覚煙に驚く。
だが、すぐに幻覚煙を祓おうと翼を羽ばたかけせたが、幻覚煙には一切変化は無い。
「ガァ?」
一向に変化の無い幻覚煙に警戒心を示した。
するとその時だった!
「ガァ!?」
突如幻覚煙の中から巨大な槍が飛び出した!
しかし、いち早く気付いた火竜は素早く身体を反転させ、槍を躱した。
そして、巨大な槍はいつの間にか消えていた。
「ガ、ガァ?」
突然の事に、躱した火竜も困惑した。
が、その瞬間、四方八方から、巨大な剣や槍、矢などが、火竜を射殺さんばかりに放たれた。
「ガァァァァァァ!」
困惑していたとはいえ、警戒を怠っていなかった火竜は炎を吐き、燃やそうとした。
しかし、目の前の剣や槍、矢などは、燃えるどころか、そのまま火竜の身体を貫いた。
「ガァァァァァァ………………ガァ?」
激痛はあったものの、その痛みはすぐに治まった。
火竜は己の身体を見るが貫かれた後は疎か、かすり傷一つも無い。
困惑する火竜は隅々まで己の身体を見るが、結果は変わらず何も無い。
すると、突如目の前の煙から、何か、大きな、とてつもなく巨体の影が現れた。
「ガァァァァァァ!!」
火竜はかつて見た事の無い巨体の何かに、過去には見せなかった最大級の警戒を見せた。
そして、現れたのは体長数100mはある巨竜だった。
「ガァァァァァァ!!」
火竜は最大限の強化魔法を掛け、大きな咆哮をあげた。
「グルァァァァァァァァ!!!」
しかし、そんな咆哮は巨竜の大気を震わす程の咆哮に掻き消された。
そして、巨竜の咆哮に火竜は意識を失いかけたが、僅かに残っていた。
すると、そんな火竜を余所に巨竜は大きな口を開け、火竜に近付いた。
火竜の意識は巨竜の口が閉じると同時に一生戻る事は無かった。
「ほっほっほ、幻覚でショック死したか。」
ブエルは幻覚煙を解除し、墜落する火竜を無限収納に回収した。
「久しぶりに使ったが、中々、面白かったのう。さて、コーノ様の所に戻るかのう。」
ブエルはそう言うと、その場から姿を消した。
ザガンとキマリスもそうだけど、ブエルも何気にチート過ぎだよね?
まぁ、そうやって、作者がしてんだけどね。




