第33話 初めてのSランク依頼
さぁ、やって参りました、初めてのSランク依頼!
一体どのような依頼になるのでしょうか!?
それでは本編(σ・∀・)σアッチ 行け
「ん…………ん───────────」
甲野はいつも通り背筋を伸ばしながら起きた。
「…………あぁそうか。昨日は飯食ってそのままベットに直行したんだっけ。」
ふぁー、まだ少し眠たいが今日はやりたい事もあるし顔洗ってギルド行くか。
そう言うと甲野は直径40mの水球を出し、顔を沈めた。
「………………ふぅ、すっきりした。」
さて、ギルドに行くか。
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「さて、どんな依頼があるかな〜。」
お、迷宮調査か。文字通り迷宮内の調査だろうな。ビックラット討伐ね〜。Cランクだからそこそこ強いんだろうけど、そんな気分じゃ無いな。
ん?解呪依頼?なんだこれ?
えーと、なになに………………
なるほどね〜。娘がアンデットに呪いを受けてその呪いを解呪して欲しいか〜。
見た感じ、急ぎじゃなさそうだしパスだな。
やっぱりこれかな。
甲野がそう言って取った依頼書は「エンペラースネークの生態調査」だった。
どうせAランクになったんだからSランクの依頼を受けてみたいな。
それに、こっちに来てから初めてダメージを受けれるかもしれないしな。
念の為言っておくが、甲野は別にM属性では無い。ただの好奇心だ。
それに甲野はドS属性だ。
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「さて、行くか。」
エンペラースネークの場所も含めの生態調査だからな。
普通なら何日も掛かるんだろけど、俺にはマップがあるからな。
甲野はそう言うとマップでエンペラースネークの場所を調べた。
あらあら、めちゃんこデカいな。マップの表示を見た感じ、長さ200mはいってね?
しかし、これは……
ま、とりあえず行くか。距離はだいたい、70kmくらいか。
まぁ、10分くらいかな?
さっそく行くか。
甲野はそう言うと地面がえぐれる程の脚力でその場から姿を消した。もとい移動した。
おぉー!速いな!前とは大違いだ。
この速さなら4、5分で着くな。いやー、それにしても風が気持ちいい!
この約8秒の間に850メートル移動した。
「さて、そろそろ着くはずなんだが。」
そう言う甲野の目の前に巨大な壁が現れた。
それは紫色の何かの鱗のような物が付いていた。
「お、これか。」
そう言うと何かの壁の前で足を止めた。
「これだな。んー、生きてる様子も無いし寝てる訳でも無い。それにマップでは黒表示だ。」
これはやっぱり…………
甲野はその壁に鑑定で視た。
名前:エンペラースネーク(死骸)
価値:金貨310枚
詳細:身体はどんな攻撃も弾いてしまう硬度を持ち、尻尾の一振で小国は崩壊、大国でも半壊してしまう程の攻撃力を持つ。さらに吐く毒はアンドマインドさえ溶かしてしまう。
しかし、気性は荒く無く、手出しさえしなければ攻撃をされる事は無い。
身体のあちらこちらにデススネークに喰われた後があり内部に侵入した跡もある。
討伐ランクS
やっぱりマップの黒は死骸や死体を意味するのか。
ところでデススネークってなんだ?
項目:魔物
名前:デススネーク
詳細:主に群れで行動する中型魔物。長さ約7m、太さ約50cmで群れの数は最低でも50匹。生息地は決まっておらずだいたいは仕留めた生物の中に潜んでいる。
獰猛な気性で素早い動きで相手に巻き付き骨を砕く。さらに咬まれれば、一瞬で全身に毒が周り、窒息し死に至る。
単体討伐ランクA
群討伐ランクS
「ん?仕留めた生物の中に潜んでいるって事は……」
甲野がそう言った刹那───────!
「「「「「「「シャ───!!!」」」」」」」
無数の太い蛇がエンペラースネークの死骸の中から甲野に迫って来た!
「だろうと思った。」
甲野は地面を蹴り素早くその場から後ろに飛んだ!
「シャ──────!!!」
するとリーダー格らしき一回り大きなデススネークが周りのデススネークに命令をした!
すると直ぐに甲野の周りを取り囲んだ!
「へぇー。脳はあるみたいだな。」
んー、ダメージ受けるのは無しかな。試したい事もあるし。
「「「「「「シャ─────!!!」」」」」」
そしてデススネークが一斉に大きな口を開け甲野に跳びかかった!
「おっと。」
それを甲野はいとも容易く離れた所へ一回転しながら飛んだ!
「さて、酒に飲んでも呑まれるな、って言う言葉があるが実践してみようか。」
「「「シュルルルル!!!」」」
甲野がそう言っている間に甲野の方へヌルりヌルりと音に見合わず、下を出しながら、凄まじい速度で迫る!
「《毒に飲んでも呑まれるな》」
甲野が適当な思いつきの詠唱を唱えた!
すると突如、甲野の口からどす黒い煙の息を吐き出してきた!
「ふぅ──────」
甲野はそれをデススネークに向けて吹いた!
「シャ…………シャ───────!?」
するとデススネークは次々と倒れ始めた!
よく見ると尻尾が僅かに痙攣している。
「──────────っと、もういいかな?」
甲野はそう言うと吐いていた煙を止めた。
「名付けて《死の吐息》って言った所か?」
少し威力を抑えたが、威力を上げたら岩とか溶かせそうだな。
甲野はそんな事を考えながら1匹の、リーダー格と思われるデススネークを鑑定した。
名前:デススネーク(死骸)
価値:金貨13枚
詳細:デススネークのリーダー格。他のデススネークより獰猛で討伐が難しい。その毒は即効性があり猛毒な為暗殺に使われる。刃には猛毒があるが肉には毒は無く絶品。焼いて良し、似て良し、揚げて良しのオールラウンダー。
「やっぱりデススネークのリーダー格だったか。」
「それにしてもエンペラースネークの依頼を受けたら、まさかの儲けものだったな。」
甲野は笑みを浮かべながら言った。
ちなみに今の、甲野の状況は、甲野を中心に無数のデススネークが死んでいるので、その中心で笑みをを浮かべていると死神にしか見えない…………。
「それに、この肉。万能食材だったか。肉は売らないでおこう。宿のオッサンにでも調理して貰おう。」
「あそこの宿は食材の持ち込みOKだったからな。」
甲野はそう言うとデススネークを全て無限収納に収納した。
「さて、次はこっちだが……」
甲野はそう言いながらエンペラースネークの鱗に触れた。
「硬いな。これなら上物の防具を作れそうだな。一応、この皮も取っとこうか。」
甲野はエンペラースネークを無限収納に仕舞いながら言った。
「さてと、昼飯食うか。」
実は甲野、宿のオッサンから朝食の代わりに簡単なサンドイッチを作って貰っていたのだ。
「どこかいい場所は……」
んー、無いか。
まぁ、いいか。その辺で食うか。
甲野は地べたに座り無限収納からサンドイッチの入った籠を出した。それを地面に置き、手を合わせた。
「いただきます。」
そして、籠に入ったサンドイッチを手に取り、一口食べる。
お、サクサクしてるな。何かの肉を揚げてるのか。
それに中に入ってる野菜が、また何とも言えない美味さだな!
しかも、昨日食べたギサロタが入ってて、この辛味が食を進ますな。
うん。美味い!マスタードの役目をしてんのか?
その後も、時々サンドイッチの味に頷きながら、食べ終えた。
「さて飯も食ったし、適当に昼寝でもするか。」
甲野はそう言うとサンドイッチが入っていた籠を無限収納に入れ、芝生に横になった。
「ふぁー、天気も良いし、昼寝日和だな。」
甲野はウトウトしながら言った。
「……一応、周りに結界みたいのをやっとくか。」
「《我が身を害する者から守りたまえ》」
そう言うと甲野を中心に半径15mの魔法陣が現れ、そして消えた。
「ふぁー…………さて寝るか。」
甲野はそう言いながら目を瞑り寝息をたて始めた。
甲野が昼寝を始めて約40分後……
遠く森から黒い靄の様な物が現れた!
その正体は”陽蝙蝠”だ。日光耐性を持っている蝙蝠でその群れの数は小さいものは50、大きいものになると200に及ぶ。
その陽蝙蝠が広い草原の中で寝ているのを甲野を見つけ、一直線で向かってきた!
そして、甲野との距離15mまで来たその瞬間!
いきなり200匹の陽蝙蝠が爆ぜた!
実は甲野、魔法を掛ける際、寝ぼけていて威力を間違えたのだ。ちなみに、本来は売却様に低威力の予定だったが、結果はこのざまだ。
余談だが、甲野はこの爆発音に全く気付かず昼寝を楽しんでいた。羨ましい程、熟睡している。
「………………ん、ん─────」
甲野は顔の違和感を感じ起きた。
「ふぁーよく寝た。」
甲野は顔を手で触りながら言った。
「……なんかベトベトしてるんだが。」
そう言いながら周りを見渡した。
すると─────────────────
「にゃー」
甲野の腹の上に、白色と銀色が混じった毛色をしている猫がいた。
なんと、依頼対象のエンペラースネークはデススネークに殺されていました!
しかし代わりにデススネーク642匹を討伐!
そして、昼寝終わりに甲野の側にいた仔猫は一体!?
それでは(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪




