第31話 一角獣の制裁 大量の売却金
さて、長い休暇期間を過ぎも終わりようやく投稿した今回( ^ω^ 三 ^ω^ )ヒュンヒュン
少々長めとなっております。
それでは、四の五の言わず(σ・∀・)σアッチ 行け
「全くアムドの奴、殺しても構わんとは言ったが殺るならサクッと殺れよ。」
《氷針》を使えるのは水魔法が使えるアムドだけだからな。
「ちょっと待て!コーノ、この現状に心覚えがあるのか!?」
ゴーズは甲野にそう訊ねた。
「外を見てみろ。」
甲野がそう言うとゴーズとレフィアは恐る恐る壊れた窓から外を見た。
するとそこには────────
「ひっ!も、もうやめてくれ!」
「こ、この馬畜生が─────がはっ!」
「あ、足が!足が凍る!」
「目が────目が─────!!!」
「ぎゃあああ!腕がァァああ!焼けるぅぅう!」
「か、身体が!う、埋まる!!」
そこには一角獣を狙おうとした不埒者達の阿鼻叫喚が広がっていた!
「あぁ、大体察した。」
するとゴーズは意外にも下の光景を見て戸惑う事は無く素直に納得した。
「私には一角獣2体が複数の冒険者に攻撃している光景に見えるんだけど……。」
レフィアは目の前の光景が信じられず少し現実逃避をし始めた。
「ギルド長、俺にも同じ光景が見えてますから幻覚じゃありませんよ。現実逃避はやめてくださいよ。」
「……確かに一角獣は討伐ランクAで亜竜に匹敵する力もあるが、あの冒険者達は亜竜なら1人で倒す猛者と記憶しているが。」
「その猛者より、あの一角獣が強かっただけだろ。」
甲野はそう言うと壊れた窓から飛び降りた。
「あ、コーノ!」
「アムド、ウシアス。」
甲野がアムドとウシアスに話し掛けるとすぐさま甲野の方を向いた。
「確かに殺しても構わんとは言ったが、殺るならサクッと殺れ。」
甲野は少し見当違いの注意をした。
「ブルルルルブルル。」
するとウシアスが甲野に弁明をした。
「なに、アムドがどうせ殺るなら徹底的に痛めつけてから殺る、て言ったのか。」
「ブルル!(はい!)」
「ブルルルル!?(ちょっ!?)」
「アムド。」
「ブ、ブルル(は、はい!)」
「痛めつけるなら……。」
甲野は腰に挿した刀で倒れている男の左足の指を全て切り落とした!
「ぎぁぁぁああぁぁあ!!」
そして切り落とされた男は絶叫した。
「これくらいはやれ。」
と、甲野は見当違いの注意をした。
「ブルル!(はい!)」
「ブルブルルルル!?(え、そこなんですか!?)」
ウシアスは甲野の見当違い注意に驚いた。
「こ、この馬畜生め!」
すると突如、何を思ったか怯えていた男がアムドに向かって《火弾》を放った!
「ブルルルル(なんだこいつ)」
アムドはそう言うと《水弾》で《火弾》ごと男を貫き絶命させた!
「「なっ!?」」
いつの間にか下に降りてきていたゴーズとレフィアはその威力に驚愕した!
「全く無謀すぎだろ。」
「ブルルブルルルル(多分錯乱でもしてたんでしょう)」
「ブルブルルルル?(てか、この人間弱すぎじゃないですか?)」
「なんかコイツら亜竜を1人で倒す猛者らしいけど、多分偽情報だろ。」
「もしくは亜竜の幼竜か弱った亜竜を倒しただけだろ。」
「ブルル(ですね)」
「さて残り全員も始末するか。」
甲野がそう言うと倒れている全員が固まった。
「「ヒヒーン!!」」
アムドとウシアスは同意の嘶きをし翼を羽ばたかすと羽根が抜け倒れている男、全員の脳天に突き刺さった!
「なんだあれ。」
よく羽根が突き刺さったな。
「ブルルルルブルル(俺達一角獣は羽根の硬さを自由に変える事が出来るんですよ。それに羽根は無限に生え変わります。)」
アムドはそう説明する。
「へぇ、便利だな。」
「それじゃあコイツらはさっさと消すか。」
衛生上悪いしな。
甲野はフィンガースナップすると《火魔法》で男達の死体、血液全てが一瞬で蒸発、消滅させた。
「は?」
レフィアはその光景に唖然とした。
「さて、それじゃあ売りに行くか。」
甲野はそう言うと冒険者ギルドの中に入った。
「レフィアさん。コーノはもう中に入りましたよ。」
「はっ!」
「……ゴーズ、コーノって一体何者だい?」
「そうですね。あまり詮索はしない方がいいと思いますよ。」
ゴーズはそう言うと冒険者ギルドへと入っていった。
「……それもそうか。」
「おうギルド長!一体何の用だ?」
「この冒険者の買取を頼みたい。」
「それじゃあここに出してくれ。」
「分かった。」
すると出るわ出るわの大漁まつり!
ブラックベアー3体にロックバード100体、オーク214体、オークウィッチ47体、オークキング4体が出てきた!
「おいおい、なんだよこの数。」
「見ての通りだが?」
「この数じゃあ暫く掛かるぞ。」
お、流石冒険者専門のギルド。この数でも驚きはしないんだな。
「どれくらい掛かる?」
「そうだな。暇な奴を総動員して30分と言ったところか。」
「早いな。それなら頼む。」
「おお、任せとけ!」
「それじゃあコーノ、上に来てくれ。ギルドカードを渡す。」
「そう言えばそうだったな。」
「忘れてたのかい……。」
「ほれ、ギルドカードだよ。」
レフィアは甲野にランクアップしたギルドカードを渡した。
「へぇAランクか。」
「Dランクから一気にAランクかよ。俺の時なんて2年掛かったのに……。」
そう言えば俺、冒険者になってからだいたい1週間か。
「この男が規格外なだけだよ。普通ならAランクなんて一生なれない奴もざらにいるんだからねぇ。」
「何せこの男、冒険者になって1週間だからねぇ。」
へぇ、そんな事も分かるのか。
「マジかよ……。」
ゴーズは驚愕か呆れかよく分からない声を出した。
「そんな事より、依頼書に「エンペラースネークの生態調査」ってあったけど、アレってなんだ?」
凄い気になるんだが。
「あぁ、あの依頼ねぇ。ここ、クルス国は数百年に1度、エンペラースネークって言う超巨大な蛇が近付くんだけど、稀にその大行進でこの国にも被害が及ぶ事があるんだよ。」
「討伐はしないのか?」
「したいのは山々なんだか、エンペラースネークの皮膚は魔法を一切通さない。しかも身体は恐ろしく硬い。ミスリルを使った武器でさえ擦り傷を付けるのがやっとだ。」
「Sランクの冒険者ならエンペラースネークぐらいすぐに討伐出来るんじゃないか?」
だって、Sランク=人外、だろ。
「そうだが、Sランク冒険者には変わり者が多い。勿論、危険が迫れば強制招集も掛けるが今はそこまでの状況では無い。」
「そういう事か。」
「ていうかそろそろ30分だろ。」
ゴーズは甲野に言った。
「それもそうか。」
それじゃあ下に行くか。
「おう!コーノ、丁度終わったぜ!」
男は片手に書類の様な物を持って言った。
「それじゃあ内訳を頼む。」
「それじゃあ言うぜ。ブラックベアー3体の内1体は真っ二つで残り2体は状態良しで計金貸190枚、ロックバード100体全て状態最上で金貨430枚、オーク214体状態はまぁぼちぼちで金貨12枚、オークウィッチ47体状態はオーク同様ぼちぼちで金貨20枚、オークキング4体の内1体は何故か輪切り状態で残りは状態最上で計金貨210枚。」
「計、金貨、862枚だ……」
男が途切れ途切れの息で言い切った。
「おいおい、この額って小さな街の予算並だろ……」
へぇ、小さなとは言え、街の予算並の額を出せるって流石大国の冒険者ギルドだな。
「まぁ、ロックバードが100匹、しかもこんな最上の状態であるんだ。これくらいは当然だろ。」
そう言う男の目の前にはまるで今にも飛び出しそうなロックバードの死骸があった。
「全くどうすればこんな綺麗にロックバードを討伐出来るのか……。」
レフィアは関心か呆れかよく分からない声を出した。
「別に状態がよけらぁ、んなことどうでもいいだろぅ。」
「はぁー。それもそうだな。」
あ、良いんだ。
「それより売却金だ。」
男はそう言うと袋に入った売却金を甲野の前に置いた。
「…………確かに。」
甲野は袋に入った金額を確認すると《無限収納》に入れた。
「ところでこの辺で飯の美味い宿を知らないか?」
「飯の美味い宿か、それなら《金麦の宴》が良いぞ。少し宿賃は高いがな。」
金麦ってビールかよ。それより金麦の宴か。えーと、あぁここか。
「そうか。」
甲野がギルドを出ようとするとレフィアが甲野を引き止めた。
「コーノ。おぬしに指名依頼をする。」
レフィアが甲野に指名依頼をした。
「指名依頼ねぇ。どんな依頼だ?」
「冒険者ギルドの試験官をやってもらいたい。」
「試験官って言う事は冒険者になるのに試験があるのか。」
エルヴィン国では無かったが……。
「国によっては試験が無い所もあるが、ほとんどの国には試験がある。その時の試験官は冒険者に依頼をして行う。」
「そういう事か。試験日はいつだ?それと合格の有無は俺が決めて良いのか?」
「試験日は明日の昼前で、合格の有無は試験官の冒険者に任しておる。」
なんだかハンター×2みたいで楽しそうだな。
「わかった。それじゃあまた明日の昼に。」
甲野はそう言うと金麦の宴に行くためにギルドを後にした。
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「ここに泊まりたいんだが?」
「ガッハッハッ、なら1泊銀貨4枚だ!」
なんだか熊みたいなオッサンだな。
「ならとりあえず3泊頼む。」
甲野はオッサンに3泊分の宿賃、金貨1枚と銀貨2枚を渡した。
「おう!確かに!」
「メシは食うか!?」
「あぁ。」
「それならすぐ持っていくからその辺で待っとけ!」
しかし、大きな声だな。
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「ほれワイルドファングの臓物煮だ!」
ほう、所謂モツ煮か。
それじゃあ。
「いただきます。」
お、美味いな。色んな内臓が入ってて一度に色々な味を楽しめる。
元々モツ煮は秋田県で「なんこ鍋」と呼ばれて鉱夫達の食事が北海道に渡り、北海道の郷土料理として残ったが、今では、地域によっては色んな材料や味噌の違いもあって、名前も違う所がある。
だが、この世界に味噌は無いけど、このモツ煮は代わりに臓物や肉の出汁がかなり出ていて、この独特な味がまた美味い。
それに野菜の出汁も出ていて思いのほか脂っこくない。
「ご馳走様でした。」
ふう、美味かった。
「お、口にあったか?」
と、そこにオッサンが現れた。
「あぁ美味かったぞ。」
「そうか!この臓物煮はこの国の名物なんだが時々、口に合わなかったと騒ぐ奴がいるんだ。」
「俺の国にはこれと似た物があるからな。しかしこれは俺の国にあった物より美味いぞ。」
「ガッハッハッ!嬉しい事言ってくれるな!」
甲野の言葉が嬉しかったらしく、オッサンが大声で笑った。
「流石高級宿、部屋が広いな。」
甲野は宿の自分の部屋に入りそう言うと、ベッドに飛び込んだ。
「お、ふかふかだ。」
んー、ふわふわ。しかも身体が沈み過ぎず丁度いい。
「それにしても結構金が貯まったな。」
えーと、全部で大体、枚と金貨940枚、銀貨2枚、銅貨9枚か。円で表すと940万2900円か。向こうじゃあ、こんな貯金なんて無理だったな。
あ、そうだ!明日《図書館》に行こう。ふふふ、上手くいけば魔導書も作れるぞ!
その後しばらく、甲野は《図書館》の設計に思いを馳せていた。
「お疲れの所すみません、報告したい事が。」
甲野がウトウトし始めた頃、突如ザガンが現れた。
「……ん?なんだ?」
「テルス達が明日の朝、《図書館》に向かう様です。」
へぇ、丁度いい。
「そうか。そう言えばあの手紙の最後はどうなった?」
「ラザスがテルス達の凱旋パレードを大々的に行いました。」
凱旋パレードか。そう来たか〜。それはそうと……
「見たかったなぁー。あの4人の顔。凄い顔してただろ?」
「はい。中々の悲壮感が漂っていました。」
「それは余計見たい。」
「それはそうと、テルスに伝言を頼みたい。」
「はっ!何でしょう!」
「"明日の昼頃《図書館》で面白い物を見せてやる"って伝えてくれ。」
「はっ!分かりました!」
「それでは。」
ザガンはそう言うとその場から姿を消した!
「ふぁー、さて寝るか。」
甲野は部屋の蝋燭を全て消し就寝した。
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おまけ【同時刻 エルヴィン国領主の館 客間にて】
「ふぅ、いいお風呂だった!」
「しかし、まさか俺達が風呂に入れるとはな。」
「全くだぜ、コーノに感謝しなきゃな。」
「だが、アイツのお陰で凱旋パレードなんてしなきゃいけない様になったのも事実だ。」
「あれは大変だったわね。しかもその後、全員Aランクに昇格よね。」
「まぁ、それは忘れて明日はコーノの図書館に行こう。」
「しかし、図書館ねぇ〜。」
「図書館と言ってもそこまでだろ。」
「何言ってるのよ!あのコーノよ!」
「あぁ、きっと凄い数だぞ。」
「そのコーノ様より伝言です。」
「「「!?」」」
「"明日の昼頃《図書館》で面白い物を見せてやる"との事です。」
そう言うとザガンは消えた。
「えーと……今のは……。」
「コーノの使いだろうな。」
「突然現れたよな?」
「それより、俺達が図書館に行くって知ってたな……。」
「まぁ、コーノなら驚く程でも無いわよ。」
「それもそうか。」
「そんな事より、面白い物ねぇ〜。」
「とりあえず、明日も早いし寝るか。」
「それもそうね。」
「そうだな。」
さぁ、なんやかんやありましたね。(適当)
ま、それはさておき明日も投稿予定です。(確定)
それでは(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪(次回)




