第29話 オーク集落 殲滅作戦開始 終了
さぁ、やって参りました異世界定番"オーク集落"
どんな殲滅劇に成るのでしょうか!?
それでは本編レッツゴー(σ・∀・)σアッチ 行け
「よし、アレだ。」
甲野達はオーク集落を囲む様に周りに潜んでいた。
「確かにオーク勢揃いだな。」
すぐそこにも10数匹もいるな。
「中には魔法を使うオークも確認されている。」
ゴーズが甲野にそう言った。
「ちっ、オークの変異種か。対1なら問題無いが、これだけの数のオークの中に居るとなるとそうも言えねぇしな。」
ゴーズの情報に誰かがそう言った。
「魔法を使うオークねぇ。ところで作戦はどうするんだ?」
俺なら1人で殲滅出来るが他はそうもいかないだろ。
「まずは、3、4人1組でオーク共を討伐していく。その時になるべくオークに見つからない様に気を付ける。」
成程。よく考えられているな。いきなり大勢で行くとオークに無駄な警戒心を抱かせる。それより、少人数で行った方が見つかる可能性も少ない。
てことは、その間に幾ら倒せるかが勝負になるな。
「それなら、まずは俺が”道”を作ろう。」
すると、甲野はゴーズにそう言った。
「……分かった。頼む。」
ゴーズは甲野の言った”道”を頼んだ。
「まかせろ。」
そう言うと甲野は気配を消した。
「……凄いな、気配どころか存在そのものを消した様にすら感じる。」
その場にいない甲野を見てゴーズはそう呟いた。
「さて、まずは1匹目。」
甲野は気配を消しながら自分から1番近いオークの喉をミスリル短剣で背後から突き刺した。
「ガァ?」
すると、オークは何が起こったかも分からない内に絶命した。
そして甲野はオークが倒れた際の振動で気づかれるのを防ぐ為に地面に倒れる前に無限収納にオークの死骸を収納した。
「ガァァァア?」
すると、隣に居た仲間のオークが突如どこかへ消えた様に見えたオークは困惑し周りを何度も見返した。
「2匹目。」
甲野はそんな困惑しているオークの眉間をミスリル短剣が貫いた。
「ガ?」
そして先程のオーク同様、何が起こったか分からず絶命し素早く無限収納に収納した。
「3匹目。」
次に30mほど遠くにいるオークに向かって魔力を込めたミスリル短剣を投げた。
すると、その短剣はオークの足を掠めた。
その瞬間、オークが突然倒れ始めた。
ミスリル短剣には甲野が毒刃Lv10が付与されている。
その威力は、僅か0.0001㎖で人間の致死量に値する。
0.01gで龍族さえ殺せる威力である。
それを考えればオークが掠っただけで絶命するのも当然だ。
「よいしょ。」
そして、甲野はオークと投げたミスリル短剣を無限収納に収納した。
さて、次は道中で試したアレやって見るか。
そう言うと甲野は手に魔力を込め、指から細い、極細の繊維を出した。
"魔糸"
文字通り、魔力の糸だ。操作は術者の思うがまま。しかもその糸は術者以外には見えないと言う暗殺には持ってこいの物だ。
しかし、これは甲野が暇つぶし程度に試した技術だ。もし、甲野と同じ事をするものなら魔力操作Lv10は必要である。
「そして4匹目。」
甲野は魔糸をオークに向けて絡みつけた。
すると、あっという間にオークの輪切りが完成し絶命した。
凄い切れ味だな。昔、釣りの時に釣り糸で指を切った事があるから、魔力で同じ事が出来るかな?と思ったけど出来たな。
そんな事を思いながら甲野は残った近くのオーク達を同じ様に魔糸で骨ごと輪切りにした。
そして、地上に落ちる前に無限収納に収納した。
「……ゴーズさん。」
「……言いたいことは分かる。」
「俺Sランクの冒険者って言われても驚きませんよ。無限収納をあんな使い方する奴なんて見た事ありませんよ。」
「Dランクらしい。」
「Dランクでアレですか……。」
「ランクで能力は分からないって事だろ。それより行くぞ。」
「うぃす。」
「お、来たか。」
甲野は自分が居た草むらから、ゴーズ達が出てくるのを見て言った。
「"道"が出来たからな。」
そう言いながらゴーズは周りに指示を出した。
「それじゃあ俺は適当に狩ってくるわ。」
「ちょっと待ってくれ。どこかに新人の冒険者が捕らわれて居るはずだ。それと……」
ゴーズは甲野を止めながら言った。
「そいつらを助け出せば良いんだな。」
そう言い甲野は姿を消した。
「オークキングが……ってもう居ないのかよ。」
ゴーズは少し呆れながら言った。
「それより早く殺りましょう。」
そう言うと周りは各々の武器を構えだした。
「そうだな。それじゃあ行くぞ。」
そして、3、4人1組のパーティーが周りに散らばった。
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「16匹目」
甲野は魔糸でオークウィッチの首を切り取った。そして、オークウィッチを無限収納に収納した。
「流石にこれだけやると周りも騒がしくなって来たな。」
実際、オークに見つかる冒険者が増え、オーク達が警戒心を持ち始めた。
「ガァァァア!!」
すると急に仲間が消えだした事に恐怖を覚えたオークが虚勢の咆哮をあげた!
「うるさいな。あ、そうだ。」
そう言うと甲野は咆哮をあげているオークの手足に魔糸を絡みつけた。
「ガァァァア!?」
するとオークの手足が急に動かなくなった!
「そして強化魔法をっと。」
甲野はオークに絡みつけた魔糸から強化魔法を流した。
「ガ、ガァァァア!!!」
すると、オークが急激な強化に驚き咆哮をあげた!
そして、周りに居たオーク達を持っていた大剣で叩き切った!
「くっくっく、名付けて《操り人形》」
甲野の右手を良く見ているとオークの動きに合わせ……いや、オークがその手の動きに合わせていた。
甲野がやっている事をざっくり言うと、ワンピ〇ースのドフラミ〇ゴが人を操っている事をそのままやっているのだ。
操られているオークを周りのオークが殺そうとしているが、その刃は操り人形オークの皮膚には一切通ってない!
「無駄無駄、そのオークは俺の強化魔法で強化してるからな〜。」
甲野に強化されたオークの身体は、ドラゴンの鱗並の強度を持つ。
「さて、26匹目。」
甲野はオークを操りつつミスリル短剣の毒の斬撃で周りのオークを消滅させた。
「35匹目。」
そして、甲野はミスリル短剣に魔力を込め直径20cmの毒玉を出し、それを火球で蒸発させ毒霧を風魔法で周りのオーク達の顔に漂わせた!
その瞬間、オークの首から上は腐れ地面に落ちた!
「こいつも、もういいか。」
そう言うと甲野は操り人形のオークを骨ごと輪切りにした。
「さて、確か新人冒険者がどこかに居るばずなんだが……ここか。」
甲野はマップで新人冒険者が捕らわれている場所を見た。
「しかし、まだ誰もそこに行き着いて無いな……。」
多分、オークに苦戦してるんだな。
「それじゃあ行くか。」
「結構、オークが密集してるな〜。」
多分、人間を奪われない様にしてるみたいだけど俺には無駄だな。
「くっくっく《操り人形》」
甲野は新人冒険者が閉じ込められている小屋の近くにいる2匹のオークを操り始めた。
そして、2匹のオークを強化し、1匹を小屋の中へ、もう1匹を戦わせた!
「さーて、のんびりと行くか。」
そう言うと甲野は操り人形オークで近くのオークの顔面を叩き潰した!
「ガァァァア!?」
突然、仲間だった筈のオークに攻撃され困惑しつつも持っていた大剣で反撃した!
「ガァ!?」
しかし、攻撃虚しく大剣の刃が根元から折れた!
ろくな手入れをしていなかった事もあるが、それ以前に強化された皮膚には鉄の塊と言ってもいい程の駄作の大剣などポッキリと折ってしまう。
そして、困惑している間に操り人形オークが周りに10数体いるオークを斬撃で首を切り落とした!
余談だか、甲野はオーク以外にもオークが持っている大剣も強化している。その威力は勇者の使う聖剣に匹敵する。
ちなみに、甲野が持っている刀は聖剣など真っ二つに出来る。
そして、周りのオークを倒した操り人形オークは小屋の中に入った。
「やっぱりこう言うのはあまり時間を掛けず、あっさりとした方が良いな。」
甲野は《蜘蛛の巣》で寝っ転がりながら言った。
「ちょっとやめなさいよ!!」
すると、小屋の方から女の声が聞こえた。
「ナルミア!!くそっ、こいつ離せ!」
「もう無理よ。諦めなさいよ……。」
「いや、外が騒がしい。何か起こったんだろ……。」
そして中から怒号、絶望、推測、などの声が聞こえてきた。
「よし、4人とも無事か。」
甲野は相変わらず《蜘蛛の巣》でのんびりしながら言った。
「え?」
叫んでいた女がオークに降ろされた事に呆然とした。
「ナルミア、無事か!?」
そして残り3人も降ろされ、1人はナルミアと呼んでいた女性に近づき安否を確認。
「どう言うこと?私達を降ろした?」
もう1人は自分達を降ろしても何もしてこないオーク2人に考えを巡らした。
「そんな事よりすぐにここから逃げるぞ。」
最後の1人は冷静に物事を見極めて居た。
「怪我は無いな。」
すると、甲野は《蜘蛛の巣》から降り冒険者4人の側に降りた。
「誰よ!貴方!」
突然現れた甲野に向かってナルミアと呼ばれた女は甲野に杖を向けた。
「俺はお前らの救出を頼まれた者だ。」
そう言うと甲野は操り人形オーク2体を小間切れにした!
「ひっ!」
すると甲野に杖を向けていた女は突如、小間切れになったオークを見て腰を抜かした。
「な、なんだ今のは……。」
男はそれに唖然とした表情をした。
「今オークが突然細かくなっなんだけど?」
「そんな事より今の話は本当か?」
1番冷静な男が甲野に向かってそう言った。
「俺が嘘を付く理由が無い。それに周りの音を聞いてみろ。冒険者の怒号が聞こえるだろ。」
確かに甲野の言う通り周りはチラホラ冒険者の姿や怒号が飛び交っていた!
「……確かにな。」
「私も聞こえる。」
「あ、俺も聞こえた!」
腰を抜かしている女以外の他3人はそう言った。
「そんな事より早く移動した方が良くないか?」
甲野はそう4人に促した。
「それもそうだな。」
そう冷静男が言った。
「ま、待ちなさいよ!この近くにはアイツだっているかも……!」
「ガァァァァァァァアアアア!!!!!」
女の声を遮って、聞き覚えのある咆哮が甲野達を襲った!
「ひっ!」
「ちっ!」
「やっぱり居たわね!」
「こんな時に!」
「ん?あれは……。」
オークキングか。懐かしいな。
「コーノ!!!」
すると、少し遠くの方からゴーズの声が聞こえてきた!
「えっ!あの人は!」
「マジか!」
「ゴーズさんね!」
「だが……。」
この4人、ゴーズの事知ってるのか。それにこの様子を見た所、ゴーズは結構有名なんだな。
「オークキングは頼んだぞ!」
ゴーズはそう言うとすぐに、自分に迫ってくるオークを倒し始めた!
「オークキングは久しぶりだな。」
甲野はそう言うと刀を抜いた。
その様子に4人とも甲野を祈る様に見ていた。
「ガァァァア!!!」
そしてオークキングは甲野に大剣を振り下ろした!
「相変わらず遅いな。」
そう言うと甲野は大剣に当たる前にオークキングの眉間を貫いた!
「「「!?」」」
「……」
「ま、こんなものか。」
甲野は刀に付いた血を振り払い鞘に収めた。
「な、なによ!今の!」
「何者だよ……。」
「す、凄いわね・・。」
「凄いなんてもんじゃ無いな・・。」
4人それぞれの反応をしている中、ゴーズが叫んだ!
「コーノ!オークキングは1体じゃない!」
「「「ガァァァァァアアア!!!!」」」
「「「「なっ!?」」」」
突如、3匹のオークキングが現れ一斉に怒りの咆哮をあげた!
「「「「ッ!!」」」」
すると、新人冒険者4人が突然気絶した。
「なんだ、こいつら。突然気絶して?あぁ、咆哮のせいか。そう言えばオークキングのスキルで咆哮があったな。」
甲野はそんな事を言いながら4人を魔糸で4人を《蜘蛛の巣》に飛ばした。
「それよりオークキング3匹か。」
甲野はオークキングを見ながら言った。
「手伝おうか!?」
ゴーズは何故か少し笑いながら言った。
「問題無い。アイツら心配して言ったんだろ。」
「当たり前だ!それより残り3匹も頼んだぞ!」
そう言うとゴーズは周りの冒険者の援護に行った!
「「「ガァァァァァアアア!!!!」」」
そしてオークキングはそんな甲野に苛立ったのか甲野を囲む様に3方に陣取り迫ってきた!
「へぇ、他の奴らとは違って少しは脳があるみたいだな。」
そう言うと甲野は刀に手を掛け構えた!
「「「「ガァァ!!!!」」」」
そしてオークキングは3方から同時に大剣を振り下ろそうとしたその刹那!
「「「ッ─────────────!!!!」」」
甲野を中心とした空間そのものがこの世とは思えない程の、まるで魔王1000人に囲まれている様な錯覚に陥る程の空気になった!
「ま、こんなものだろ。」
すると甲野はそのまま構えを解いた。
そして次の瞬間3匹のオークキングが倒れ始めた!
よく見るとオークキング全ての眉間に向こうの景色が見える穴があった。
「さて残党狩りと行くか。」
甲野はオークキングの死骸を無限収納に収納しながら言った。
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「オーク集落殲滅作戦終了!!!」
ゴーズは拡声の魔道具で作戦の成功を伝えた。
「「「「「「「「「ウォォォォ!!!!!」」」」」」」」」
そして冒険者達は成功を喜び、歓声をあげた!
「怪我人、死人はいるか!?」
カーリーは周りにそう訊いた。
「怪我人は少し出たが死んだ奴はいねぇぞ!」
すると、そう誰かが言った。
「ところでこいつらどうする?」
甲野は新人冒険者4人を見ながら言った。
「そうだな。出来ればコーノの馬車で運んで欲しいんだが、そうまではさせられないし。」
「それに、いち早く街に戻ってオーク集落の殲滅も知らせたいしな。」
ゴーズはそう言った。
「しかし、このオークの死骸を冒険者ギルドに見せなくても良いのか?」
甲野はゴーズにそう言った。
「あぁ、この中には無限収納を使える奴が居るからな。そいつらに運ばせるが、それでも半分程だろうな。」
「ま、残り半分はコーノに頼んだ。それに、さっき言った通り、早く街に戻ってオーク集落殲滅を知らせたいしな。」
「そういう事なら、俺に方法があるぞ。」
「なに?それは本当か?」
ゴーズは驚きそう言った。
「あぁ、キマリス。」
甲野はキマリスを呼んだ。
「はっ!」
すると、いつも通り甲野の目の前に現れた。
「……使い魔か。」
ゴーズはキマリスを甲野の使い魔だと見抜いた。
「使い魔ですか?俺には人間にしか見えませんが?」
カーリーがそう言った。
「カーリー、俺もそうだが、あまり冒険者同士、特にコーノには詮索無用だ。」
ゴーズは声に重みを加えて言った。
「ですね。」
カーリーはそう言いながら頷いた。
「ここに居る全員をクルス国に転移させる事は可能か?」
「もちろん可能です。」
「それじゃあ頼む。」
「はっ!それでは皆さんこちらへ。」
そうキマリスが言うと冒険者達はキマリスへ近づいた。
「転移って、時空魔法の類だろ。」
「そんな伝説級の魔法なんて御伽話でしか見た事無いぜ。」
「まぁ、コーノさんの知り合いみたいだからな。それぐらい出来るんじゃね?」
「あぁ、それもそうか。」
どこかで聞いた事がある会話を冒険者達がしながら全員がキマリスに近づいた。
「それではコーノ様、送って参ります。」
「あぁ、頼む。俺は馬車で飛んで行くから送ったらそのまま、好きにして構わん。」
「はっ!それでは。」
キマリスはそう言うと、全員を転移させた。
さて、俺も行くか。
なんと、甲野はオーク達をミスリル短剣であっという間に3体倒し、魔糸で骨ごと輪切りに!
さらに、魔糸を使って"マリオネット"でオークを操り倒させると言う魔王以上の非道!
そして、オークキング3体を0.2秒で倒した甲野!
最早その力は魔王所か魔神以上!
さーてそんな今回に引き続き次回は〜「クルス国到着 冒険者ギルドにて・・・」でお送りしまーす




