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主人公がチート過ぎてヤバイ件  作者: 冬影 蒼井
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第2話 ギルドといえば……

いよいよやって参りましたギルド!

果たして甲野は無事冒険者登録を済ます事が出来るのでしょうか!?

ん?何だって、それはフラグ?

ナ、ナニヲイッテルカワカラナイナ〜(棒)

それでは本編レッツゴー٩(ˊᗜˋ*)و

「なんというかザ・ギルドって感じだな。」


 甲野がこの国、エルヴィスに来てまず最初に来たのはもちろんギルドだ。それも看板が剣と槍が重なった看板なだけに、とてもギルドらしいギルドだった。


「とりあえず入るか。」



「どういうご要件でしょうか?」


 結構、美人な受付嬢だな。あっちにいたら、間違いなく二三度は振り返るだろうな。


「冒険者登録をしたいん「ぎゃはははは、なんだ小僧おめぇみたいのがなれるわけがねぇじゃねぇか!」


 ………忘れてた。ギルド=絡まれるというこの方程式を。こういうタイプは誰だろうと見境無く絡んでくる奴だな。よく本でこういうシーンは見た事あるけど、実際見にすると面倒臭いな。


「餓鬼はさっさとお母ちゃんのお乳でも、しゃぶってろ!」

「はっはっは、そらぁいい!」

「おーい、ここは子供の来る所じゃねぇよ。」


 面倒臭いから無視決定。


「冒険者登録を頼む。」


「おい!この俺を無視か!」

「すまん、訳の分からない醜い、阿呆な酔っ払いゴブリンは無視してくれ。」

「プッ。」


 あ、笑った。結構可愛いな。


「〜〜ッ!!誰がゴブリンだ小僧!!!!」


 あ、本音が出てたか。ま、いっか。


「なんだ、事実を言ってなにが悪い?というより、見た目からして、ゴブリンよりゴブリンらしいな。」

「て、てめぇ!その減らず口、一生出来ねぇようにしてやる!!!」


 ゴブリンよりゴブリンらしい男は、持っていた巨大な斧を片手で振り回しながらかかってきた。


「おい、俺にも置いといてくれよ。」

「俺もだぞ、こっちは依頼ミスってイラついてるだから。」


 そんな身勝手な事を周りが言っている中、オークよりオークらしい男は斧をもって迫って来ていた。


「死ね!!」

「断る。」


 しかし、そんな攻撃虚しく、足を引っ掛けられ体勢が崩れた隙に甲野に手首を掴まれるのだった。ゴブリンよりゴブリンらしい男は掴まれた手を外そうとするが、甲野はこのゴブリンよりゴブリンらしい男の桁違いのステータスなのだから当然の事である。

 そもそもこの国には甲野を倒せる存在はいない。


「なっ!貴様離せ!」

「いや、離せと言われて離す奴はいないだろ。」


 当然だ。


「やかましい!!」


 いや、お前が1番やかましい。そう思った甲野だったが、言ったところで、こういったタイプの奴は何を言っても話を聞かないと知っているため、言うことは無かった。

 しかし、一言だけ。


「煩い。」


 そう言って、甲野は男の手首をいとも簡単に手で握り潰した。粉々に。そう、それはまるで、すり胡麻の様に。


「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 男は、手首を砕かれた痛みで転げ回る。もちろんこの男は手首を粉々に砕かれる経験などしていないのだからそれは、文字通り想像を絶する痛みだろう。

 と言うより、いくら危険を伴う事が多い冒険者でも普通、手首を粉々に砕かれると言う経験などはまずしない。


「だから、ドタドタ煩い。」


 そして甲野は次に、両足を砕いた。勿論、手首同様すり胡麻の様に。


「ガァァァァァァァァァァ!!」

「うわっ、やっぱりゴブリンみたいだな。」

「お、お前!!こ、こんな事をして唯で済むと思うなよ!!!」

「その状態で何を言っているんだ?て言うか、そもそもお前から仕掛けて来といて何を調子のいい事を言っている?適当に対処しようと思ったがどうせその怪我が治ったらまた、かかって来るんだろ?それは面倒だからここで消しとくか?」


 甲野は手の指を鳴らしながら言った。


 そんな事をさらっと言う甲野に野次を飛ばしていた周りは「コイツは本気だ。」と甲野に恐怖した。


「その辺でやめてくれんか?」


 と、そこへ甲野を止める者がいた。


「ん?なんだあんた?」


 見た目は、60前後、白髪でそれなりの歳と、分かるがその目は歴戦の戦士を連想させるのだった。


「ここのギルド長じゃよ。」

「ふぅーん、んでギルド長さんが何でわざわざこんな所に?」

「あんた、その男を殺すつもりじゃろ?」

「まぁ、あっちが先に殺りに来たんだから当然だろ。」

「それもそうじゃが、この街では冒険者が少ないもんでな、その中で冒険者が更に減ったら、死活問題になるのじゃよ。」


 たしかに、ここエルヴィスは他国と比べ辺境の地なだけにわざわざ来る冒険者など珍しい。しかも、この国では、これといった目立った産業が無いため冒険者が討伐する魔物などが国の主な収入源なのだ。その中で冒険者が減ると、ギルド長が言った通り死活問題になりかねない。

 だが……


「そんな事俺はしらん。それに、俺を殺しに来たんだから当然殺される可能性も考慮してかかって来たんだろ。」


 当然、甲野からしたら、そんな相手側の事情など知る由もないので気にすることなどはしない。


「ならば、金貨1枚で手を打たんか?」


 ……今はコイツを殺すより金を手に入れるのは重要だな。


「……3枚だ。それで手を打とう。」

「分かった。金貨3枚を用意しよう。」

「だが、その前に。」

「ん?」

「これらは、迷惑料で貰っておこう。」


 甲野が迷惑料と言ったのは男が使っていた斧と持っていた全財産の銀貨5枚だった。


「まぁ、命の代わりとしては破格の値段じゃな。」


 ギルド長はこれに同意した。それもそうだろう。本来殺されるはずだったのが、金貨3枚と銀貨5枚、そして持っていた斧一つ、それだけで助かるのだから。


「それじゃあ、冒険者登録を頼む。」

「は、はい。」


 受付嬢は呆然としながらも何とか立て直し登録を始めた。




 冒険者登録は簡単な書類に記入するだけで特に何事も無く登録は済んだ。ギルドカードの表記はこうなっている。



【名前】コーノ

【種族】人間


【冒険者ランク】F



 ギルドカードには、ステータスやスキルなどは出ることはない。所謂(いわゆる)《簡易ステータス》と言う物しか表示されない。まぁ、冒険者にとって自分のステータスやスキルを相手に見せてしまうのは自分の死を意味するので当然と言えば当然なのだが。

 しかし、甲野の場合は甲野のステータスを見られて、殺されると言うよりも、貴族や教会が持てるだけと権力を使って、自分の物にしようとする可能性がある。

 それに、先程も言ったがこの国には甲野を倒せる者はいない。居たとしても、それこそSランクレベルの冒険者でないと倒す事など出来ない。


 ちなみに、名前には、名字しか記入していない。


 何故かと言うと、この世界ではどの国の人族も貴族や王族のみに姓名が、あるため後々、面倒なことにならない為の保険だ。


 閑話休題。


 ギルドの内容としては、まずF~Sの7種類のランクがあり、基準としては大体、以下の通りになる。


 F 新人

 E 半人前

 D 1人前

 C 熟練者

 B プロ

 A 一流

 S 勇者


 更に村、街、国の冒険者ギルドには、最低限の共通規則(ルール)があり、以下の通りになる。


 1、依頼は自分の(どう)ランク以下から一つ上のランクまで受注可能。


 2、依頼失敗にはペナルティが有り、依頼を5つ連続で失敗すると例外無く冒険者ランクが一つ引き下げられる。依頼によっては失敗すると即座にランクの引き下げもある。


 3、Cランク以上の冒険者は緊急クエストの際に強制招集をかける。それを無視した場合、冒険者登録がリセット又は抹消される。


 4、ギルド内の争いは、一部の例外を除いて冒険者ギルドは干渉しない。しかし、ギルド職員に危害を加えた場合は、冒険者登録を抹消、さらに永久にギルド登録が出来なくなる。


 という内容だった。


 まぁ、想像通りの内容だな。ラノベとかよく読んでたからな。それより……。


「この辺でオススメの宿屋って何処かあるか?」

「そうですね、この辺でしたら《赤屋根の宿屋》がオススメですよ。」


 赤屋根の宿屋って確か門番も言ってたな。


「そうか、分かった。助かる。」


 そうして甲野は《赤屋根の宿屋》を探しにギルドを後にするのだった。


 ◇ ◇ ◇


「どう思う?」


 甲野が去った後すぐにギルドで緊急会議が行われた。発案者はギルド長だった。


「とりあえず、言えるのは期待の新人って事くらいだな。」


 そう言ったのは、ギルド員の幹部だ。


「そうですね、しかもコーノさんに絡んで来たのは、Cランクですからね。荒くれ者には違いありませんが、それでも実力は本物ですからね、それにあれほどの重症を負わせるほどでしたからね。」


 甲野の冒険者登録を担当した受付嬢の言う通り、Cランクと言えば冒険者の中でも上位に入るのレベルだ

 それを、新人が手も足も出ないまでに、重症を負わすのは、本来は不可能とされているのだ。


「しかも、そのまま殺そうとしてたからな。」

「あれは本気じゃったな。」


 甲野の様子を思い出しておもわず身震いするギルド長だった。実はこのギルド長、甲野に普通に話しかけているように見えて、内心では殺されないか不安でしょうがなかったのだ。まぁ、甲野自身、自分に何か危害を加えなければ特に何も手を出したりしないのだが……


「しかも普通は魔物なり人なりを殺す時には、多少なりとも殺気が出るものだが、あいつはその辺の虫を潰すかの如く言ってたからな。」

「あれは、やばかったのぅ。」

「まぁ、どっちにしろゴルバの奴はもう、一生冒険者家業を出来ねぇだろな。」


 ゴルバとは、甲野が言っていたゴブリンよりゴブリンらしい男の名前だ。この国には、辺境なだけあって治療士が他国に比べてとても少ない。

 さらに、この国の治療士自体の質も低く骨折は何とか直せても、ゴルバの様に左手首と両足の粉々になった骨まではこの国には完全に直せる者はいない。それこそ王都に行かなければ、一生治る事はない。


「まぁ、それは自業自得でしょう。」

「だな、相手の実力を測り間違えて返り討ちにあっただけだしな。それに、ゴルバの野郎やられたおかげで期待の新人も見つけれたからな。」

「まぁ、それはまた今度話すとして今日はこれ位にしておきましょう。」


 そう締めっくた受付嬢だった。


「じゃな。」


 その一言で会議は終了した。


 ◇ ◇ ◇


「ここだな。」


 目の前には、受付嬢から紹介された宿屋があった。

 あっち(地球)の建物で例えるならば、山奥の民宿の様な外観だ。


「外観も良いし、後は金額しだいだな。」


 そう言って甲野は中へ入っていく。



「泊まりかい!」


 威勢のある女将。それが第一印象だ。地球では、こんな女将はいないので甲野は中々新鮮な気持ちだった。


「1泊いくらだ?」

「朝と晩の飯付きで合わせて銅貨8枚だよ。」


 つまり、日本円で800円か。かなり安いな。


「なら、5泊頼む。」


 そう言って甲野は銀貨4枚を出した。


「あいよ!飯は食べるかい?」

「あぁ。」

「なら、そこのテーブルで待っててよ!」


 そう言われ甲野は近くのテーブルで大人しく異世界初の飯を待つ。


 ◇ ◇ ◇


「はい、お待ち!オークのステーキだよ!」


 ……予想はしてたけど、やっぱりオークか


 見た目は何の変哲もない普通のステーキ。豚のステーキと言われても信じる。もちろん、こっちの人も普通に食べている。


 まぁ、オークって只の二足歩行の豚だから、味も豚だよな。

 甲野は自分の心の中で整理し、手を合わせた。


「いただきます。」


 甲野はナイフとフォークでステーキを切り一口食べた。


「ッ!……うっま!!」

 何だこれ!めっちゃうめぇ!オークってこんな美味いのかよ!よく、グルメ番組で「肉が口の中で溶ける。」って言ってたけど、ほんとに溶けた!

 地球(あっち)だったら、絶対A5級以上だろ!

 こんな、美味い飯込で1泊銅貨8枚は安い!

 あーこれに、米があったら最高だろうなー!あー米が欲しい!!よし!いつか絶対手に入れる!



「はぁー。美味かった。」


 まさか、オークの肉がこんなに美味いとはな。そう思いながら、甲野は食器を戻し、自分の部屋へと向かった。



「……うん、普通の部屋だ。」


 簡易的なベットがあり、クローゼットの様な物、壁には2、3個の蝋燭があるだけの部屋だ。


「ま、銅貨8枚でこれなら、充分過ぎるくらいだな。」


 そんな事を言いながら甲野は今日の出来事を振り返った。


 そう言えば、あの時は気にしなかったけど、俺、人に対して殺す事に罪悪感とか無いんだな。ギルド長が止めなかったら、本気で殺ってたからな。ま、どうでもいい罪悪感とかを気にして自分の身を危険に晒すよりはマシか。ところで、全属性魔法のスキルを創ったのは良いけど、どうやって魔法って使うのかな?


 実は甲野はスキルを創りながらこの国へと向かったのは良いが、スキル創りに集中し過ぎて魔法の使い方を確認していなかったのだ。


「ん~、火球(ファイアーボール)。」


 甲野は手のひらを広げ適当な呪文を唱えた。

 しかし、何も変化は起きなかった。


「あれ?じゃあ、これはどうだ?火球(ファイアーボール)。」


 すると、今度は手のひらから、直径30センチほど火の玉が出てきた。


「お、やっぱり。ちゃんとイメージすればいけるのか。だったら、次は水球(ウォーターボール)。」


 甲野は火球(ファイアーボール)と同じ大きさの水の玉を手のひらに出した。


「お~、なんか感動するな~やっぱ、魔法が使えると異世界に来たな〜って実感するな!ま、今日はここまでにして寝るか。」


 そう言い、甲野は蝋燭の火を消し寝る準備をし始めた。


「おやすみなさい。」


 そう言い、目を閉じる。

さて、ギルドでは一悶着あったものの無事冒険者登録を済ます事が出来ました。

さらに魔法を使える事が発覚。

果たして甲野は魔法を使いこなす事が出来るのでしょうか!?

次回に乞うご期待です。

それでは(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪

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