第25話 ハユダ村へ到着
どうも最近、前書き 後書きが面倒になってきている作者です(´>∀<`)ゝテヘッ
なので、次回から両方、簡潔に書きます!
さて、今回は討伐した盗賊頭を連れて村への到着です!
そして、珍しく今回、ほのぼのとした会話が続きます( *´ω`* )ホーノボーノ
それでは本編レッツゴー(σ・∀・)σアッチ 行け
「ブエル、2人の様子は?」
馬車に乗った甲野は最初に助けた2人が起きているか訊いた。
「まだ、起きとらんよ。」ズズー
「そうか。」
「おい、早く乗れ。」
甲野はガルボ達にそう言った。
「あ、あぁ、わかった。」
そう言うと、ガルボは女子供から乗せていった。
「コーノ様。なんじゃこの輩は?」
「あの盗賊共に捕まってた人達だ。」
「なるほどのう。」ズズー
「ところで、御者はカナルに任しますかのぅ?」
「いや、俺がやる。」
「なら儂は馬車の護衛でもしとるわい。」
「あぁ、頼む。」
「ところで、あいつは何処にいる?消したか?」
よく見ると、姿が無いもんな。別に消してても問題は無いけどな。
「あやつなら、儂の魔法で閉じ込めておるよ。」
「そうか。」
「ねぇ、ぼうけんしゃさん!」
甲野がブエルと話していると、突然ルミが甲野に話し掛けて来た。
「ん?なんだ?」
甲野は御者席で御者の準備をしながら言った。
「ぼうけんしゃさんのなまえをおしえて。」
ん?そう言えば、言って無かったか。
「俺の名前は甲野だ。」
「じゃあ、こっちのおじちゃんは?」
ルミはブエルの方を見て、そう言った。
「ぷっ。くっくっく不死王が、おじちゃんか。」
甲野は、ルミの言動に小さな声で思わず笑った。
「子供から見たらおじちゃんで充分じゃわい。」
「嬢ちゃん、儂はブエルじゃよ。」
「じょうちゃんじゃないもん!ルミだもん!」
すると、ブエルが嬢ちゃんと言ったのが気に入らなかったのか、嬢ちゃん発言に反発した。
「おっと、それは、すまんのう。ルミちゃんや。」
そう言うと、ルミの頭を撫でた。
「えへへへ。」
「……ブエル、お前、子供大好きだろ。」
昔、近所にいたな〜。会うと必ず飴玉くれるおじちゃんが。
「ほっほっほ、確かに可愛い子供は大好きじゃよ。」
ブエルは、そう笑ながら言った。
余談だが、本来、不死王級の相手にルミの様な発言をすると、容赦無く消される。
しかも、ルミの目の前にいる不死王は甲野の《名付け》を受け、魔王以上の力を得た魔族。
その力は、勇者10人を一度に相手にしても、瞬殺出来る程の力。甲野に命令されれば、王都を地獄と化すことなど造作もない。
「コーノ、全員、乗り終えたぞ。」
と、そこへ全員乗り終えた事をガルボが甲野に報告した。
「ただ、あの様に礼儀のなって無い大人は嫌いじゃな。」
ブエルはルミを抱え、自分の膝の上に置きながら言った。
「そう言えば、ザガンも、俺にタメ口で言ってきた奴を睨んでたな。」
「ザガン様はコーノ様に絶対の忠誠を誓っておるからのぅ。主に無礼を働く者は容赦無く殺るからのぅ。」
「まぁ、儂もじゃがのぅ。」
「そうか。」
「ま、それはさておき行くか。」
甲野はそう言うと、一角獣の手綱を取った。
「コーノ、あの2人がまだ来て無いんだが?」
ガルボがそう言った、2人とはザガンとキマリスの事だ。
「あの2人なら問題無い。」
「それより、馬車を動かすから適当な場所へ掴まれ。」
「ヤッコは儂の方に近づくのじゃ。」
「は、はい!」
ヤッコは言われた通りブエルに近づいた。
「『飛べ!』」
甲野は全員が何かに掴んだのを確認し、いつも通り一角獣の声でそう言った。
「「ヒヒーン!!」」
一角獣達はそれに同意する様に吠え、飛んだ!
「「「「「「「はっ?」」」」」」」
「わぁー!すごい!」
ルミは感激し、他7人は呆然とした。
「ルミ、村はどっちの方にある?」
甲野は、御者をしながらルミに村のある方を訊いた。
「えっとね、あの森があそこだから、えーと、あっち!」
ルミがそう指差した方角を見ると、そこには森が広がっていた。
「よく分かるな。」
俺が見ても何がどうやら全く分からん。
「えへへへ。よくヤッコともりのなかであそんでたから、わかるんだよ!」
ルミは、甲野に褒められ嬉しそうに言った。
「ルミ。この前もそれで盗賊に捕まったんだから、もう駄目だよ。」
「えぇーだってー。」
「いやいやいや!それよりも!」
甲野達がそんな、ほのぼのとする会話をしていると、いち早く復帰した男が甲野にツッコミを入れた。
「ん?どうした?」
どっか頭でも打ったか?
「一角獣は兎も角、なんで馬車ごと浮くんだよ!?」
「そんでもって、なんでヤッコは、そんな冷静なんだよ!?」
「別に。僕達を盗賊から助けてくれた人の事を詮索する様な事はしません。」
「それより、このお茶、美味しいですね。」ズズー
「わたしものむ!」
「ほっほっほ、どうぞ。」
ブエルはルミに少し、温くしたお茶を渡した。
「ヤッコや、それが良い。それが長生きする秘訣じゃよ。」
「じゃが、お主はまだ子供じゃ。そんな事は気にせず、気になった事は訊いても構わんぞ?」
ブエルは甲野の方を見ながら言った。
「あぁ、その通りだ。子供は子供らしく、好奇心をもって行動した方がいい。」
甲野は御者をしながら言った。
「……はい。」
「はぁー。確かにヤッコの言う通りだな。」
「そう言えば、自己紹介がまだだったな。」
「俺は、カガチだ。今、向かっている村に住んでいる。偶然とはいえ、盗賊共から俺達をを助け出してくれて、感謝する!」
「別に構わん。元はと言えば、たまたま助けた子供2人が原因だからな。」
そう言うと、甲野はブエルのすぐ側で寝ている2人の方を指でさしながら言った。
「あ!カーナちゃんとアクルくんだ!」
甲野が指差した方を見たルミがそう言った。
「「なに!?」」
すると、ガルボとカガチがルミの言った名前に驚愕の声を出した。
「「五月蝿い」」
そう言うと、甲野はミスリル短剣をガルボに、ブエルは闇魔法の《闇刃》をナイフ型にした物をカガチに強烈な殺気を込めて投げた。
「「2人が起きるだろ。」」
「「す、すみません……。」」
こ、怖ぇぇぇぇ!
コーノの旦那とブエルさんの方が盗賊なんかより、何十倍も怖い!
次は絶対、子供が寝てる前で大声出さないでおこう!
よく見ると、2人の頬が引き攣っていた。
「それで、ルミちゃんや。あの2人は知り合いかのぅ?」
ブエルは《闇刃》を消しながら言った。
「うん!よくあそんでたむらのともだちなの!」
「ほっほっほ、そうか。実はのぅ、この2人は村の外でみつけたんじゃが、どうして村の外に居たか分かるかのぅ?」
「うーん、わかんない。」
ルミは首を傾げて言った。
「そうか。まぁ、起きたら訊くか。」
「そうじゃのう。」ズズー
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「さて、そろそろ村に着くな。」
「わぁーほんとだ!」
「早いですね。まぁ、飛んでたら当然ですか。」
「なんだか、コーノの旦那に毒されたのか、あんまり驚きが少ないな。」
「あぁ、俺もだ。」
そろそろ、降りた方がいいか。
「『そのまま、ゆっくりと降下だ。』」
甲野は一角獣語で降下を命令した。
「「ヒヒーン!!」」
一角獣達は、そのままゆっくりと、進みながら降下して言った。
「そして、何故、コーノの旦那が一角獣の言葉を喋ってるかも、気にならなくなって来たな。」
「あぁ、ほんとだな。」
「そんな事気にしても仕方が無いわよ。」
「そうそう。私達を助けてくれた人。これで良いじゃない。」
「「それもそうだな。」」
と、カガチ達が甲野に散々言っていた。
「ほっほっほ、これは流石にコーノ様を庇いきれんわい。」
ブエルは、そんなカガチ達の会話を聞いてそう言った。
「……俺の悪口言い過ぎじゃね?」
堪らず、甲野は苦言を呈した。
「いやいや、これくらい序の口じゃよ。」
ブエルは、そう笑ながら言った。
「マジか?ブエルさん?」
すると、その言葉に気になったのかカガチがブエルに話し掛けて来た。
「マジじゃよ。話せはせんがな。」ズズー
「すげぇな。コーノの旦那。」
「そんな話はいいから、もう着くぞ」
甲野はそう言うと、馬車を地面に着陸させ、そのまま村の中へ進ませた。
「ルミちゃんや。この村は何という名前なのじゃ?」
ブエルはルミに村の名前を訊いた。
そう言えば、村の名前、知らなかったな。
「えーとね、ハユダむらだよ!」
甲野は異世界人生初めての村、ハユダ村へ到着した。
さて、いよいよハユダ村へ到着した甲野一行!
ようやく、村人たちは家族への再開を果たしますが、甲野に対しては、作者の私はそうは行かしません!
それでは次回は『村人生還&宴 そして1名地獄行き』でお送りしまーす!




