第22話 異世界初の野営
さぁ、前回は一角獣が甲野に忠誠を誓い終了しました!( ゜ー゜)ウ ( 。_。)ン
そして、今回、昼寝から目を覚ました甲野は、一体何をするのでしょうか!?
乞うご期待(๑•̀ㅁ•́ฅ✧デス
あ、ちなみに、前話でステータスに”ゴーレム創造”のスキルが無かったのを気が付いた人もいるかもしれませんが、そのスキルは”召喚魔法”と結合されていますので、間違いではありません。
それでは、本編レッツゴー⊂('ω'⊂ )))Σ≡GO!!
「……ふぁーー。」
甲野はいつも通り背筋を伸ばしながら昼寝から起きた。
「ほっほっほ、起きたかい。」
「あぁ。」
「今、どの辺だ?」
「あの国を出て7時間と言った所じゃのう。」
「明日には、近くの村に着くわい。」
「そうか。」
「ふぁー、もういい時間だし、その辺で野営でもするか。」
「それはいいのう。」
「それなら、あそこの小さな湖がある所はどうじゃ?」
ブエルは地上に僅かに見える湖を指差した。
「そうだな。そこに行くか。」
「カルナ聞こえたな。」
ブエルは今夜の野営場所に行く様にカナルに命令した。
「ハッ。」
カナルは一角獣を巧みに扱い、最小限の振動で湖のすぐ側に馬車を降ろした。
「ブエル、そこの魔物がお前の使い魔か?」
「そうじゃよ。種族はエルダースケルトン。」
「使い魔の中でも特に優秀じゃよ。」
「そうか。」
「カナル、もう戻って良いぞ。」
ブエルはカナルに帰還許可を出した。
「ハッ。ブエル様のお役に立て光栄です。また、お呼びください。」
そう言うと、カナルは自分の影に吸い込まれる様に消えていった。
「そう言えば、ザガン達は?」
「あの2人なら、先程、野営場所を教えたら周り警備をすると言っておったよ。」
「真面目だな〜。」
「まぁ。儂も含め、あの2人はコーノ様の使い魔じゃからのう。主の周りの警戒は当然じゃわい。」
「その割にはブエルはのんびりとお茶を飲んでたな。」
甲野は魔法で簡単な椅子や調理台を作りながら言った。
「ほっほっほ、儂はコーノ様の護衛担当じゃからのう。」
「そう言えば、コーノ様が寝とる間に近付いてきたロックバード100匹ほど、狩ったわい。」
そう言うと、無限収納から1匹ロックバードを出した。
ドシンッ
「これは、デカいな。」
甲野はロックバードの死骸を《鑑定》で視た。
名前:ロックバード(死骸)
価値:傷なし 金貨4枚
詳細:ロックバードの死骸。空中からの風魔法などで攻撃してくる。一般的にはCランクの冒険者が3人がかりで対処する。
武器の切り口や魔法の焦げた跡なども無く状態は最上。毛皮は貴族向けの服に使われ、肉は高級品で酒場などで良く出される。
討伐ランクC
「ブエル、良くやった。これは高く売れる。」
「ほっほっほ、だが、一気に100匹売れば、価格が急落するかもしれんのう。」
「それもそうだな。それじゃあ、まず10匹ずつ売るか。」
「そうじゃのう。」
「《火球》」
甲野は拾い集めた木の枝に火を付けた。
パチパチパチ
「さて、準備も出来たし作るか。」
「まず、鍋に水をっと。」
「水球」
甲野は《水球》で鍋の8割に水を入れた。
「次は乾物屋で買った物を入れて。」
んー、どれを入れよう?これで、いっか。
「次に………………。」
△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽△▽
「うん。美味い。」
シチューもどきを作ってみたけど、思いのほかイケるな。
「これをパンに付けてっと。」
うん。やっぱり、パンをシチューに浸けると絶品だな!
「一緒に入れた干し肉もいい味が出て美味い。」
干し肉自体、味が凝縮されて美味いから、シチューもどきに入れて不味い訳がない。
「これを米に掛けて喰ったら美味いだろうな。」
向こうにいた時にCMでシチューオ〇ライスって出てたけど、俺ってその前から同じ事、やってたけど、それって俺だけかな?
ズズー
「うん。緑茶(仮)も美味い。」
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「ふぅ、ごちそうさまでした。」
「ふう、美味かった。」
「ほっほっほ、美味しそうに食べるのう。」 ズズー
ブエルは緑茶(仮)を飲みながら言った。
「思ったより上手くいったからな。」ズズー
「さて、まだ時間もあるし魔法の実験でもするか。」
「コーノ様も良くやるのう。」ズズー
「暇だし、魔法には興味あるからな。」
そう言うと甲野は地面に魔法陣を描き始めた。
「お、なにするんじゃ?」
ブエルは興味津々で見ていた。
「魔法陣で少し面白い事をな。」
甲野はそう言いながら、描いた魔法陣の中心に《氷針》と日本語で描いた。
「なんじゃ、この文字。見た事無いのう。」
ブエルは日本語をまじまじと見ていた。
「俺の故郷の言葉だ。《氷針》って書かいてある。」
そう言うと甲野は魔法陣から少し離れた。
「こんなのでいっか。」
そして、近くにあった小石を魔法陣に目掛けて投げた。
すると─────────
ズシュ!
魔法陣から《氷針》が発動したではありませんか!
「ほう、魔道チョークを無しでやるとは、流石じゃのう。」
「魔道チョーク?」
なんだそれ?
「魔道チョークとは、主に儀式魔法や錬金術の魔法陣を描く時に使われる魔道具の事じゃい。魔界にも、よくある。」
「へぇー。」
「時には、先程コーノ様がしたみたいに、地雷式の魔法陣を描く時に使うのじゃ。」
「と言っても、所詮魔道具じゃから、威力も弱いから使い道はあまり、無いじゃがのう。」
「そうなのか。結構便利と思うけどな。」
甲野はそう言うと、次の魔法陣を描き始めた。
そして、描いた魔法陣の中心に、これまた日本語で《白炎》と描いた。
「さてと。」
そして、先程同様、近くの小石をその魔法陣目掛けて投げた。
ジュッ!
すると、その魔法陣を描いた場所だけ草が1本も無くなり、魔法陣に落ちた小石も一瞬で消滅した。
「ほっほっほ、流石じゃのう。これだけの威力がある地雷式魔法陣なんぞ、魔導師も失神物じゃのう。」
「魔導師?魔法使いと何が違うんだ?」
「ランク、使う魔法が違うのじゃよ。魔法使いは主に自分の魔力を使った魔法を使う。」
「対して、魔導師は自分の魔力を使った魔法は勿論、儀式魔法や上級魔法と言った、詠唱や魔法陣を必要とする魔術も使えるのが魔導師なのじゃよ。」ズズー
「成程。良く分かった。」
「まぁ、儂ら魔族からしたら、どちらも対して変わらんからのう。」
ブエルは笑いなから言った。
「ま、それもそうか。」
「そう言えば、ブエル。あのロックバードを1回全部出してくれ。こっちの無限収納に移す。そっちの方が売りやすい。」
「そうじゃのう。その方が良いか。ほれ。」
ブエルは自分の無限収納に入ってる全てのロックバードを出した。
「……これでよしっと。」
甲野は全てのロックバードを素早く移し替えた。
そう言えば、ブラックベアーって幾らで売れるんだろう?
「ん?なんじゃ、突然ブラックベアーを出して?」
「ブラックベアーの売却価格を視ようと思ってな。」
そう言うと、甲野はブラックベアーの死骸を鑑定した。
名前:ブラックベアー(死骸)
価値:状態真っ二つ 白貸3枚
詳細:ブラックベアーの死骸。レッドベアーの上位種。ブラックベアー1匹で殆どの村は滅び、群れならば小国も壊滅状態になる。さらにブラックベアーの群れの出現にはBランク以上の冒険者が出て対処する。
身体が真っ二つになっているので、使える毛皮の面積が半減で価値も減少。
討伐ランクB
名前:ブラックベアー(死骸)
価値:状態良し 白貸7枚
詳細:ブラックベアーの死骸。レッドベアーの
以下略
眉間に小さな穴が貫いているだけなので、全ての毛皮を使えるので、価値はかなりの物。肉も高級品で稀に酒場でも提供される。さらにブラックベアーの毛皮はとても希少で貴族にも絶大な人気がある。
討伐ランクB。
「あれ?」
ブラックベアーの方が1匹の価値が高いな。
「ん?どうしたんじゃ?」ズズー
「いや、ブラックベアーの方が1匹の価値が高かったから少し驚いただけだ。」
「なんだか、ブラックベアーの出現だけで、かなりの騒動になるらしい。」
「なんじゃ、あんな魔物1匹で騒動かい。人間の街も脆いのう。」ズズー
「ま、高く売れるなら、積極的に狩っておこうかのう。」
「そうだな。」ズズー。
しかし、食後のお茶は美味いな。
余談だが、ブラックベアーは討伐ランクもそうだが、そもそも出現率が少ない為、希少価値が高い。1匹の出現でも臨時収入も良いとこだが、それが一度に3匹も出現するのは、あまり見掛けない。
と言っても、村人からすれば、ブラックベアー1匹の出現でも地獄と言っても過言では無い。
「ふぁー、そろそろ寝るか。」
甲野は残ったシチューもどきを無限収納に入れ、重ねていた焚き火の木を崩し火を消した。
そして、馬車に入り、簡単な布団を被り寝始めた。
「ふぁー、おやすみ。」
「おやすみなさいませ、我が主。」
ブエルの、その言葉を最後に深い眠りについた。
昼寝から起きた甲野は異世界人生初の野営を行いました!
そして、あんなに簡単に倒したブラックベアーがまさかの白貸7枚もの価値が!Σ(´□`;)マジカ
一体、そんな物を売れば市場はどうなるのか!?
それはまたいつの日か!
それではフリフリ((ヾ(・д・。)マタネー♪




