第19話 エルヴィン国 出国
さぁ、いよいよエルヴィン国、出国の日がやって来ました!(∩´∀`)∩ワーイ
エルヴィン国領主のラザスは一体どのような物を用意しているのでしょうか!?ムムム(´⌒`)
そして、どの様な出国になるのか!?
それでは本編レッツゴーヾ(*´∀`*)ノ
「ふぁーーーーー」
甲野はいつも通り背筋を伸ばしながら起きた。
『『『おはようございます。』』』
「あぁ、おはよう。」
『コーノ様、昨日のうちにコルクへの警告は終えました。』
「そうか。」
「キマリスがやったのか?」
『いえ、ブエルがやりました。』
『ほっほっほ、脅しなどは得意じゃからのう。』
「中々いい性格してるな。」
『ほっほっほ、コーノ様には負けるわい。』
と、ブエルは愉しそうに言った。
「さて、飯食ったら宿を引き払うか。」
『ですな。』
▷◁▷◁▷◁▷◁▷◁▷◁▷◁▷◁▷◁▷◁▷◁▷◁
「ふぅー、美味かった。」
オークのサンドイッチ。
中の肉はジュワッと、野菜はパリッと瑞々しく、それが黒パンと良く合う。
肉の油っこさが、新鮮な野菜で打ち消して、さらに黒パンを少し焼いているので、これがまた香ばしく、とても美味かった!
「これ、おまけね。」
「ところで、あんた、今日で宿代切れるけど、どうするんだい?」
「今日でこの国を出るから引き払うよ。」
甲野はおまけのジュースを飲みながら言った。
「そうかい。またこの国に来る事があったら寄ってくれよ。」
「あぁ、その時になったらな。」
甲野はそう言うと飲み終わったジュースの木のコップを置いて、宿を出た。
▽◁△▷▽◁△▷▽◁△▷▽◁△▷▽◁△▷▽◁△▷
甲野は領主の館の門の前に来ていた。
「コーノ様、お待ちしておりました!」
そう言ったのは、甲野の担当をした兵士だった。
「領主様がお待ちです。こちらへ」
「あぁ。」
「おぉ、コーノ!待っていたぞ!」
そう言ったのは、エルヴィン国領主のラザスだった。
「こっちだ!」
そう言いラザスは奥へと甲野を連れていった。
「これだ!」
「これは……幌馬車か」
「もちろん唯の幌馬車では無いぞ!馬車はかなり頑丈に出来ていて、もし盗賊に襲われても、ちょっとやそっとじゃ、ビクともしない。さらに、車輪には衝撃吸収の仕掛けがあって馬車の衝撃を緩和してくれる!」
所謂サスペンションみたいな物か。
「さらに、馬車引く馬もただの馬じゃない!魔物だ!魔物の中でもトップクラスの馬力を持つ、一角獣だ!」
一角獣?確か、あっちじゃあ、よく西洋映画とかに出てきたイメージがあるが……。
甲野は《異世界知識》で一角獣を調べた。
名前:一角獣
詳細:魔物の中でもかなりの力を持つ。その力は亜竜のワイバーンにも相当する。
一角獣は各地にいるが、3年周期に至る所へ飛んで行くので、見れば幸福になると言われている。
討伐ランクA。
「こんな貴重な魔物、良かったのか?」
討伐ランクAもそうだが、どう考えても珍しい魔物って事が分かる。
「良いんだ。確かに、一角獣は珍しい魔物だが、俺が持っていても、仕方が無い。それに、コーノには返し切れない恩がある。前も言ったがこれくらいしないと、兵士や使用人が納得せん。それに、これは全員、納得済みだ。」
「……そういう事なら遠慮なく頂こう。」
「それは良かった!」
ラザスは安心した様に言った。
「しかし、良く俺が御者出来るって分かったな。」
確か、昔、趣味で馬に乗った経験があるけど、そんな事誰にも言った事、無かったからな。
「ん?昨日、コーノの知り合いを名乗る者が現れてな。その人物から訊いたんだ。」
俺を名乗る人物?昨日?そして、俺が御者出来ると知っている人物?
もしかして……。
「ラザス、それはどんな人物だった?」
俺の予想が正しければ……。
「確か、白髪の人が良さそうな老人だったな。」
「……ブエル、お前、昨日の修行が終わった後、ここに来ただろ。」
甲野はそう小声でブエルに尋ねた。
『何の事じゃろな〜。』
はぁー。
ま、大方、ゴリアテにでも訊いたんだろ。
それで、移動に便利な馬車を褒美にと誘導でもしたんだろ。
まぁ、俺の事を思ってしてくれたんだから、罰は無しだな。
「確かに、俺の知り合いだ。多分、旅の途中にここへ寄ってたんだろ。」
そういう事にしておこう。
「あと、馬車の中に塩や胡椒と言った香辛料もある。」
「それは助かる。」
肉も塩や胡椒があるだけで全然、味が違うからな。
「もちろんだ!」
「さて、それじゃあ、俺はそろそろ出る。」
「あぁ、門番には話を通してあるから、そのまま行って構わん。」
「分かった。それじゃあ、また。」
甲野はそう言うと、馬車へ乗り込んだ。
「また、この国を訪れる時は俺を頼ってくれ。」
「その時になったらな。」
この国には拠点もあるから、いつかは来る事になるだろうな。
「あぁ。」
甲野は馬車を動かした。
「全員、我らの姫の恩人、コーノ様に敬礼!!」
ザッ!
すると、いつの間にか、集まっていた兵士達が兵士長の声を合図に一糸乱れぬ敬礼で甲野を送った。
本当にこの国の姫は愛されているんだな。
甲野は内心、苦笑しながら領主の館を後にした。
◁△▷▽◁△▷▽◁△▷▽◁△▷▽◁△▷▽◁△▷▽
「コーノ様ですね。」
門まで、来た甲野は門番の兵士に声を掛けられた。
「あぁ、そうだ。」
「領主様から話は聞いています。このままお通りくださって結構です。」
「そうか。」
そう言い甲野は門を馬車で潜った。
「全員、敬礼!」
「「「「はっ!」」」」
甲野はその敬礼を背に異世界初の国を出国した。
なんと、ラザスが用意していたのは馬車だった!
しかも、特別製の馬車&一角獣2頭付き!
その馬車に乗り、兵士達の感謝の敬礼を背に出国した、甲野!
目指す国が決まってない中、どの様な道中になるのでしょうか!?
乞うご期待d(゜∀゜。)デス!!
それでは( ´ ▽ ` )ノマタネ




