第07話 「ギルドとぼうけんしゃ」
町に着きました。しばらくはこの町でわっちゃわっちゃやる予定です。
21年、加筆修正
案内人さんに先導してもらい、冒険者ギルドとやらへ向かうことに。その途中で、いろいろと話を聞かせてもらった。
この町。というか、冒険者ギルドがある町は基本的に、町の中央部にギルドがあり。そこから四方を区切るように大通りができるのだという。
この町の北側が貴族達のいる上流階級区。西側が一般市民達のいる一般居住区。今、俺たちのいる東側に商人が集まり、結果として冒険者たちが集まる商業区。
「・・・そして南側が、明日の飯にありつけるかどうかわからないような奴らの集まる、貧層区だ。どうだ、分かったか?」
「え、えぇ。ご説明、ありがとうございます」
貧層区・・・やはりどの国も貧富の差はどうしても出てしまうのか。というか、自分から勝手にこの町の説明をしてくれるとは、この人はとても親切なのか、この町が好きなのかもしれない。
「おおっ、嬢ちゃんからお礼を頂けるとはおっちゃん嬉しいねぇ。」
前言撤回。ただのエロ親父だった。
「ところで、嬢ちゃんの連れのほうは、『これ』かい?」
そう言い、親指を立てた。この男失礼極まりない。
「そうです。『これ』です」
おい。
「ハッハッハ、こりゃあいい。何だね、恋人同士で駆け落ちしてきたってところかい?」
「そういうことになりますね。私達2人は、互いに互いを思い合い続け、こうして一緒になれる日を待ちわびていたものです・・・」
ぐおおおおおおお、恥ずかしさとエミーの喋り口調のせいで背中がむず痒いぃ・・・
しばらく羞恥プレイを受け続けた末、ついにギルドとやらの前についたらしい。
「マジムリ・・・恥ずかしさで死にそう・・・」
「ハッハッハ。女を残して死ぬんじゃねぇぞ、小僧!」
「ぬああああああああああぁぁ!」
この男ぉ・・・今は、エミーの機嫌が何故かいいから許しているものを、今度あったらぶん殴ってくれようか・・・。
「さ、行きましょう?クロさん」
「やめろぉ!その悪意のある「さん」付けはやめろぉ!!」
そんなことを言い合いつつ、2人はギルドに入っていった。
ギルドに入っていくクロたちを、目で追っている2人組がいた。
「おっ、今日も新人を連れてきたみたいだな」
「見ろよ、かわいい嬢ちゃんもいるぜ。・・・ありゃ上玉だな」
「おいトニー、後ろのガキは俺が貰っていいよな?」
「成功したら、な・・・ケヒヒヒ」
この2人、この町の門番と案内人とのグルで、いわゆる「初心者狩り」をしている男たちである。門番が「案内人」を付けさせてこのギルドへ案内している人達は、門番から見て「チョロそうな奴」。つまり、「初心者狩り」の餌となる予定の人達なのだ。
「ともかく、あいつらが人目のつかない路地裏かダンジョンに入ったときがチャンスだ。それまで待つぞ、トニー」
「あぁ、俺ぁ待ちきれねぇぜ・・・あの綺麗な顔を醜く汚してヤりてぇなぁ・・・」
「・・・なぁ、クロ?」
「・・・やっぱそうだよなぁ。あいつ等」
2人が見ている先は、ギルドカウンターではなく、「初心者狩り」の2人のほうである。
「あんだけドス黒いオーラ放ってれば誰だって分かるよなぁ」
「全く、どこの世界にもクズはいるのじゃな・・・」
バレバレであった。
初心者狩りに目を付けられてしまったクロウとエミーリア、2人は初心者狩りの魔の手から逃れることはできるのだろうか(棒




