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2度目の人生はスーパーイージーモードで  作者: モロコの三枚おろし
第1章 始まりの町 アンファング
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第29話 「ゴカイとケッチャク」

まともな戦闘とは一体・・・うごごご


21年、加筆修正


「・・・おっと、殺してしまう前に1つ」


 さらっと殺されることは確定になってしまったようだ。何がそこまで気に触れたのだろうか


「む、なんだ」

「戦っていて気づいたのだが、貴様はもしかして魔族の者か?」

「そうじゃが、それがどうかしたか?」


 おっと、さらっと暴露してしまったが少しまずかったか?


「いや、それなら貴様に聞きたいことがあってな。この辺りで魔王様を見かけなかったか?」

「・・・ん?」

「ん?」


 魔王様。という単語に、少し疑問を覚える。確かに自分は魔王だが、こんな奴が身内にいたような記憶はない。そしてその魔王本人に、「()()()()()()()()()()()()?」などと尋ねるだろうか。


「いや。魔王様のと思わしき、膨大な魔力を感じたから起きてみたのだが、探せど探せど見つからなくてね。貴様程の実力者なら、知っているかと思って」


 とりあえず状況を整理する。この時代にも魔王がいるのかということ。そして、私が何故、その魔王の気配に気づかなかったのかということ。最後に、その魔王とやらが原因でダンジョンマスター達が目覚めてしまったのかということ。



「いや・・・私は知らないな」

「そうか?ふぅむ、龍域魔法(・・・・)をダンジョン内でぶっ放っていたような気配がしたんだがなぁ・・・」

「ほう、龍域魔法か・・・」


 何故だか心当たりがあるような・・・ないような・・・?


「というか、それ多分私だぞ」

「・・・まじ?」

「まじまじ」

「・・・嘘をつくならもっとまともな嘘をつけ!」


 まぁ、そうなるわな




「嘘をつくならもっとまともな嘘をつけ!」


 ・・・なんて言ってしまったけれど、これで本気を出されたらどうしよう。


 まぁ、きっと大丈夫。多分・・・絶対・・・願わくばっ!


「まぁ、信じてもらえないのであれば先の魔法(・・・・)をもう一度放つだけじゃが」


 その言葉を聞いて、一瞬にして身体から体温が消え去ったような感覚を覚えた。龍域の魔法を、逃げ場のないこのバリアの中で使う?冗談じゃない。そんなものを受ければ、運がよくて再起不能だろう。


「・・・なんじゃその顔は。どれ、ちと待っておれ」

「さ、作戦タイム!」

「認める」


 全身の震えが止まらないがとりあえず、命をつなぐための作戦を考えることにした。



 ――1人目が来てから約5分後――


「作戦タイム終了!」

「それ、1人でやる意味あるのか?」


 軽く生死がかかっているのだ、これくらい考えても正直足りるかどうか怪しいが、とにかくやってみる。魔王様に託されたこの魔宝具が、ちゃんと機能してくれることを祈って・・・。


「食らえっ、封魔の宝ぎょk「ちょっと待った」」


 マジックポーチから魔宝具を取り出そうとしたところで、いきなり中断されてしまった。


「どっ、どうした!?恐れを為したか!我に恐れを為したかッ!!」


「いやぁ、実は私にはとある呪いがかけられていてなぁ・・・封魔系の魔法か宝具を使われると、使った本人が呪いの跳ね返しを受けてしまうんじゃよ。さて、その宝具の呪いが跳ね返るとどうなってしまうのかのぅ・・・」


 そう言われて、自分の手元に視線を落とす。この魔宝具は、使用した相手の魔力を無条件(・・・)で、3時間ほど(・・・・・)封じ込め、さらに、使用者にかかっている補助魔法や、魔道具の力なども全て。3時間ほど(・・・・・)封じ込めてしまうという、魔王様ですら恐れる程の力を帯びた一品だ。



「・・・」

「・・・」

「2度目の作戦ターイムッ!!」

「認める」



 ――1人目が来てから約8分後――


「っしゃオラァ!行くぞコノヤロォォォォ!」

「・・・キャラがぶれっぶれだが大丈夫なのか?」

「もう作っておいたキャラなんて知らねぇ、生きてナンボのもんじゃオラァ!」


 そう叫びながら、俺は最後の手段に出た。全てをかなぐり捨て、全力で頭を地面に――






「まじすんませんした」


 土下座である。相手が、計6分程の熟考をした挙句の答えがこれだったらしい。むしろこちらがどうしようか考えてたくらいだったのだが、まぁこれはこれでいいだろう。


「すいません・・・俺が悪かったんです・・・だから許して・・・あんな魔力で焼かれたら、跡形もなく融けちゃうから・・・」


 第1位の魔法だけでどうやって蒸発するつもりなのだろうか。逆に説いてもらいたいところだが、それはまたの機会にしておこう。



「早速で悪いのだが」

「ハイッ、なんですか姉御!」


 姉御になった。


「私はそろそろクロ・・・あぁ、連れの者の様子を見に行こうと思うのだが」

「姉御の弟子っすか?」


 弟子ときたか。


「いやぁ、まぁ・・・そういう関係ではないのだが」

「姉御のコレ(・・)っすか!」


 親指を立てられた。失礼極まりないな。


「いやぁ、まぁ・・・そういう関係なのだが」

「マジっすか!?」


 こいつ、気に入られようとする気はあるのだろうか。少し疑問になってきた・・・。


「コホン、まぁそういうわけでこの結界の中で大人しく待機していてもらいたいのじゃが」

「了解っス!いつまでも待ってるっス!!」


 舎弟(いぬ)ができた。


「と、ともかくここで大人しく待っておれよ!」

「ワンッ!」


 犬ができた。

次回、スクトゥム(盾)VSクロ(拳)!

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