第25話 「カマセたんとう」
新キャラ(敵)が新キャラ(敵)にコロされる描写ってどうなんですかね
21年、加筆修正
――ダンジョン内部――
「クソがッ、クソがぁぁぁぁぁ!!」
この男、エミーに対して殺意を向けていただけでたこ殴りにされ、縛り上げられ、挙句の果てには連れて来た実験台も奪われてしまうという、聞いてる分にはとてもかわいそうな男である。
ちなみに、縄からはしばらく前に抜け出していたようだ。
「クソッ!あの女ァ、絶対に殺す!殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺ス殺ス殺ス殺スコロスコロスコロスコロスコロス!!」
憎悪と怨念の混じったような言葉を発しながら、近くのワープポイントを目指して進んで行く。体中の傷は薬で止血したが、まだ完治していないようで、動くたびに紅い血が滲む。
「痛ぇ、痛ェ、痛え!クソがァ!階段がどこにもねェ・・・どうなッていやがる!」
彷徨い続けているのにも理由があった。道が完全に分からないのである。この男がダンジョンの構造を把握していない、ただの方向音痴なだけということではなく、文字通り「道が分からない」のである。先ほどから、完全に知らない道を通っているのだ。
「はァ・・・はぁ・・・おかしい、あの女ァ、俺に何かしやがったなァ・・・!」
当然、エミーはそのようなことをしていない。が、この男がそれを知る由はすでにないのだが。
「もしもし、そこのお方」
「あ"ァ"?」
いつから彷徨っていたのか分からない程に歩いていた男は、唐突に後ろから声を掛けられる。声を掛けた張本人は、全体的に灰色のプレートアーマーを装備し、背中には独特な紋様の入った盾が4種類、掛けられていた。
「いや何、少し人探しをしているんだけどね。すごくガタイがよくて、無駄に派手なマントを羽織ったオッサンを見かけなかったかい?」
本人は至って真面目に質問をしていたのだが、聞く相手のタイミングがよくなかったようだ。
「人探し・・・ヒトさがシ・・・クククク」
「そうか・・・人サがしか・・・」
「そうそう、人探し」
「・・・なら、八つ当たりされたって文句は言えねぇよなァ!」
そう言いながら、男は懐から薬瓶を取り出し、鎧人に投げかける。・・・はずだったのだが、ここで男の意識は途切れる。
「正当防衛、正当防衛。っと・・・ん、やりすぎたか?」
男の頭は吹き飛び、体には穴が開いている。やりすぎである。
「さて、早く地上に出ないとなぁ・・・。魔王様、怒ってなきゃいいんだが」
とりあえず強そうってことが伝わっていれば幸いです




