第22話 「ゆうしゃのドレイと、どれいのユウシャ」
21年、加筆修正
――昼、冒険者ギルド――
「というわけでこの娘、もといアイナの冒険者登録をお願いしにきました」
「は、はぁ・・・」
なんだかんだで同行を許していただけました。(∩*´∀`*)∩ ばんじゃーい。
ちなみに、俺以外には『勇者』の称号と『勇者の加護』は、見えていないようだ。変わりに、『奴隷』と『クロの奴隷』が見えるようだ。エミーが言っていたので間違いない。
今のところは、様々な疑問を全て放っておいて、先に目先のこと。つまり、さっさとダンジョンの攻略に向かってしまおうというところだ。秘密は抹消せず、手中で握り締め殺そうという、魔王様の思し召しだ。
そこまではよかったのだが・・
・
「えっと、奴隷を冒険者登録する、ということで間違いはないでしょうか?」
「えぇ、間違いはないです」
「・・・正気ですか?」
「えぇ、正気です」
まぁこのようなやり取りになってしまうのも無理はない。分かりやすく例えるなら、「うちのペットの犬を冒険者登録したいのだが、構わないな!」などと言っている様なものである。頭がどうかしているのかを先に疑うのが正常だ。
「ユ、ユウ「クロだ」クロ様・・・」
奴隷娘、もといアイナは現在、俺の後ろでぷるぷる震えている。恐らく、多方面から向けられている好奇心の目が怖いのだろう。俺もその気持ちがなんとなく分かる辺り、少し同情してしまう。・・・しかし、名前はちゃんと覚えてもらわないと困る。
「で、ですから奴隷は冒険者にはなれないんですよ・・・」
「いえ、先日頂いた書類にはしっかりと『種族、性別、年齢問わず、誰でも冒険者になれます』と書いてありましたよ」
「それはそうですが、『一部例外があります』と抽象が書かれていたはずです・・・」
おーい、あんまり受付さんを困らせるんじゃないぞー。
などと、不毛な会話を繰り返していたその時、突如天井が爆発し、全裸にブーメランパンツという、凄まじく奇抜な格好をした男がギルド中央部に現れた。
「そぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉの話ィィィィィィィィ、俺が聞こうではないっかぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!」
・・・変態が現れた。
「あっ、彼方は!ギルドマスター!!」
「「「ぎ、ギルドマスターァァァァァァァァ!!?」」」
前言撤回、ヤベー変態が現れた。
だいぶ投げやりな感じになってしまいましたが、私の語彙、編集能力ではこれが精一杯です・・・




