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2度目の人生はスーパーイージーモードで  作者: モロコの三枚おろし
第1章 始まりの町 アンファング
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第18話 「カワイソウなひとたち」

すごーい!君たちは、連携のできるフレンズなんだね!


21年、加筆修正



 時は少しだけ遡る。現在、エミーが魔法を放った瞬間辺り。



「あっ、マズイ」


 放っておいて気がついた。自分らしくなく、カッとなっていたようだ。明らかにオーバーKILLである。


「確かクロは召喚魔法を使えたな・・・大地の壁(アースウォール)大崩落(コラプス)でも使ってくれればいいのだが・・・」


 この願いは一応は叶ったといえるだろう。しかし、実際に叶ったのはしばらく後のことであった。


「・・・さて、この炎が治まるまで暇じゃな。後ろにいる残党でも狩っておくかのぅ」


 やってしまったものは仕方がない。そう自分に言い聞かせ、放って置けない兄さん達から物品を漁っているであろう者達のもとへと向かう。




 奥へ行くと、死体から物品を剥いでいる2人組を見つける。


「て、てめぇ!トニーはどうした!?」


 奥のほうで炎が燃え盛っている音が聞こえないのだろうか。きっと、脳の隋まで筋肉と脂肪でできているのだろう。


 無駄だとは思うが、一応相手を観察していく。1人はバトルアクスに大盾と、いかにもな重装騎士。


「おっ、貴様はあの時の門番か。まぁ、あの者の仲間というのなら関係ないな」


 もう1人は町の外にいた門番であった。槍に盾と、いかにもな騎士であった。


「ふ、ふざけるな!たかがレベル14の魔法使いが俺たち2人に勝てると思うなよ!」


 そう言い、重装騎士と門番が陣形を組む。重装騎士の斜め後ろに門番が下がる、典型的なフォーメーションだ。


「全力で殺ってやるよ・・・俺たちはトニーとは違って油断なんかしねぇからなぁ」


 この男、トニーとやらは油断して負けたと思い込んでいるらしい。これだから脳筋は・・・。



 と、ここでエミーは、とある言葉に引っかかった。


(何故、こいつらは私のレベルを把握している?)


 そう、この門番は確かに「レベル14の魔法使い」と言ったのだ。魔法使いなのは身なりを見ればすぐに分かるくらいには魔法使いしている。しかし、レベルのこととなると話は別だ。レベルのことを誰かに話すようなヘマはするはずがない。そして、この男。さっきのトニーとやらも含め、透視系の装飾品や魔法を持っているとは考えにくい。つまり


(他にも仲間がいるな・・・少なくとも、魔法使いが1人)


 こうなってくると厄介である。その魔法使いが念話系の魔法でも使えるのならば、全滅を確認したらすぐに逃げてしまうだろう。


 そして、今回の件を誰かに知られると、必然的に王族、貴族の耳にも入る。自分の下に置きたいと思われてしまえばそれが最後、どこかの下に就かない限りどこまでも王族や貴族の手は負ってくる。それだけは避けなければならない。



「・・・まぁ、今更か?」


 これがエミーの答えであった。何といっても、最初の男を殺した魔法は『龍域魔法』。英雄と呼ばれる域の人間でも習得できるかどうかという程の魔法なのだ。そんなもの使ってしまったからには、今更悩んでも仕方が無いと判断したのである。




「さて、そろそろ準備はいいかのぅ?貴様等の動きがトロすぎて、眠ってしまいそうじゃぞ」


 ここまでの回想、約0.0027秒。天才は立ち止まることを知らないのである。


「こっ!この尼ァ・・・後でダルマにしてヒィヒィ言わせてやる」

「ヘヘヘヘ・・・あの時の男の前でひん剥いて犯すってのもいいなぁ」


 重装騎士はバトルアクスを片腕で振り上げ、門番は槍を両手で持ち、エミーへと向ける。


「トロすぎて脳まで腐っておったとはな。私を犯すだと?笑わせるな。地べたを這いずり回るしか能がない塵芥が、私に触れられるとでも(・・・・・・・・)思っていたのか」


「き、貴様ァァァァァァァァ!」


 重装騎士がバトルアクスを振り下ろす。そのスピードと威力は、トニーの剣を遥かに上回る。しかし。


「なっ!?い、いねぇ・・・!」

「ば、馬鹿な!一体どこへ消えやがった!?」


 当たる寸前まではバトルアクスの軌道上に捉えていた。しかし、当たったことを確信した次の瞬間には、もうエミーはそこにはいなかったのである。



「・・・つまらん」

「なっ!」

「う、後ろ!?」


 当然、今回もエミーはただ歩いて(・・・・・)回避しただけである。ステータスの差は、ここまでくると本当にどうしようもないものなのだ。


「どれ、少しは加減してやるとするかのぅ。第1人界、火球(かきゅう)


 エミーの左右の手のひらの上に、小さめの火球が2つ出来上がる。そして、そのまま2人を目掛けて飛んでいく。


「バカが、俺の大盾はボーンファイターの大槌だって受け止めrぎゃあああ!」

「ジャァァァァァァン!・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 当然、魔王の魔法を普通の盾で受け止められるはずもなく、2人の男たちは焼死してしまった。


「フンッ、だるまになったのは貴様等のほうだったな。・・・そろそろ炎の様子でも見に行くか」


 エミーは先ほどより、少しだけスッとした顔をして、通路の奥へと戻っていく。




 ――??――

「ぼ、ボスぅ・・・ジャンとケニーまでやられちまったよぉ・・・」

「あの女ぁ・・・」


 ボスはいつも話が通じない。会話をしているのか、蓄音機に向かって話しかけているのかたまに分からなくなる。


「お、俺はむざむざ死にに行くなんて嫌ですよ!」

「やっぱそうだよなァ・・・だって、人間じゃねェんだもんなァ・・・」

「・・・はい?」

「よォし、お前は帰ってよ~し。俺ァ、このガキぃ連れてくぜェ~」

「ちょ、ちょっと、ボス!」


 そう言い、ボスは鎖に繋がれた実験台(・・・)を見る。その名の通り薬の実験台にされているらしく、体中に火傷などの痕が見られる。



「今夜のォ、つまみはァァァァ、人外女ァ~。っと・・・キヒャヒャヒャヒャヒャ!」

次回、エミーの身に危険が(棒

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