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2度目の人生はスーパーイージーモードで  作者: モロコの三枚おろし
第1章 始まりの町 アンファング
14/39

第13話 「はじめてのパーティー」

21年、加筆修正



 ――B11――

「・・・で、君たちは他のパーティーメンバーとはぐれてしまい、とりあえず近くのワープポイント、つまりこの階層まで走ってきたわけか」

「はい、そうなんです・・・」


 はい、ごめんなさい。そういう『設定』です。


 そりゃ不自然に思うよな。だってここ、下層入り口だもん。しかも、俺たち2人だけでレベル15程度だもん。おかしいと思わないほうがどうかしている。


「なるほど、事情は分かった。よし、俺のパーティーにはまだ余力があるから、君たちの仲間を探すのを手伝おう!」


 どうかしている人、約1名発見いたしました。


「あ、ありがとうございます」

「困ったときはお互い様と言うだろう?俺の仲間たちもきっと快く協力してくれるはずだ!」




「ふざけんじゃねぇよ!」

「・・・パス」

「私おなか空いたから帰るわよ」


 でっすよねー。これが普通、常識というものだ。


「私は手伝うわよ!」

「おう、俺も手伝うぜ!」


 どうかしている人、2名様追加でーす。いや、マジかこいつら。




「・・・というわけで、俺たち5人で探すぞ!」

「「「おー!」」」

「・・・おー」


 最後の元気のない返事が俺、クロである。なんでも、MPが尽きかけている設定のようだ。MPが2しかないのに、魔力吸収(ドレインマジック)を食らった。という設定らしい。本当に申し訳ない。


「そういえば、君たちの仲間とはパーティー登録していなかったのかい?登録さえしていれば大まかな場所くらいは分かると思うんだけど・・・」


 そういえばそんな説明を受けていた気がする。その時、エミーは眠っていたはずなので、知らなかったのだろう。


「え、えぇ。ダンジョンの入り口で出会ったパーティーの人達でしたので。・・・軽く、ダンジョン中層の雰囲気を味あわせてもらえるとのことでしたので是非、ご一緒にと」


 おお、さすがは魔力8000台。頭の回転速度だけは尋常じゃないようだ。


「そうか、ならばその親切なパーティーの皆さんを何としても見つけ出さねばな!」


 ごめんなさい。ホント、ごめんなさい・・・。




 ――B9――


 現在、地下9階。ここに辿り着くまでにも何度か戦闘はあった。エミーは戦闘に参加していたようだが、俺は後ろから戦闘を見学していただけである。


 しかし、低レベルの軽戦士の立ち回りはある程度覚えられた。確かに、これを知らずにいつも通りに戦っていたら「はい、僕のレベルはたったの15です」とは確実に言えなかった。


 しかし、俺とは対照的にエミーの動きは素晴らしいものであった。無駄に長い詠唱、変な方向に飛んでいく魔法、攻撃を避けるだけで息が上がるなど。あれなら、「レベル10です」と言われても納得するであろう。さすがはエミーだ。



 ・・・などと考えながら道を進んでいると、エミーが小声で話しかけてきた。


「・・・おい、クロウ。おい」

「ん?何だ、居もしない俺たちのパーティーメンバーでも見つけたのか?」

「違う、異常事態が発生した」


 エミーがここまで言うのは珍しい。それに、俺のことを『貴様』や『クロ』ではなく『クロウ』と呼んだ。これは、本当に緊急事態であることの確かな裏付けでもある。


「どうした?聖剣でも準備したほうがいいか?」

「いや、それはいい。・・・ともかく、自分のステータスを見てみろ。偽装していないほうの、だ」


 一体どうしたのだろうか、しかし、その考えも自分のステータスを見た瞬間に変わる。確かに、これは異常事態だ、と



レベル:6       称号:勇者


HP :12750/12750  MP:910/930

筋力:7342(+12)   耐久:6572(+1)

敏捷:7066      魔力:510

幸運:0(+500)


装備:レザーアーマー

   精霊王の腕輪(鉄の腕輪)

   鉄の剣

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「レベルが・・・上がってる?」

「そのようじゃな」


 なんてこった。

世界最強たちは、留まることを知らないそうです。一体何と戦うつもりなんだ・・・

ちなみに、ダンジョンの攻略推奨レベルは大体ですが、パーティーでも敵の平均レベル+6~10程度です。このダンジョン、中層の平均レベルは20前後なので、適正レベルは26~30前後というわけです。

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