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2度目の人生はスーパーイージーモードで  作者: モロコの三枚おろし
第1章 始まりの町 アンファング
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第12話 「ダンジョンいりぐち」

ようやくダンジョンに入るそうです


21年、加筆修正


 ――夜――


「・・・さて、入り口についたようじゃのう」


 そこには、高さ3m幅5mくらいの入り口と、その横にワープポイントがあるであろう小屋がポツンとあるだけであった。一応警備の人もいるようだ。後は・・・


「・・・ん?あいつらって孤児か?」

「じゃろうな」


 恐らく、荷物持ちの仕事で食い繋いでいる子供達であろう。パーティに加わりたそうに、こちらを見ている。・・・仲間にしますか?


「これ、目を合わせるな。どうせ貴様のことじゃろう、1人救い出すときりがなくなる。あの子達には縁がなかったものだと諦めろ」

「むむむ・・・」


 エミーからそう釘を刺されてしまったものの、頭の片隅では『どうすればバレずに行動できるだろうか』などと考えている辺り、俺は救いようがないのバカだろう。


すると、そんな俺に彼女(エミー)は耳元でこう

「どれ、今晩は『2人の私』で相手してやってもよいぞ」・・・と、囁いてきた。

「えっ、何それ。何それ?何それ!」


 こうなってしまっては、もう頭の中は()ピンク色一色である。やはり俺はバカなのだろう。うん、バカなんだな。


「さー、まずはダンジョンに潜るぞー。この話はその後じゃー」


 などと言っているが、そんなことは俺の耳にはもう届いていない。ちなみに、物凄い顔をしていたであろう俺を、孤児の子供達は、なんかすんごいモノを見るような目で見ていたそうだ。




 ――B1――

「さて、地下10階辺りまで飛ぶか」

「いやいやいやいやいや」


 最初の目的はどうした。


「序盤で梃子摺(てこず)っているような雑魚共を見ても仕方がないだろう、せめてこのダンジョンの下層まで降りれる面子を探すのだ」

「いや・・・えぇ・・・いいのかなぁ」

「いいのだ。私がルールだ。ともかく、もし他の冒険者に遭遇したら、私に話をあわせろ、いいな?」

「う~ん、まぁ・・・いいのか」


 よくないとは思うが、彼女はこれと言い出すと聞かないのだ。これは昔から変わらず、今も治っていない様だ。



「では行くぞ。・・・ほれ、掴まれ。」


 そう言い、手を差し出される。確か、使用者に触れていればどこでもよかった気がするのだが、そういうところは気にしない。というか、今晩のことで頭がいっぱいで、考えられない。


「よし、掴まったか。・・・心なしか、握り方が卑猥な気がするのは気のせいだよな?」

「な、なんのことだか・・・」

「はぁ・・・まぁいい。第10霊界、空間の支配者(エスパース・プオンニ)



 エミーは、半径1km以内の空気中の魔力の動きにより、生命体の有無はおろか、大体の位置まで割り出せる。しかし、ダンジョンなどの魔力濃度の濃さが曖昧な場所や、生命体の正確な位置までは割り出せない。それが常識となっていたはずだ。


 そんなダンジョンの中でも、この魔法を使えば、そういったことまで全て把握できるらしい。何たるチート魔法であろうか。(ちなみにこの魔法自体、使用者の魔力感知範囲が基礎となるので、基本的な範囲は30mかそこららしい。)



「この辺りがいいか・・・第3霊界、空間転移(ピリホゥド)


 この魔法は、使用者が魔力感知により把握している場所に転移する魔法だ。近接職ならば戦闘スタイルに混ぜ込んだりも出来るが、魔力消費量の多さや、そもそも近接職は魔力感知範囲が狭いことなどから、そう易々とは使えない魔法である。


 これらのことを踏まえた上で感じたことといえば、(あぁ、全力で殺りあったら絶対に負けるな。俺・・・)で、ある。なんとも情けない・・・。





 ――??――

「お、おい!あいつら・・・まさかあの魔法は転移系か!?」

「落ち着け。恐らく、第2位霊界魔法の『拠点移動(ポイントジャンプ)』だろう」


 ちなみにこの魔法は、一度いったことのあるワープポイントまで一瞬で飛ぶという魔法だ。当然、違う。


「入り口のワープポイントを使えば済む話だろうが・・・クソッ」

「・・・いや、俺たちの尾行に気づいて、咄嗟に飛んだのかもしれない」

「まさか!ボスの隠密は完璧のはずだぜ!?」


 当然、彼女達は気づいていない。しかし、互いがすぐ隣にいる(クロ)獲物(エミー)のことにばかり気をとられてさえいなければ、寝ながらでも気がついていたであろう。


「シックの鑑定眼で見えたのが異常なまでの低レベルだったからもしやと思ったが・・・こりゃあ当たりだな」

「あぁ。ボスを呼んだ甲斐はあったぜ・・・」

「・・・ところで、ボスはどこだ?」


 辺りを見回しても、彼らが『ボス』と呼ぶ存在は見えなかった。


「あぁ、ボスなら『あの女ァ、怪しいんだよなァ~。薬とってくるぜェ~』とか言いながら帰っていったぞ」

「まさか!ボスが薬をわざわざ持ちに帰るほどか!?」


 あのボスが本気を出す。その事実に、初心者狩り一味が沈黙する。


「・・・ともかく、あいつらを探すのが最優先だ。2手に別れて探すぞ。」


 誰かがそう言い、彼らは入り口のワープポイントまで戻る。相手の実力に対する予想は外れながらも、この行為は正しかったのである。

初心者狩り一行のボスっぽいキャラまで出てきました。はたして、2人はこの男たちの魔の手から逃れることは出来るのだろうか(棒

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