1.
みなさんはじめまして。
とりあえず!目標は完結すること!な新米物書きですが、どうぞよしなによろしくお願いします。
柔らかな桃色の髪を風が撫でる。少年はそれにピクリと反応すると葡萄色の目を細め、空を仰いだ。
「…また始まるのか。
神の遊戯が__」
見上げた空には大きな虹がかかっていた。
天井に取り付けられた小さな窓から見える空が、唯一の外の風景。
せいぜい6畳しかない部屋には古いベッドと小さいテーブルしかない。
1日2度、最低限の食事と衣類を口のきけない使用人が運んでくる。
それが僕の全てだ。
表向きは。
僕の名前はルイ・グラン・ルロワ。
ルロワという街を治めている下級貴族の家の四男だ。
貴族というものは大体、貴い血を引くものとされていて、血脈に刻まれた一家相伝の”魔法”を使える。ルロワ家は下級貴族らしく《気温操作》という地味な魔法なのだが…。
僕が産まれた。
僕の魔法は僕自身がなにより知っている。
《影の支配者》。裏を牛耳っている訳ではなく、僕の指示に全ての”影”は忠実なのだ。
これは王族に匹敵する程強大な魔法らしい。5歳のころ、与えられていた自分の部屋で影と遊んでいたのを偶然執事が見つけ、その1ヶ月後には公ではベランダから転落死した事になって僕は魔力封じと共に離れの牢に閉じ込められた。
それから7年。
魔力封じは僕の魔力に耐え切れずとっくに効力は無くなっている。
更に、6年前に壁沿いにある古いベッドの下にあった、離れの書庫へと続く抜け道を発見していた。
すぐに逃げ出しても常識も学も体力もない子供ではどうしようもない。
なので僕は人が殆ど来ない離れで密かに遊び、体を鍛え、本を読んだ。
全てはまだ見ぬ広い世界を旅する為に。