神ング☆スーン
「じゃあ、行ってきます!」
そう言って私は天界を降りて人間界に向かった
……………
突然だが俺は勉強が中位・運動が中位のごく一般的な人間だ。
「んじゃ、俺今日バイトだから」
一般的な人間だから当然のごとく生活費が必要。
友人の誘いを断るのも慣れたものだ。その前に友人がバイトする俺を見掛けて誘うのを控えたらしいが。
「ありがとうございました~」
何時もの通りバイトを始める。
バイトと言っても結構仕事を任せられる。
レジ打ち・店内清掃・商品の運搬エトセトラ…
「ふぅ…。今日は人が少ないな」
「そうですね~、平日だからですかね?」
同じシフトの女性に話しかける。
女子大生らしいが一日中ここに居る気がするのは気のせいか…?
『おお、まだ居てくれたのか』
突如、従業員控室から出てきた店長。
トレードマークのリストバンドが今日も眩しい。
「今日は人が少ないから暇をもて余してましたところですよ~」
『そうかそうか。おっと、そろそろあがっても大丈夫だよ』 因みにだが今日訪れたお客さんの数
、4時間で18人。
個人経営の商店としては死活問題じゃないか?
結果、7時にバイトを終了した。
「あ~帰ったら宿題しないと…」
高校から出されたバイト可能条件に十分な学力が必要とされている。普通の学力の自分はギリギリだから宿題をして減点されないようにしないと。
「でもその前に夕食作らないと…。買えばよかったな…」
街路灯と自動販売機の光を受けて明るくなった道を進みながらそんな事を考える。
暫く歩くと自宅のマンションに着いた。一人暮らしの高校生にしては豪華かもしれないな。
「あ~疲れた。ここのマンション早くエレベーター付けてくれないかな…。体育とかあった日は辛いんだけどな」
少し愚痴を言いながら自分の部屋がある5階まで上がる。
「えーと、鍵、鍵は…。あった」
カバンの内ポケットに入れた鍵を取り出しドアを開ける
「ただいま……あれ?」
電気も付いていない暗い玄関にポツンと置かれた段ボール。
「大家さんが勝手に入れたのか?にしても大きいな」
引っ越しで使われそうなぐらい大きな段ボールは玄関を陣取っていて正直邪魔だ。
しかも宛先は…
『空の上。天界神殿』
…訳分からない。
「酷いイタズラだな~。大家さんもよくやるよ」
渋々と段ボールを開封。
『ドッキリ!』と書かれた紙でもてで来るのか?
「カメラリアクションとか必要かな~。
よし、せーの!」
好リアクションしようと考えて開けてみたら…
『ぷはぁ、やっと出れた~。
…あ!貴女が私を神様にしてくれる人?』
羽の生えた天使みたいな女の子が入っていた。