表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

登板

「あー……あっつぅ」


 気温三十四度。

 空は雲一つないカンカン照り。

 風はなくて、球場にはむわっとした空気が立ちこめていた。


 立ってるだけで汗が吹き出てきて、体力が奪われていく気がする。帽子のツバをつまんで一度脱いだ。視界が開ける。

 広いグラウンド。見上げるほど高い電光掲示板。観客席を見渡すと、俺たちが勝ち進んでしまったために動員された全校生徒が座っている区画が目に入った。……この暑い中、野球に興味ない奴らもいるだろうに。

 甲子園。

 夢にまで見た舞台。


「冗談キツいな」


 帽子を目深に被り直す。目を背けるように俯けば、足元には白線があった。

 俺が立つこの場所こそは世界の中心。

 甲子園のピッチャーマウンド。


 夏の甲子園第一試合。その先発投手。浅倉ヶ丘西高等学校三年、伏見祐介。

 これが俺の、高校での公式試合、初登板だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ