らしんばん座
アルゴの船。
私はそれの乗組員、他に船員はいない。
竜の骨と人魚で作った船に帆を付けて進んでいる
目的地は分からない、だが、羅針盤があれば、問題はない。
目的地は羅針盤が教えてくれる。
しばらくして、前が見えなくなった。
前が見えないと進めない、周りには誰もいない、誰も助けてくれない。
羅針盤よ、教えてくれ、どこを進めばいい?
……羅針盤は方角を示すだけ、何も教えてくれない。
方角だけわかっていても仕方がないんだ、早くどこへ行くべきか教えてくれよ。
……羅針盤は方角を示すだけ、何も教えてくれない。
お願いだから助けておくれ、どうすればいい?
……羅針盤は方角を示すだけ、何も教えてくれない。
もういい、お前は役立たずだ、消えてなくなれ。
私は星の海に羅針盤を放り投げた。
前が見えない中、私は進み続けた。
前へ前へと進んだ。
……すると、竜の骨、人魚、帆がすべて崩れ落ちた。
私は星の海に投げ出された。
ここはどこだ? どこにいるんだ?
……どこなのかさっぱりわからない、どこにいるかもわからない。
せめて方角さえわかれば……しかし、羅針盤はもう捨ててしまった。
何故捨ててしまったんだ!? 何故そんなことをしたんだ!?
星の海の上で私は叫んだ。
方角を見失い、やがて自分の目的も見失った。
最近、よく方角を見失います。
貴方はどうですか?