旅行者用新規パック
「旨いでしょ?三代目豚屋十兵衛の味を再現してるのよ」
そう言ってみゆきはタブレットのブタミンの成分値を二つ上げた。それから二ヶ月、噂が噂を呼び国立データ図書館に併設されたカフェに行列ができる様になり三ヶ月目に、メニューから削除され、レシピは広く公開された。
「それより例の”旅行者用新規パック”何とかなった?」
みゆきは食べ終わった丼ぶりをオートカーゴに乗せながら真治に問いかけた。
「それなら明日の午後10時にみゆきの部屋に届くはずだよ。それより先月アップグレードされたExpectnetなんだけどやばいらしぞ、的中率が79%だよ。データ法のギリギリ、ほぼ違法だよ。お偉いさん達はやっきになってるらしいぞ」
みゆきは目を閉じ、間をおいて話し始めた。
「実はそれと関係してるのよ、開示レベル1…でそもそもそんな物が閲覧できない様になってるのよ、データ法が施行されてから…、今はレベル5まで開示されなきゃいけないのに…,でねそのExpectnetの開発者がどうやら、…そのブラックボックスと関係してるみたいなのよ…」
みゆきの何だかおかしな話し方、素振り…?を真治は首を傾げながら聞いていた。
みゆきは顔を赤らめて下を向いて話をやめました。
「おいっ!みゆき具合でも、悪いのか」
「ごめん!ごめん!」みゆきは頬を赤くしながら答え、眉間にしわをよせ気を取り成し話を続けた。
「それで旅子新パックを使って、外部からそのブラックボックスにアクセスしてみようかと思ってるの、私の正規のアカウントでも、良いとも思ったんだけど、いざって時も、あるでしょ!でも本当にいざって時は正々堂々とやるつもりだけど」
「まあ天下のみゆきさんだ、俺はなんとも言わないけど」
真治は旅行者新規パックの話をみゆきに相談された時から概ね予想していた、想定内だった。何かに導かれるように、進んで行くみゆきの後をずっとついて行くと心に、この時真治は決めていた。
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