天才少年の正体
岬の背中にざわざわと何か得体の知れない感覚が走った。人間を凌駕した、秀明の思考速度は、天才岬も遠く及ぶものでなかった。岬はありとあらゆる可能性を、頭の中で巡らせたが、またどれも納得するものではなかった。
「すげーな!この秀明って子、それに引き分けた岬は、やっぱりすげーって事だよな!なっ岬」
岬の気持ちとまるで違った高志の言葉は、岬には届かず、岬はただモニターを見つめていた。
〔こんな事が出来るとすれば、A.I.しかない、上位スペックの、そんな物は、今この世界にはないわ〕
「それにしても、凄いですね、秀明君!言った通りに引き分けました。今回全日本オセロ少年チャンピオンを倒し、挑戦権を得たのですが、秀明君は誰にオセロを教わったのかな?」
するとネット番組の司会者の声が聞こえてきて、それに秀明が答えた。
「ルールを、教わったのはお父さんだよ!でも僕は負けた事がないんだよ、一度だけこの前引き分けたんだ!二重人体のお姉ちゃんに、引き分けがあるなんて知らなかったんだよ!だからお父さんとお姉ちゃんかな」
「二重人体?のお姉ちゃんですか」
番組内が少しざわめく中、他人の口から聞く”二重人体”と言うその言葉に、岬は恐怖を感じた。秀明の持つ攻撃性と天才と言う言葉で説明できない何かを感じていたからだ。
そして、二回戦が始まった。
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